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【ガンプラビフォーアフター】なぜ、ドムやギャンは男を魅了する?『ガンプラは自由』であることの“求心力”

 2019年に40周年を迎えた『機動戦士ガンダム』シリーズ。日本のポップカルチャーとして世界的な人気を誇る強力IPだが、その礎となったのは1980年代前半のガンプラブームだ。そんな「ガンプラ」進化の一翼を担ってきたモデラーたちの“妄想力”について、人気モデラー・らいだ〜Joe氏とZIGGY氏にインタビューを実施。妄想や連想で拡大するガンプラワールドの“求心力”とは。
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「ガンプラあるある」の住宅環境問題を解決したオリジルの『汚し塗装』(らいだ〜Joe)

 MSVのプロトタイプドムを彷彿とさせる、らいだ〜Joe氏制作のドムについて、「この子は水陸両用実験ドムという私が考えたオリジナルで、『勝手にMSV』と呼んでいます」と笑う。この作品で氏は、2013年頃『ホビージャパン』誌の「オラザク選手権」で銅賞を獲得。思い入れも一入だと言う。

 「僕は二次元の絵から立体化するのは得意なのですが、オリジナル機をデザイン設計することが出来ません。人には得手不得手というものがあります。苦手なところを無理やり上げようとするより、得意なところを伸ばして苦手な個所をカバーする方が、全体の完成度をアップ出来ると考えています」

 そう語る、らいだ〜Joe氏は“汚し加工”が有名。塗装にこだわるようになった理由についは、「実は、僕は塗装が苦手です」と率直に明かす。そして、「塗装に関しては劣等感の塊と言っても過言ではありません。塗装のレタッチやスミ入れの失敗が『汚れてる?』と感じ、それが楽しくなってきて汚し表現を始めました」とのこと。また、住宅環境の問題でエナメル系やラッカー系の塗料を使えなかったことも関係しているそう。

 モデラーにとっての住宅環境問題は「ガンプラあるある」のひとつ。だからこそ、リアルタッチマーカーやウェザリングマスターのような「お気軽ツール」を多用したと説明した。

 「“お気軽汚し”もそれはそれで楽しくて、思い通りの表現が出来るようになってきた頃にターニングポイントがあったんです。当時、中学生になっていた次男が僕の汚し方法を完全にマスターし、僕が作ったガンプラよりもカッコイイ汚しをするようになったんです」

 次男の成長が嬉しいと共に、モデラーとしては悔しさもあったと言う。らいだ〜Joe氏は「このままでは次男に負けてしまいます。そこでドライブラシを始めたのです。もちろんドライブラシも水性カラーを使用しました。ただ元来、面倒臭がりな僕はドライブラシでちまちま汚すのが億劫になり、スポンジでポンポン叩いでドライブラシの代わりにしたんです。それが『僕らしいガンプラ技術』の始まりでした」と、ガンプラが繋いだ“家族との絆”、そして自身の成長を振り返った。

“依り代”を求める人の弱さと“戦争の無慈悲さ”をガンプラで表現(ZIGGY)

 オリジナルの「ギャン」について、ZIGGY氏は自分なりの“妄想視点”でスピリチュアルな要素を加味させたと説明した。

「マ・クベが“連邦の白い悪魔”を倒すため、宝玉(パワーストーン)で覆わせた特別仕立てのモビルスーツ、という設定を自分の中で考えました。でも、それが呆気なく敗れる。無機質な機械に人が込めた願いや、“依り代”を求める人の弱さ。“戦争の無慈悲さ”が見えるような作品を目指しました」

 さらに、ギャンというMSへの愛着、好きなポイントについて、「時代の狭間で一瞬輝き、散った哀れさをマ・クベやギャンからは感じます。ガンプラ制作の際は、劇中の位置付けや、パイロットの個性を投影したいといつも思っています」と、自身のこだわりを明かした。ZIGGY氏はこのギャンを組みながら、「マ・クベ=壺、美術品嗜好。鉱山開発、石」といった風に連想&妄想を重ねたのだそう。また、ちょうどその頃、ナチスの“オカルト傾倒”を描いたTV番組を見たこともあり、「ガンダムが悪魔なら、お祓いくらいするよね」といったイメージも沸き、パズルのピース側が勝手に集まるようにイメージが完成したそう。

 まさに、モデラーならではの妄想や連想が結実した作品。ZIGGY氏は『ガンプラは自由』であることの魅力を次のように語った。

 「ガンダムは実在しません。ですから絶対の正解もありません。リアルさを高めるのも、作品に美意識や哲学を反映させるのもイマジネーションあってこそです。ただ、独り善がりでは他人には伝わりません。ガンダム世界の決め事を踏み外さない範囲で、『その発想はなかった!』『…でも、分かるわ』と思わせられたら最高ですね。この『驚嘆と共感のバランス』は、今後もこだわっていきます」♪

(C)創通・サンライズ

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