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ガンダムの“羽”の概念を変える衝撃作…なぜ『水星の魔女』主人公機・エアリアルにカラフルな羽が?「風の精霊をイメージ」

羽以外の要素は他モデラーの作例を参考に「SNSのおかげで本作は誕生した」

――近作の「ガンダムエアリアルF装備」が4000件近いいいねを獲得しました。この反響をどのように受け止めていますか?
はぼただただ驚いています。これほど多くの人に自分の作品を見ていただけて、励みになりました。カラーリングや妖精の羽に注目したコメントをいただきうれしい限りです。

――『水星の魔女』の主人公機・ガンダムエアリアルに羽をつけるという独創的なアイデアがユニークな本作ですが、制作のきっかけを教えてください。
はぼ一目で自分の作品とわかる様にしたいとの思いから、何かオリジナルの要素を入れようとしたのがスタートでした。羽をつけたのはエアリアル→風の精霊→妖精の羽という安易な連想です。

――なるほど。その連想から生まれてきたわけですね。
はぼはい。フリーダムやウイングガンダムの翼、月光蝶のエフェクトも発想はあったのですが、エアリアルに合わせると、自分の中では何か違うなと感じ、今の形に落ち着きました。発光する羽も初めはシェルユニットのような模様を入れることも考え、マスキングまではしたのですが、羽の虫っぽさが増してしまってボツにしています。

――「ガンダムエアリアル」には、何か特別な思い入れがあったのでしょうか?
はぼ曲線が主体のデザインや膝の位置、スカートで隠されていない太腿などに、これまでの主人公機のどれとも印象が被らない新鮮な印象を受けました。

――余談ですが、『水星の魔女』はご覧になっていましたか?
はぼ毎週楽しみにしていました。学園もの&主人公が女性というのが、ガンダムシリーズとしては新鮮でしたね。モビルスーツのデザインも企業ごとに別々のデザイナーさんが担当していて企業ごとの特徴が出ていました。ストーリーは王道の学園ものだっただけに1期の最終話は衝撃でしたね。

――続々と発売される登場機のガンプラをベースにしたモデラーさんの作品も、SNSでご覧になっていたとお伺いしました
はぼはい。みなさん発想力、技術力がすごいなと思っていました。本当にアニメに登場してそうな、説得力のあるミキシングやディテールアップやスタイル改修で、丁寧に作りこんだ作品があり、「いつかこんな作品を作りたい」と目標にしています。実は「エアリアルF」は私のオリジナルの要素は羽くらいしかありません。シェルユニットの発光やスタイル改修の多くはSNSなどの作例をマネしてします。ですから「エアリアルF」SNSのおかげで作れた作品かもしれませんね。

信条は「前作よりもカッコよく・丁寧に。最新作が一番カッコいいを目指しています」

――本作を作る際に1番こだわった点はどんなところですか?
はぼスタイルの変更です。素組のままだと上半身に重心が寄っていて、下半身が貧弱な印象を受けました。肩を内側に詰めて胴体を小さく見せる。腰・脚を延長してスマートにするなどしています。いずれもSNSなどに先行する作品があり、参考にさせていただきました。先行する改造例がたくさんあるのは人気機体のいいところですね。

――本作を作る際に、1番苦労した点はどんなところですか?
はぼ脛の延長です。脚を延長してスマートに見せるのは股関節の軸を上下逆に取り付ける方法が手軽ですが、腰回りや股関節―膝―足首間のバランスが悪くなるように感じたので不採用にしました。そのため脛を延長することにしたのですが、外装とフレームを切断して、プラバンなどをはさんで接着しなければいけません。今まで試したことがないうえ、パーツの切断は後戻りできなくて緊張しました。

――緊張感ある制作だったのですね。本作は、発光した羽に注目が集まる一方、エアリアルといえば、白と青のいかにもヒーロー然としたガンダムらしいカラーリングですが、本作ではカラーリングも大きく変えられています。カラーについてのアイデアはどのように方向性を決めていったのですか?
はぼ主人公らしいトリコロールもカッコいいとは思いましたが、“風の精霊”という連想からメインカラーを青か緑にすると決めました。モノクロの写真にいくつか色を当てていき、今の色に決めています。赤系統の色はどうしてもそこに目が引かれてしまうので最小限に抑えた結果、今の配色になりました。白い部分も単調にならないように何色かで塗分けています。

――ちなみに、本作制作時にはどのような物語をイメージされたのですか?
はぼ実は作るときに背景設定などはあまり考えていません。ニカ先輩がエアリアルの強化パーツとして、どこかから妖精の羽を仕入れて来てくれたんじゃないでしょうか(笑)。そして、ファラクトのような高機動な相手と空中戦を繰り広げてほしいです。でも1話限りの登場で羽は壊れちゃうんだろうな〜。

――本作に限らず、ガンプラを制作するうえで常に心掛けていること、ご自身の信条をお教えください。
はぼ「前作よりもカッコよく・丁寧に」を心掛けています。完成後に見直すといくらでも反省点や改善点が出てきます。最新作が一番カッコいいを目指しています。

――素晴らしい心構えですね。では最後に、はぼさんにとって「ガンプラ」とは?
はぼ懐の深い趣味でしょうか。設定に準拠してもよし。オリジナリティを出してもよし。汚してもきれいなままでもカッコいい。年齢や技術レベルの応じた楽しみ方がある、奥の深い趣味だと思います。
 モデラーとして、まだまだビギナーの域を出ませんが、今後やってみたいことはたくさんあります。基礎を磨きながら、ミキシングでド派手なオリジナル機体も作りたい。展示会にも参加したい。やりたいことが多すぎるので、一つ一つ挑戦していけければと思っています。ですから目標は「細く長く楽しく」です。

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