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「神がかっている」「どこの寺のご本尊?」 “ガンプラ界の仏師”が彫った『不動明王ゴッドガンダム』に海外も驚愕

 ガンプラのパーツひとつひとつに“彫り”を入れ、作品を作り上げるモデラーのノールスさん(@chacknoress)。ウェザリング、アニメ塗など、ガンプラを制作するうえで、さまざまな手法があるなかでも、誰もマネできない唯一無二の作品を次々と発表。“ガンプラ界の仏師”とも呼ばれ、海外からも賞賛の声が届いている。そんな同氏が先日、昨年制作・発表した『不動明王ゴッドガンダム』を、SNSで再掲載。3000を超えるいいねを集め、再び話題となった。なぜこのタイミングで過去作がバズったのか? 本作制作の裏側とともに話を聞いた。

マンガ家・森川ジョージのツイートがきっかけ、“#今だ乗っかれGガン祭り”に便乗

――先日、『不動明王ゴッドガンダム』がSNSでバズリました。昨年の完成時にもSNSで話題となりましたが、このタイミングで再掲載したのは、何か理由があったのですか?
ノールスはい。実は、マンガ家の森川ジョージ先生が『機動武闘伝Gガンダム』を視聴し始めたというツイートがきっかけで、Gガンダム関連のワードが連日トレンド入りしたんです。そのなかで「#今だ乗っかれGガン祭り」というハッシュタグがタイムラインに流れてきたので、それに便乗して再掲載しました(笑)。

――なるほど、確かに「Gガンダム」関連の言葉がトレンド入りしていましたね。このお写真は、昨年発表されたときのものとは異なるようですが、こちらもかっこいいですね。
ノールスありがとうございます。今回の写真は、私が所属しているサークルでお世話になっている大阪の模型工房One-Stepさんが撮ってくれたものです。正直こんなに反響があるとは思わなかったので驚いているのですが、黒背景に仏像のようなポージングでインパクトが大きかったことが反響の多かった要因だと思います。「心を動かされた」という声や、多くのいいねをいただきうれしかったのですが、やはり神仏を尊崇するという日本人の心の琴線に触れたからではないかなと思っています。といいつつ、ガンプラで人を感動させることは以前からの目標でもあったので、個人的にも非常に喜んでいます。

こだわりって彫った梵字の不動明王真言「誰にも気づいてもらえず悲しい」

――“日本人の琴線”といいつつ、海外の方々からも賞賛のコメントがたくさん届いており、“ガンプラ界の仏師”の異名に恥じない活躍を見せていらっしゃいます。本作制作時のお話も伺いたいのですが、そもそも、本作はどんなアイデアを着想して制作に至ったのですか?
ノールス文様や彫り物見学のために神社や仏閣を見ていたときに、「いっそ仏像モチーフでガンダムを作れば面白いのではないか」と思い付いたのがきっかけです。

――一般人からは、なかなかその発想は出てきません(汗)。今回、“彫り”の対象にゴッドガンダムを選ばれたのはどのような理由からでしょうか?
ノールス実は、ガンダムシリーズは中学生以降観てなくて、成人してから初めて観たのが『Gガンダム』でした。当時30過ぎてたのに、ハマってそこからガンプラも作るようになった思い出があります。(制作時)コロナ禍でガンプラが品薄のなか、たまたま立ち寄った店で『ゴッドガンダム』を見つけて。なので、選んだというより「これしかなかった」というか、逆に“選ばされた感”がありました(笑)。
 ゴッドガンダムのイメージとしては、日輪や黄金に輝くハイパーモードなど元が仏像みたいな印象を受ける機体ですね。

――導かれるようにゴッドガンダムを手に取ったんですね。改めて作品を拝見すると、ゴッドガンダムが、“彫り”によって、より神々しい存在に仕上がっています。
ノールスありがとうございます。主に、唐草文様や梵字など仏教色の強いモチーフを彫り込んで、より“仏らしい”イメージで彫りました。

――私たちが想像する以上に苦労されたかと思うのですが、ご自身でピックアップするとしたら、どんなところにこだわりましたか?
ノールスこだわったところは、バインダーの梵字が不動明王真言になっているところなんですが、誰も気づいてくれません。また、背面の火焔光背をプラ版から彫り出すのに、一番時間かかりました。
――そんな苦労をされたのに気づいてもらえないのは悲しいですね。この記事をきっかけに多くの方に見てもらいましょう。約2年前に“透かし彫りグシオン”で取材させていただいたわけですが、その頃よりもさらに技術が進化しているように見えました。ご自身は特にこの2年でのご自身の成長をどのように感じていますか?
ノールスそうですね。ひとつ制作するごとに、文様のバリエーションを増やしたり新しい彫り方を模索するなど、同じ彫りでも作風が単調にならないよう気を付けました。どれだけ成長したかは正直あまり実感ないですね。今後は、神社などでよく見られる龍や虎、鳳凰などの動植物や人物という、より誤魔化しのきかないモチーフの彫り物をガンプラに彫っていきたいと思っています。

――唯一無二の世界観がますます進化していきそうですね。それでは最後に、改めて、ガンプラを“彫る”ことの魅力を教えていただけますか?
ノールス新しい表現方法として、これからも自分の世界をキットに込めていきます。
<インフォメーション>
現在、『不動明王ゴッドガンダム』は、模型工房One-Stepで展示中。詳細は、下記HPまで
http://onestep.html.xdomain.jp/Craft_Spot_One-Step/top.html(外部サイト)

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