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【サンリオ】あひるのペックルが30年ぶりの脚光、表情豊かな“眉毛”や“オカンみ”も人気
“眉なし”キャラクターが多い中、表情の豊かさでマンガは長期化
当時のサンリオキャラクターのほとんどは、ハローキティやマイメロディなど“眉なし”が多かったが、初代担当デザイナーによると「特に眉毛NGという決まりがあったわけではないんです」とのこと。
「当時、新しいキャラクターとして“あひる”というお題がデザイナーたちに出されたんです。そこであひるの絵を描きながらなんとなく眉毛を付け足してみたら、グッと人間味が出たんですね。そのとぼけた表情から『おひとよしで優しい』『あひるなのに泳ぐのが苦手』といったこの子の性格や設定のイメージもどんどん広がっていきました」(初代担当デザイナー)
ネットやSNSがなかった当時、キャラクターのプロフィール等はノートや下敷きといった一部の商品に文字情報として添えられる程度だった。キャラクターの魅力を掘り下げる役割を担っていたのが、サンリオの月刊紙『いちご新聞』だ。
「いちご新聞にはマンガも掲載されていて、ペックルも1991年から6年半にわたって『がんばれ!ペックル』というマンガを連載していました。いちご新聞の多くのマンガが1年ほどで入れ替わる中、これだけ長く続いた理由は、マンガ映えする表情の豊かさも1つあったのかなと思っています」(初代担当デザイナー)
近年になって変化も? はぴだんぶいのXで「オカン」的な魅力が浸透し始める
はぴだんぶいとは、80年代〜90年代に脚光を浴びた6キャラクターが「V字回復」を目指して2020年に結成されたユニット。今年の『サンリオキャラクター大賞』2位に輝いたポチャッコをはじめ、メンバーの再躍進が注目を集めている。
6キャラクターのわちゃわちゃした関係性が発信されるXアカウントも人気で、中でもペックルについては、みんなで遊んでいる時にさりげなくお片付けをしたり、パーティで甲斐甲斐しくお給仕をしたりといった、「オカンみのある優しさに感動する」というファンが多い。
ちなみにペックルははぴだんぶいのリーダーであり、じゃんけんで決まったという経緯がある。優しく、穏やかにメンバーを見守るリーダー・ペックルには、「割烹着が似あう」という声もあるそうだ。
「サイン会で『この子のどんなところが好きですか?』と質問すると、だいたいはキャラクターの見た目の可愛さを答えられるんです。だけどペックルについては、『優しいから好き』とおっしゃる方もいて、性格的なことをあげられるファンの方がいます。はぴだんぶいの影響は大きいなと感じています」(初代担当デザイナー)