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まるでジオン軍のPRポスター? ザクのカッコよさ際立つガンプラが話題「ファーストを観て共に過ごしたおっさんたちに刺されば」

 ガンプラの持つ造形の美しさを生かしながら、丁寧な下処理と塗装を施し、臨場感のある写真作品を発表し続けているhanaさん(@hana41418236/インスタグラムではtsuta772さん)。「ガンダム VS. ジオング」などの名シーンを再現してきた同氏の近作は、『機動戦士ガンダム』(=ファーストガンダム)の第10話「ガルマ散る」で荒廃したニューヤークに降り立つザクたちをイメージし、表現。「2機のザクの中央に指揮官機然と立つシャアザクのカッコよさよ」など賞賛の声があがった。名シーンと呼ばれる場面が数多く存在するファーストガンダムで、なぜ玄人好みのシーンをイメージして制作しようと思ったのか?

消去法で描くことになった“ニューヤーク夜戦”

――前回取材させていただいた「ガンダム VS. ジオング」に続いて、この度『ニューヤーク夜戦』が話題になりました。そもそもなぜ本作を制作しようと思われたのですか?
hanaインスタ上でザクのコンペを主催されていたフォロワーさんからお誘いいただきまして、参加するために撮影したものです。実は、直近でザクを新しく作っていなかったので手元には過去作しかなく、それをそのまま投稿したのでは目新しさがありません。「せっかくお声がけいただいたので、参加するならせめて新しい写真にしよう」と、過去作のザクを使って撮影したものです。

――『機動戦士ガンダム』の第10話「ガルマ散る」で荒廃したニューヤークに降り立つザクのシーンをイメージされたと伺いました。ファーストガンダムには、他にも名場面があるなかで、なぜこのシーンに?
hanaシャア専用ザクが活躍する場面は、ほとんどが初期の宇宙空間でのシーンです。私は、「キットを浮かすためのスタンドは極力使いたくない」「画像加工で消したくない」ということをこだわりにしてます。そのくせちゃんとしたジオラマもないですから、宇宙を飛んでるシーンなんて全然無理なので、地上にしてしまおうと。消去法でニューヤークになっただけなんですよ(笑)。実はこの少し前に、ランバラル隊の登場シーン「ジオンの驚異」を再現したカットを撮影していまして、それがすごく好評だったので、それを応用しました。岩場も使いまわしなので、差別化を図るためにこれまでに作っていた手持ちのビル群を追加しました。全然ビルの数が足りないんですが(笑)。

――使いまわしといいながら、まるでジオン軍のプロモーションポスターかと思うほど構図もきれいに収まっていますね。
hana奥行きを感じるようにザクをなめた撮影にして、シーンの一部を切り取ってトリミングしてしまえば、岩場もビルも少なすぎるのを誤魔化せるんじゃないかって思ったんです(笑)。今回、リバイブ版の量産型ザク(写真奥)とリバイブ版のシャア専用ザク(中央)、オリジン版の量産型ザク(手前)を使ったのですが、リバイブ版は立ち姿がとても美しいです。一方であくまで個人的な見解ですが、胴が短いからか、両手でマシンガンを構え腰を落としたポーズをさせるとちょっとカッコよく見えないと思うんですよ。オリジン版はどんなポーズをさせても絵になる秀逸な可動とフォルムを備えていると思っています。それぞれの特性を活かして、シャア専用ザクは真ん中でシュッとカッコよく決める主役に、オリジン版は手前で力強くマシンガンを構えるポーズで画面に緊張感を与えながらシャアに目線を誘導する役にしました。オリジン版は、ピントをボカしたことで巨大感、威圧感を演出できたのではないかと思います。

劇中にこの構図のシーンはないが、イメージを楽しむ

――撮影の際はどのようなイメージをされていましたか?
hanaさまざまな事情からこのテーマになりましたが、「ガルマ散る」自体は、物語的に重要な回で非常にドラマチックです。シャアの暗躍、索敵される側の怖さなど…。そのイメージを膨らませてみました。劇中ではこの写真のようなポーズやシーンはないですし、シャアザクもバズーカで武装していてぜんぜん違うのですが、ムード、イメージを楽しむことを優先しています。

――どのようなところに苦労されましたか?
hana三者の立ち位置、距離感です。上下左右、奥行きと重なり方に注意して撮影したのですが結構たくさんの枚数になりまして、どれが一番迫力のあるバランスか、投稿する写真を選ぶのに苦労しました。結局三者のバランスの見栄えを最優先して選んだら、後ろビルがほとんど写っていないカットばかりで…。仕方ないので「ニューヤーク夜戦イメージ ビル少なめ」、という注釈が必要になりました(笑)。

――本作も非常に反響が大きかったですね。
hanaありがとうございます。この写真に臨場感を感じてもらえた方がたくさんいらっしゃって、またシンプルにカッコいい、素晴らしいという声も多くいただき、うれしかったですね。

――昨今、hanaさんのようにガンプラを完成させるだけでなく、それを使った写真が完成作というモデラーさんも増えてきました。
hanaオモ写やデジラマなど皆さんさまざまなカタチで楽しんでいられますね。どなたの作品にも個性があって見ていて飽きないです。「これはどうやって撮っているんだろう? 自分ならこうするな」って、拝見しながらいろいろ考えるのも楽しいです。また気軽に画像加工できる無料アプリも色々出てきて、表現できる幅が広がってきているのも嬉しいですね。私もたまにアプリでエフェクトを追加した画像を作って楽しんでいます。

――次作はどのような構想を練っていますか?
hanaまだ構想はありませんが、今回のように当時のファーストブームをともに過ごしたおっさんたちに刺さるような写真をまた撮っていきたいですね(笑)。また、仲良くなったモデラーの方々から「展示会に出さないか」と言うお誘いをいただいています。実際に3次元での見せ方というのは、いままで私のやっている事とは全く違いますので、そのあたりも勉強していきたいなと考えています。

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