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【サンリオ】あひるのペックルが30年ぶりの脚光、表情豊かな“眉毛”や“オカンみ”も人気

 サンリオのキャラクター・あひるのペックルが、『2024年サンリオキャラクター大賞』では11位に躍進。現在は“はぴだんぶい”のメンバーとしても活躍中だが、もともとは35年前に生まれたキャラクター。ペックルの人気はなぜいま盛り上がっているのか、その理由は“眉毛”にあり? 眉毛は人の感情や性格が最も表れるパーツの1つ。ハローキティをはじめ長年人気のキャラクターの多くが“眉なし”なのは、あえて無表情にすることで「うれしい時には一緒に喜んでくれて、悲しい時は一緒に悲しんでくれる」といったように、見る人の想像力に委ねて気持ちに寄り添う意図があったという説もある。一方で昨今は多くのキャラクターがSNS発信をしており、それに伴い表情豊かなキャラクターが増えた印象だ。ペックルが再び躍進している理由を“眉毛サイド”から探ってみた。

“眉なし”キャラクターが多い中、表情の豊かさでマンガは長期化

 あひるの男のコをモチーフとしたキャラクター、あひるのペックルが開発されたのは昭和から平成に変わった1989年のこと。1990年2月に発売されたガーゼハンカチがグッズ第1号だった。特技のタップダンスでふわふわのお尻をフリフリしながら踊る姿はなんとも可愛いが、中でもペックルの魅力を語る上で外せないポイントが立派な眉毛だ。

 当時のサンリオキャラクターのほとんどは、ハローキティやマイメロディなど“眉なし”が多かったが、初代担当デザイナーによると「特に眉毛NGという決まりがあったわけではないんです」とのこと。

 「当時、新しいキャラクターとして“あひる”というお題がデザイナーたちに出されたんです。そこであひるの絵を描きながらなんとなく眉毛を付け足してみたら、グッと人間味が出たんですね。そのとぼけた表情から『おひとよしで優しい』『あひるなのに泳ぐのが苦手』といったこの子の性格や設定のイメージもどんどん広がっていきました」(初代担当デザイナー)

 ネットやSNSがなかった当時、キャラクターのプロフィール等はノートや下敷きといった一部の商品に文字情報として添えられる程度だった。キャラクターの魅力を掘り下げる役割を担っていたのが、サンリオの月刊紙『いちご新聞』だ。

 「いちご新聞にはマンガも掲載されていて、ペックルも1991年から6年半にわたって『がんばれ!ペックル』というマンガを連載していました。いちご新聞の多くのマンガが1年ほどで入れ替わる中、これだけ長く続いた理由は、マンガ映えする表情の豊かさも1つあったのかなと思っています」(初代担当デザイナー)

近年になって変化も? はぴだんぶいのXで「オカン」的な魅力が浸透し始める

 優しくておひとよし。自分からグイグイ前に出るタイプではないが、頼まれると断れず、アワアワしながらも頑張る──。初期はマンガでしか知られていなかった、そんなペックルの魅力に気づく人が増えている。きっかけは、「はぴだんぶい」の活躍だ。

 はぴだんぶいとは、80年代〜90年代に脚光を浴びた6キャラクターが「V字回復」を目指して2020年に結成されたユニット。今年の『サンリオキャラクター大賞』2位に輝いたポチャッコをはじめ、メンバーの再躍進が注目を集めている。

 6キャラクターのわちゃわちゃした関係性が発信されるXアカウントも人気で、中でもペックルについては、みんなで遊んでいる時にさりげなくお片付けをしたり、パーティで甲斐甲斐しくお給仕をしたりといった、「オカンみのある優しさに感動する」というファンが多い。
 「6月のウェディングシーズンに、6キャラクターが新郎新婦とその家族に扮したイラストを投稿したのですが、お母さんに扮したペックルが眉尻を下げてそっと涙を拭う様子に心を打たれたというコメントをたくさんいただきました」(はぴだんぶい担当プロデューサー)

 ちなみにペックルははぴだんぶいのリーダーであり、じゃんけんで決まったという経緯がある。優しく、穏やかにメンバーを見守るリーダー・ペックルには、「割烹着が似あう」という声もあるそうだ。

 「サイン会で『この子のどんなところが好きですか?』と質問すると、だいたいはキャラクターの見た目の可愛さを答えられるんです。だけどペックルについては、『優しいから好き』とおっしゃる方もいて、性格的なことをあげられるファンの方がいます。はぴだんぶいの影響は大きいなと感じています」(初代担当デザイナー)

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