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声優ブームのきっかけを作った『おはスタ』、子ども向け番組だからこその“声”の重要性
「声優の地位向上のカギを握るのは子どもたち」山寺宏一が『おはスタ』に込めた想い
そもそも「声優が“顔出し”でテレビに出る」ことが滅多になかった時代、「声優が朝のテレビ番組生放送のMCを務める」という前例のない抜擢の背景には、もう1つの子ども向けビッグコンテンツが深く関わっていたようだ。
「『おはスタ』に先立って同年4月には『ポケットモンスター』のアニメ放送が始まっているのですが、『おはスタ』を企画した久保雅一(現・小学館集英社プロダクション常務取締役)は『ポケモン』のメディアミックス展開の推進者の一人でもありました。目指したのは、マンガやアニメ、ホビー、ゲームなど子どもたちの大好きなものと同時に、天気や時にはニュースなども生放送で扱う、まったく新しい子ども向け総合エンタテインメント情報番組。それを朝の忙しい時間帯に生放送でお届けするにあたって、『たとえ画面から目を離しても耳にスッと伝わる声のプロフェッショナル』である声優が適任だと考えたようです」(村椿拓郎プロデューサー)
七色の声で知られる山寺宏一だが、25年前当時は洋画の吹き替えがメインで子ども向けコンテンツへの出演は少なかった。ちなみに山寺が声優として『ポケモン』に関わるのは、『おはスタ』開始の翌年に公開された劇場版1作目『ミュウツーの逆襲』からである。
「本業がお忙しい山寺さんにとって"1週間の生放送のMCオファー"には葛藤もあったとは思います。それでも『これからの声優の地位向上のカギを握るのは子どもたちだ』と考え、快諾してくださったと聞いています」(村椿プロデューサー)