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ファミコン芸人フジタが選ぶ「激動のゲーム業界を生きるメーカー『ケムコ』の名作駄作選」

原作無視?愛すべきクソゲー『時空の旅人』

時空の旅人(1986年/ケムコ)
 クソゲーとして現代でも語り継がれています。もともとアニメ映画(原作は眉村卓の小説)だったものをゲーム化した作品ですね。映画は、後にゲームにするくらいなので、好評だったと思います。

 ただ、残念なことにゲームには、映画の設定はほとんど受け継がれていないんです。ゲームではタイムスリップをして、歴史上の偉人にあったりするんですけど、たぶん映画ではそんな展開になっていないはずです。
 さらにその内容がひどい。タイムスリップした先の偉人の質問に答えるんですけど、「はい」「いいえ」の選択を誤ると、違う時代に飛ばされたり、殴り殺されたり、刺し殺されたりします。これは映画のシステムではなくオリジナルです(笑)。ヒロインも出ないですし。

 映画も爆発的に大ヒットしたわけでもなく、人気に乗りたいというわけでもなさそうなので、なぜこれがゲーム化されたのかが謎ですね。
スーパーマン(1987年/ケムコ)
 もう1本、これは映画は大ヒットしたんですけど、このゲームはクソゲーと言われています。

 普通、スーパーマンが戦って悪を倒していくというイメージがあると思うんですけど、このゲームではスーパーマンになる前、“クラーク・ケント”の状態でも戦うんです。体力で変身がとけるので、普通の状態でも戦うんですね。あと、変身した状態なのに地下鉄で移動とか(笑)。空を飛ぶのも回数制限があって。ウルトラマンのカラータイマーみたいですよね。とにかくツッコミどころが満載のゲームです。一応ゲームとしては成立してるので、広大なマップの割に単調過ぎる部分がクソゲーと言われています。スーパーマンという大作を使うためにお金を使って、開発にお金をかけなかったのかなと思う作りですね。

 このように、ファミコンにおけるケムコさんのソフトは、『ディジャブ』『シャドウゲイト』『悪魔の招待状』『スパイVSスパイ』など海外ゲームの移植は、いい評価のものがあるものの、映画などからのオリジナルでゲーム化に関してはあまり評価されていない作品があります。
番外編「ボンバザル」(1990年/ケムコ)
 番外編としてもう1本、スーパーファミコンのソフトをご紹介します。この『ボンバザル』は、スーパーファミコン発売と同時にローンチタイトルとして発売された『スーパーマリオワールド』『F-ZERO』の次、任天堂以外のサードパーティとしては初めて発売されたスーパーファミコンのソフトなんです。ゲーム自体は理不尽、難解、即死ゲーで、クソゲーと言われたりします。「なんでケムコさん、こんなに早く出せるんだろう」って思っていました。

 ケムコさんは、ファミコンソフトも、一番売れている時代に海外のゲームをどんどん持ってきたり、スーファミも本体が発売された直後、ソフトの本数が少ないから売れる時期に出したりとか、まさに“機を見るに敏”。ゲーム業界で特に重要なタイミングをつかむのがすごくうまかったと思います。いくらソフトが面白くても、タイミングが悪ければ売れないですから。

→次回は「出会ったら最後…絶望感しかなかった敵〜アクション編〜」
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