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『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の“やられメカ”が警察に!? 「敗戦続きだけど、総合的に優れた機体であることに間違いない」

 10月に放送がスタートした『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。これまでのガンダムシリーズとは一味違うストーリー展開が多くのファンを熱くしており、登場する機体も続々とガンプラ化。多くのモデラーが挑み、SNSで発表している。うせださん(@soboro2302)が手掛けたのは、重量級の量産機『ディランザ』を警察仕様にカスタム。劇中で敗戦が続く同機だが、「その性能は優れている」と同氏は言う。なぜ警察仕様のディランザが誕生したのか、話を聞いた。

実際に組んで感じた“パトレイバー”感から色味を警察仕様に

――警察仕様のディランザが、2.3万いいねを獲得しました。そもそもなぜ、ディランザをカスタムしようと思われたのですか?
うせだツイッターで、いろんな人のオリジナルディランザを見て作りたいと思いました。大人気の『水星の魔女』のガンプラシリーズの中でも、ディランザは買いやすいのもありますし、量産機という設定上、ガンダム以上に弄りやすく、さまざまなカスタムが見られるのは楽しいです。特に、重量級の機体なのでキャノンやミサイルなどで重武装している作品に目を惹かれました。

――「警察仕様」というアイデアはどのように生まれたのですか?
うせだ『グエル専用機』を発売日に購入したのですが、独特のシルエットやプロポーションからスタイリッシュなガンダムと違った良さを感じました。その後実際に組んでみると、「顔が『パトレイバー』のイングラムっぽいかな?」と思ったのがきっかけでした。今見るとそこまで似ていないのですが、色だけでかなり近づけることができたのはうれしい誤算でした。

――白をベースに、黒、赤、黄色というパトカーをほうふつとさせるシンプルな配色が、“警察感”をより醸し出しています。
うせだコントラストが強くなるように、白黒はなるべく真っ白と真っ黒に近いものを選びました。関節はグレーですので、鮮やかさを足す意味で差し色に黄色を使いました。膝の黒いところを脛と同色にしたり、手甲と指で2色になっていたハンドパーツを単色にしたり、配色パターンは変えてはいますが、パネルラインや角の形状に沿ってマスキングし、もともとのディランザのイメージを崩さないように意識しております。また、ディランザのディテールを生かしつつ、イングラムの配色を再現できるようマスキングし、塗分けたところは、こだわりました。
 今思うと、子どもの頃からパトカーの白黒、サイレンの赤という色の組み合わせは単純にかっこいいと思っていたので、それがどこかにあったのかもしれません。

劇中で優れた性能の一端をみせたディランザ「治安維持や対MS犯罪用に配備」

――『水星の魔女』の劇中でディランザは、第1話でガンダムに撃破され、第2話ではバラバラに破壊されました。“やられ機”の印象もありますが、うせださんは“警察機”(=治安維持)にするほど、その能力を信頼しているように思えます。
うせだそうですね、劇中では敗戦続きで、“やられメカ”の印象がある機体ですが、重装甲ながらホバー走行による高機動を実現するなど、汎用性も高く総合的に見て優れた機体であることに間違いないと思います。
 第1話ではエアリアルのビットに数発耐える耐久力を見せていましたし、6話では距離に応じて武器を切り替え応戦しつつ、初見の相手のオールレンジ攻撃を斧やシールドで防いでいくという活躍を見せてくれました。スレッタがくるまではグエルがホルダーの座をキープしていたことからも(もちろん、本人のモビルスーツ(MS)操縦の技量やチューンナップによる影響もありますが)、ディランザの性能は高いと思われます。

――となると、このディランザはどのように使われることをイメージされたのですか?
うせだ地球圏の東の小さな島国に、暴動鎮圧目的で配備されていたらという設定です。今作の警察仕様では、治安維持や対MS犯罪用に配備されたバリエーションの一種にすぎず、他にも地区の混戦状況や規模によってさまざまな装備が用意されているというイメージを持ちながら作りました。

――そういったお話を聞くと“やられメカ”の印象がなくなりますね。あらためて、本作に対し大きな反響がありましたが、どのように受け止めていますか?
うせだこれほどたくさんの人に見てもらえるとは思ってもみなかったので、驚いています。見ていただいてありがとうございました。
 そして、改めてガンダムとパトレイバーというコンテンツの大きさ、人気の高さを実感しました。また、パイロットについて特に言及はしていませんでしたが、「太田さん専用機」というコメントが特に多くみられたり、リプ欄で世界観が語られていたりしたのが印象的でした。

――制作者の手を離れて、作品が見た人の世界観の中で広がる。モデラーのある種の理想のような気がします。それでは最後に、うせださんにとって、「ガンプラ」とは?
うせだ映像(アニメ)で活躍した機体を手に取ることができ、それを自分の好きなようにカスタムできるただひとつの方法だと思っています。これまでガンプラをオリジナルに忠実に塗装してきましたが、今回思い切って他作品のオマージュを取り入れました。その結果、怒られるのではないかという思いもありましたが、予想に反して多くの人に楽しんで頂けて、作ってよかったと思っています。

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