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「これぞZZガンダム!」「まさにジョジョ立ち!」、SNSで絶賛されたガンプラモデラ―たちのこだわり

写真左/『ZZ』制作・画像提供/しんほり氏 写真右/『νガンダム』制作・画像提供/M-Live氏(C)創通・サンライズ

写真左/『ZZ』制作・画像提供/しんほり氏 写真右/『νガンダム』制作・画像提供/M-Live氏(C)創通・サンライズ

 オリジナル色への塗装や、新たな武器の装備、他作品のキャラクターを表現など、さまざまな方向性があるガンプラのカスタム。なかでも、もとの機体のデザインを尊重しつつ、細部の表現にもこだわる“ディティールアップ”は、実は丁寧かつ高度な技術が求められる手法。今回紹介する2人のモデラーは、それぞれZZガンダム、νガンダム【※】をディティールアップさせ、SNSで絶賛された。それぞれの制作のこだわりについて話を聞いた。【※】「νガンダム」の「ν」は、ギリシア文字の第13文字の「ニュー」

もともとかっこいいイメージのなかった『ZZ』をかっこよく仕上げる

 しんほりさん(@_shin_hori)が制作した『ZZ』は、塗装から細かな仕様まで、実に丁寧な“仕事”ぶり。ガンプラ歴がまだ浅いながらも、SNSで「これぞZZガンダム」と賞賛された。だが、同氏はもともと、ZZにそこまでの想い入れはなかったという。

「小学生低学年のころ、親が録画してくれたファーストガンダム3部作と逆襲のシャアのビデオを擦り切れるほど観て以降、ガンダムシリーズを観続けているのですが、正直なところZZガンダムって、個人的にはあまりかっこいいイメージがなかったんです(笑)。ところが、ガンプラを本格的に始めて、他のモデラーさんたちが作るめちゃくちゃにかっこいい作例を観ているうちに考えを改め、今回挑戦してみました」

 他のガンプラモデラーの作品に刺激を受け、ZZに挑戦すると決めた同氏。一般的に有名なジュドー・アーシタが搭乗していたZZガンダムではないものをモデルにした。

「とりあえず頭部は奥行のあるちょっとセンチネル(=ガンダム・センチネル/『モデルグラフィックス』誌上で、ガンダムの模型が関連した連載企画)な雰囲気に仕上げたいと思いました。ZZというよりは、個人的にFAZZ(『ガンダム・センチネル』内に登場する、ZZガンダムのフルアーマーシステムの実装を検証するために作られた試験用モビルスーツ)が大好きなのでその雰囲気に近づけられれば、と。ジュドーのZZガンダムとは顔が違うので、プロダクトモデルや2番機、3番機というイメージで作成しました。
 また、今回『MG 強化型ダブルゼータガンダム』を使用したのですが、強化型の強化された部分ってわかりづらいよなぁ、と思っていたので視覚的にもちゃんと強化された感が出る様に作成しました」

 ジュドーのZZではなくプロダクトモデルをイメージしながら、“強化型”を視覚的にも分かるようにディティールアップ。「いかんせん技術が全く追いついておらず、正直、妥協の連続になったことは否めません」と語るものの、「ただ、丁寧にキレイに仕上げることを意識しました」という言葉通り、丁寧な仕上がりに。SNSでも絶賛された。

「『これぞZZ』的なコメントを何名かの方からいただいたのが印象に残りました。いつもはペールトーンの少し曖昧なカラーで塗るところを“THE・ZZ”なカラーを選んで良かったなと思いました。制作時、オリジナルのカラーなども考えてはみたのですが、完成した時に「これはZZの何?」と観る人の印象がバラバラになってしまうのが嫌だったので、潔いカラーにして正解でした。
 もっとやってみたいことはあるのですが、私は、本当に技術も知識も乏しいので、丁寧に作るくらいしか見せ場がありません。1日1〜2時間程度しか時間が取れず、ダラダラとあまり進捗も上げられず進めておりましたが、約半年間、完成まで見守っていただいた皆さんに本当に感謝しています」

『より純粋にνガンダムと向き合いたい』と思い挑んだ3体目のνガンダム

 一方、M-Liveさん(@M_Live733)は、『RG νガンダム』をベースに、プロポーションの変更、塗装、さらに“立ち方”にもこだわったディテールアップを実施。同氏は、「これで3体目」という生粋のνガンダム好きだという。

「中学生の時に映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を観て、衝撃を受けました。すぐにプラモを買って作ったんですが、その時はうまく作れなかった思い出があります。やはり同作の主役機なので他のモビルスーツとは違う思いがありました。
 最初に制作した『MG νガンダム』は、とにかく作例がたくさんあるなかで、『自分にしかできない表現』を模索して、かなり気合いを入れて作りました。でも何か空回り感がありました。2作目は『RG νガンダム』でしたが、この頃の自分の中での流行りだったマグマ表現と組み合わせて、本体自体はランナーごと、無改造でグラデーション塗装したもの。こちらも好評だったのですが、『より純粋にνガンダムと向き合いたい』と思い、本作に挑みました」

 制作時「どんな過酷な状況でも立ち向かっていく、そんな気合いの入るワンシーンを何となく想像して、イメージを膨らませました」という同氏。一見大きな改造はないように見えるものの、胸部、腹部、脚部が強調され、プロポーションも良くなり、塗装も細かいところまで丁寧に施された。
「0.3〜1mm厚のプラ板をそのパーツ面に合うようにアートナイフで切り出して、各ブロックに仕込んで、ディティールアップをはかっています。塗装も部位によって、ドライブラシ、エアブラシ、筆塗りなどを使い分け、マスキングテープを活用しながら、下地からこだわって塗装しました。
 あまり言いたくはありませんが、僕はそんなに器用ではありません。たくさんのモデラーさんの作例を見て、挑戦した手法もありますが、技術的にマネ出来ないものが多いです。それでも自分が出来る限りの、ある程度のバランスを考えた理想を追求して作っています」

 同氏のこだわりは、機体だけではない。完成したνガンダムの“立たせ方”にもこだわった。
「いただいたコメントのなかでは、『ジョジョ立ち?みたいなポージングにより、ガンダム自体に意志を感じます』というコメントが特にうれしかったですね。この“ジョジョ立ち”みたいなところが、こだわりのポイントでしたので。厳密に言うと、“ジョジョ立ち”を意識したわけではないんですけど、昔、僕は美術系の仕事をしていて、その頃に勉強した西洋ギリシャの古典彫刻の考え方である『コントラポスト』の要素を取り入れたことが始まりです。「コントラポスト」とは、体重の荷重によるバランスを取る表現です。有名な彫刻にミケランジェロの『ダビデ像』があります。
 (ガンプラ制作時は)毎回、プラ板を足したり引いたりしながら模索を重ね表現しています。始めたばかりの頃は「S字立ち」という言い方をしていました。側面から見るとS字曲線を描いているためそのような言い方をしてました。本来はロボットなので、そんな要素は必要ないんですが、1度やると毎回やらないと気が済まなくなりました。しばしば、ジョジョ立ち(承太郎立ち)と言われることもあります(笑)」

 機体の魅力を最大限に引き出しつつ、自分らしいこだわりもそこに入れる。そんな同氏にとってのガンプラとは?

「ガンプラは自分が子どもの頃からあった身近な存在。人と人をつなぐコミニュケーションツールのひとつだと思います。 たくさんの方が素晴らしいガンプラを作っておられますが、そのマネをするのではなく自分の世界観、自分にしかできない表現を出したていきたいですね」

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