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(更新: ORICON NEWS

天才ピアニスト“すれ違い”でつかんだ『THE W』王者 今年のファイナリストにエールも「金の亡者になりすぎたらダメ」【オリコン ライターズ】

 顔出しNGの敏腕ライターたちが覆面姿で登場し、ゲストの素顔や番組の見どころを紹介する新番組『ライターズ!』(日本テレビ系/毎週日曜 深1:25)。第9回(3日深夜)は、女性芸人の中から一番面白い“笑いの女王”を決定する日本テレビ系『女芸人No.1決定戦 THE W2023』(9日 後7:00)の魅力を伝えるべく、前回王者の天才ピアニスト(竹内知咲、ますみ)が登場する。厳しい戦いを勝ち抜いてきた2人だからこそ語れる、決勝の舞台裏から心得などが飛び出した。


なんばグランド花月に立てる喜び やすともの粋な行動に感謝

 優勝から目まぐるしく動き続けてきた1年だった。竹内が感慨を口にする。「吉本の芸人にとって、栄誉というか絶対に立っておきたい舞台である『なんばグランド花月』に、一個看板を持って立てることはうれしかったですね。今年の5月になんばグランド花月で単独ライブをさせていただいたんですけど、なかなか若手ができることじゃなくて、やっぱりその看板がないと、何かこうタイトルがないと、立たせてもらえへん、単独させてもらわれへん場所なので、優勝したからここ来れたなーっていう感じはありました」。ますみも、『THE W』王者という看板がもたらした好影響を明かした。

 「なんばグランド花月の舞台が、めちゃくちゃ増えたことのうれしさは大きいです。コンビでネタを披露できたのは(準優勝した)『THE W2021』が、初やったんですよ。その翌年に優勝させてもらったことをきっかけに、いろんなネタ番組、全国のネタ番組にコンビそろって出られるっていうのがめちゃくちゃうれしかったです。あとは、睡眠不足の中で、いろんな朝の番組に出させてもらうという“覇者ならではの朝めぐり”もありました(笑)。あと『THE W』の優勝の少し手前に、大阪の番組で、海原やすよともこさんと共演する機会があって、その時に次何か賞レースで優勝したら『漫才衣装作ったろ』って言ってくれはって。その3ヶ月後に『THE W』優勝することができたんですけど、直後にホンマに完全オリジナルの衣装作ってくださって。優勝した次の日ぐらいにLINEに来て『もう相談しよう』って言って、すぐ動いてくれはったこともめちゃくちゃうれしかったです」

 2人に光をもたらした『THE W』だが、新たな王者が生まれることは複雑な気持ちはないのだろうか。「さみしさはないです!これから、どんどん賞レースを取っていきたいなという思いもあるので。『THE W』も、もちろんもらってうれしい賞ですが、まだまだ他の賞レースも取りたいという欲望があるので」(ますみ)、「“欲望”って、はっきり言ってくれて気持ちいいですね(笑)」(竹内)。

 改めて優勝までの軌跡を振り返ると、初の決勝にして準優勝に輝いた2021年、2人はすぐさま“覇者”に向けて始動した。毎月単独ライブを行っていく中で、『THE W』で勝つネタを作っていった。「漫才・コント・ピン芸…何でもありっていうところで勝てるネタかどうかっていうのをずっと重視して作って磨いて…っていうのは徹底してやりました」(竹内)、「勝負ネタってほんまに、何十本何百本やって1本あればいいかなっていうレベルなので、数多くのネタをやる中で、お互いに何か言うでもなく『これが勝負ネタになるかな』というのは自然と決まっていった感じでした」(ますみ)。

ほかの芸人のネタを見ている間は何を考える? 今年のファイナリストへの金言も

 『THE W』の決勝戦の対戦方式は、12組のファイナリストたちが4組ずつABCブロックに分かれて、1本目のネタを披露。審査員6人と視聴者のデータ投票「国民投票枠」の合計7票で、暫定1位と挑戦者のどちらが面白かったかを決める勝ち残りノックアウト方式を採用している。2度目の決勝、トップバッターでネタを披露した2人は、その後も“勝ち残り”続けなければならなかった。審査を待つ間、どんなことを考えていたのか向けてみた。

ますみ「めちゃくちゃしんどいですよ。やめてと言いたい(笑)。でも、あれは『THE W』の特色が出ている採点方式やと思いますので」

竹内「あの間は、けっこういろんな考えがめぐるというか…。最初は『自分ら以外の組はウケんといてくれ』と思うんです。途中から、でも自分たちもMAXのパフォーマンスでできた、ミスもなかった、これで負けたら仕方ないじゃないかという思いになったり、ほかのファイナリストだって、私たちと同じように1年間ここ目がけてやってきたんだから、それでもしかしたらその人らの順番で、私たちは今回負けてしまうかもしれないけれど、また来年に向かって頑張ったらいいし…みたいな。そこまでいろいろ思うんですよ。哲学の世界に入っていきます」

