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「これは…“あのザク”!!」ガンプラ箱絵の片隅に描かれたサムアップ姿を具現化、地味なのに「知ってる同志がいっぱいいてうれしい」

 ガンプラの魅力はキットだけではない。例えばボックスアート(箱絵=ガンプラの箱の上面に描かれたモビルスーツの絵)は、それを再現するモデラーもいるほど魅力がある。ちょいさん(@tyoi11r)もそんな、箱絵に魅せられたモデラーのひとり。そんな同氏の近作は、『プロトタイプドム』の箱絵の片隅に描かれたサムアップするザク。箱絵の主役機ではない、脇役の具現化にSNSで「着眼点と工作技術が素敵」「いつも隣にいてほしいです」「ナイスな存在感です」と賞賛された。同氏に、なぜ“あのザク”を作ろうと思ったのか、話を聞いた。

背景に半分描かれているだけなのに「みなさんよく分かるなぁ」と感心

――旧キットで作られた“あのザク”が3000件を超えるいいねを獲得し、注目を集めました。この反響をどのように受け止めていらっしゃいますか?
ちょい『プロトタイプドム』の背景、しかも半分だけ描かれているだけのザクなのに、「みなさんよく分かるなぁ」、と。知っている同志がいっぱいいてうれしかったですね(笑)。レスには絵文字の「サムアップ」が飛び交ってたのが印象的でした。

――本作を初めて見たとき、その“目の付け所”に脱帽しました。本作は、どのような発想から制作しようと思われたのですか?
ちょい仕事が忙しい時期だったので、気分転換に簡単に作れそうなキットはないかな、と目に映った旧キットのザクを手に取りまして。ちょうどその頃、タグで「ナイスザク、ナイス○○」というのが流行ってて、「ナイスザクといえばこのポーズだな」と(笑)。10月中旬に10日間余りで作り上げました。

――素晴らしいセンスですね。ちなみにご自身は『プロトタイプドム』もしくは、“あのザク”に何か特別な思い入れがあるのでしょうか?
ちょい『プロトタイプドム』は、発売当時の小学生時分に初めて塗装して完成させ、近所の模型店のコンテストで入賞した思い出があります。当時は、足首の動かないザクは見向きもしなかったですね(笑)。

――サムアップをして、あの表情を浮かべる“あのザク”の姿は、ガンプラのボックスアートならではだと思います。
ちょい「整備ばっちりだぜ!」みたいな感じですよね(笑)。やや前のめりなところがかわいいです。『プロトタイプドム』のボックスアートのように、端っこにちょこんと写るネタとして、他の機体の隣にも置ける汎用性もあり、今店舗のコンテストに出品しているのですが、隣の作品を「ナイス」してます(笑)。

旧キットは少し手を加えるだけで見違える…最近のキットはハードルが高い

――本作を作る際に一番こだわったところ、一番苦労した部分をそれぞれお教えください?
ちょいこだわった部分は、サムアップの親指と左手の謎工具です。もうこれが全て。苦労した部分は、謎工具の構造がほんと謎で、何をマネたらいいのやらと思いました(笑)。

――確かに(笑)。結局「謎工具」はどのようにして制作されたんですか?
ちょい箱絵を参考に、真鍮線をなんかソレっぽく曲げて作りました。その後、細かいところが判明しまして、もう少し手を加えてます。加えたところで、謎工具のままなのが浪漫ですね(笑)。

――本作を含めて、ちょいさんの作品を拝見すると、旧キットにとても趣のあるカスタムを施し、古き良きガンプラを想起させてくれます。このような作風はどのように形成されていったのですか?
ちょい2年前、長期出張先のホテルで旧キットのザクを制作したことがきっかけですね。手元に工具があまりなかったので、ほぼ素組みに水性塗料の筆塗り。ものすごく雑な仕上がりでしたが、そんな作り方がめっぽう楽しくて、以来そんな方向性になってます。

――旧キットのどんなところが魅力的ですか?
ちょい関節のタイミングなど、少し手を加えるだけで見違えるほどかっこよくなるところです。また最近ではそのまま作っても、いい味があるように思えてきました。歳でしょうか(笑)。また、去年作ってみたボックスアート風の旧キット『シャアザク』が結構楽しくて。以来、1/144旧キットのボックスアート全制覇が差し当たっての目標ですかね。いつかどこかの展示会でずらっと全部並べられたら最高です。

――素敵な目標ですね。最新のガンプラは可動域も広く、色などの仕様も細かいです。誕生から40年以上を経過し、進化し続けるガンプラについては、どのように思われますか?
ちょい組み立てるだけで、よく動く超かっこいい完成品になるのはほんとすごいと思います。ただ、完成度が高過ぎて、これをさらにかっこよくさせたいとなると、僕にはハードルが高いですね。そのままで満足しちゃう。僕は、旧キットのカスタムが楽しいですね。

――旧キットを愛し、信念を持って作り続けるのはかっこいいですね。それでは最後に、ちょいさんさんにとって「ガンプラ」とは?
ちょい原点あるいは軸足。他のプラモも作るけど、結局ここに戻ってきちゃう。そんな存在ですね。

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