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一途なまでに1つのガンプラを作り続ける“偏愛モデラー”「無数のバリエーションを愉しむ」

「敵役に夢中になる」というやや背徳な部分も興奮を倍増させた(MA-SHOP 1971)

――作品はザクが多いようですが、なぜザクを作ろうと思われたのですか?
MA-SHOP 1971ザクはガンプラに最初にハマった小学生の時から一貫して好きですね。それまでの勧善懲悪のロボットアニメとは異なり、敵役として悪の記号は盛り込まれつつも抑え気味なデザイン、ミリタリーっぽさを感じさせるいかにも“戦闘機械然”とした雰囲気、デザインを裏切らないストイックな演出と物語、それらすべてにやられてしまいました。「敵役に夢中になる」というやや背徳な部分もある種の興奮倍増効果があったと思います。
――これまでに作られたザクは何体くらい?
MA-SHOP 1971「宇宙世紀」モノであれば、発売されたものの1/4くらいは組んだり完成させたりしてきました。ただし真面目に作り始めたのは10年前から開始した「1/144のザクシリーズ」になります。きっかけは07年にMGシリーズでザクのアップデート版が発売され、そのコンセプトに痺れたのが始まりです。当時ネットモデラーさんによる数々の優れた作品にも大変な刺激を受けました。基本は自身の手で市販のキットを使用し、自分の考える基準となるザクをまとめ上げ、それをベースにバリエーションを作っていこうと考えました。そうやって最初の基準となるザクが出来たのが2011年。2002年発売のHGUCザクをベースキットにすることにしました。現在までに仕事の合間を縫って合計16機のザク及びそのバリエーションを作りました。この間ザク以外のMSを作ったのは2機のみです。
――そこまで魅せられるザクの魅力とは?
MA-SHOP 1971統一フォーマットで無数のバリエーションを愉しむという形をとるキャラクターは今では珍しくないかもしれませんが、MSV(モビルスーツバリエーション)、特にザクバリエーションは、そういった遊びを数十年先取りしていたと思います。MSVはどれも基準となる設定画を忠実にトレースして整理されており、機体ごとの違いが一目瞭然です。当時これ全部集めたい、作ってみたい〜と思った少年は自分だけではなかったと思います。

 もう一つはこれだけ多くの種類が発売されているガンプラで、現在において未だにアップデートされたザクバリエーションがコンプリートされないという現状への不満があり、それならばとこの隙間は自分で埋めようという動機になったのだと思います。

 ザクそのものの魅力についてはなにより、まずデザインそのもののインパクトが凄いこと。手塚治虫的な線密度にヤマトをはじめとしたアニメブーム当時のSF味が加味されてる所、それらがフィクションなんですけど確かな「世界」を感じさせる存在感。兵士としての宿命を全身にまとった狂暴でありながら虚無な表情や佇まい、それはつまり組織で運用される機器であるが故の漫画的なやり過ぎ感が抑えられている所、それでいてけれん味のあるナンセンス要素(カメラが発光したり、パイプの機能が謎だったり)といった所ですね。後は弱いところ、少々弱すぎる気はしますが…。
――すごい愛を感じます。MA-SHOP 1971さんにとって、ザクとは?
MA-SHOP 1971自分の見たいもの欲しいモノをこれでもかと泉のように湧き出る刺激で魅せてくれる愛すべきメカです。このガンプラさえあれば他に何もいらないかも?ですね。

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