ますみ「えーそんなこと思ってたん(笑)?いや私、もうほんま滑れー!滑れ滑れ滑れ!滑れネタ飛ばせー!って思ってた(笑)。いろいろあるけど、そこで待ってる時はもう…トップバッターだったら、その後の全部の組に勝ちきらないといけないので。トップバッターでウケたけど、不安すぎる要素がいっぱいあるやん。だから、もう脳みそ真っ白なれと思ってます(笑)。それで、自分たちが誰かに勝つ度によっしゃと思うんですけど、当時ついてくれてた女性のマネージャーがもう緊張と喜びと不安で、先に泣き出して(笑)。こっちが涙枯れるわっていう出来事もありました」

竹内「たしかにマネージャー先行の涙もありました(笑)。でも、あれもマネジメントの一環かもしれませんね。率先して泣くっていう技もありました。だから、あそこの席けっこう感情の揺れ動く場所ですね」

 審査員の言葉にも背中を押された。「1本目のネタが終わった後、笑い飯の哲夫さんが言ってくれた言葉が忘れられないです。私が『さっきメガネかけてなかったのに、今かけてるやんか』って言って、ますみが『おばちゃんメガネ好きやんか』みたいなくだりがあるんですけど、哲夫さんは、その『私メガネ好きやんか』っていうセリフがすごく僕の中に刺さったんですよねみたいな言ってくださって。それ、当日の直前に足したせりふセリフだったんですよ。だから、うわー足してよかったっていうので、やっぱりそういうので勝負って変わりますし、芸人の審査員さんとほんま細かいところ見てるなっていう今後の参考にもなりました」(竹内)。さらに、いい意味での“すれ違い”が優勝をぐっとたぐり寄せていた。

竹内「決勝戦で2本目のネタをやる直前、舞台袖にスタンバイしてる時に、ますみが『なんかもう、出たら出たでええよな?』みたいなことを言い出したんです。私は、出たとこ勝負というかもう好きにやろうっていう意味なんだと受け取って『うん!』って言って、そのまま舞台に行ったんです。それで私は、それなりにリラックスできたというか、もう散々相談もネタ合わせもしたし、やるだけやっていう感じでやったんですよ。それで優勝できて、全部終わってから後で『あれ何やったん?』って聞いたら、出たら出たでいいっていうのは、めちゃくちゃトイレ行きたかったらしいっすよ(笑)」

ますみ「ネタへの緊張感っていうか、尿意の出る出ないに神経を集中させてしまっていました(笑)。竹内はネタ書いている方やし、絶対に成功させたいミスなくベストパフォーマンスでやりたいという気持ちは、私より一層あると思うんですけど、最終決戦の手前で、竹内はかかりまくってたと思うんですよ。でも、私はそんなかかってるとかも何もなく、なんかにやげけてきて(笑)。『えーちょっと待って、なんか楽しなってきた』って(笑)。賞レースで勝つ時の直前、私楽しなってくるんですよ。なんかちょっとニヤついてきて、楽しいかもって思ったら、なんか優勝するかもっていうのはなんとなく自分の中で最近あります」

 今年のファイナリストは、あぁ〜しらき、エルフ(荒川、はる)、スパイク(松浦志穂、小川暖奈)、ハイツ友の会(清水香奈芽、西野)、はるかぜに告ぐ(とんず、一色といろ)、紅しょうが(熊元プロレス、稲田美紀)、変ホ長調(彼方さとみ、小田ひとみ)、ぼる塾(酒寄希望、きりやはるか、あんり、田辺智加)、梵天(薪子、しおたむ)、まいあんつ、やす子、ゆりやんレトリィバァ。“王者”からの金言を求めると「私たちが言えることはないですが…」と恐縮しながらも、やさしく呼びかけた。

竹内「獲得票を示すために『ちょうちょ』が移動するじゃないですか?あの時に怖い顔になりすぎるように気をつけてっていうことですね(笑)。去年の私、シャレならん顔してましたね(笑)。大阪に帰ってから言われたんですよ。『お前、顔やばかったで』って」

ますみ「賞金1000万円っていうのが熱いじゃないですか?1000万円がチラらつくとネタ中の声が震えるんですよ。プレッシャーで。だから、一旦お金のことを忘れて、やさしい気持ちでネタをすることが一番なんじゃないでしょうか(笑)。金の亡者になりすぎたらダメです」

 2人の言葉をもとに、いろんな視点から今年の大会も楽しむことができそうだ。
(取材・文/ファンタスティック ムラオカ)
『女芸人No.1決定戦 THE W 2023 』(外部サイト)
日本テレビ系/12月9日(土)後7:00〜決勝生放送
https://www.ntv.co.jp/thew/

『ライターズ!』(毎週日曜 深1:25)これまでのインタビュー【オリコン ライターズ】










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