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“デフォルメ感”が魅力の『Bトレ』で四国の原風景を制作 「ジオラマは、昭和の懐かしい思い出を再現できる舞台装置」

 近年さまざまな鉄道模型が各社から発売され、愛好家たちはさまざまな思惑のもとジオラマ制作に勤しんでいる。B作さん(@Btoretsukuru)は、2002年にバンダイから発売された『Bトレインショーティー』(以下/Bトレ)を使って、自身の住む四国の風景を制作し、SNSで発信。愛好家だけでなく、多くの人たちか賞賛されている。同氏が『Bトレ』を使い、迫力あるリアルなジオラマを制作する理由とは?

リアルさだけがジオラマの醍醐味ではない

――SNSで発表されている作品は、『Bトレ』を使ったものが多いですが、そもそもハマったきっかけは?
B作私は幼い頃、Nゲージ鉄道模型のカタログ冊子を読み返すなかで見たジオラマ写真に憧れ、いつか作ってみたいなと思いながら、設置場所などの関係でなかなか作れずにいました。そのまま40代半ばになって『Bトレ』シリーズの存在を知りました。Nゲージ車両のリアルさを持ちつつ、車体の長さは実車の半分という商品コンセプトで、これなら省スペースで鉄道ジオラマが作れると感じ、車両を購入。その数日後には、具体的にジオラマ制作をする構想を始めました(笑)。

――幼いころからの夢を実現できるのが『Bトレ』だったんですね。『Bトレ』はサイズ感とともに、“デフォルメ”が魅力だと思います。
B作そうですね。Bトレは、実車の見た目のオイシイところだけをぎゅっと「濃縮」していると感じます。実車では、同じ形の窓が何枚も並んでいますが、Bトレはこれを間引くことで短車化しています。うまいテクニックだと思います。
 そして、元々私自身は鉄道車両が好きではありますが、その全体的な存在感や雰囲気に惹かれており、細部の構造などにはそれほど興味がありません。なので『Bトレ』の少し甘いディティールでも充分満足しています。

――“少し甘いディティール”と言われていますが、作品は、十分に迫力あるジオラマを制作されています。
B作ありがとうございます。私の場合は、必要以上にリアルにとらわれすぎず、自分が気持ちよいと感じるものを作ることにしています。『Bトレ』のコンセプトである「圧縮の美」や「デフォルメ感」は情景制作でも意識しています。具体的には、冗長な景色が続かないようにメリハリを付けたり、山や築堤(盛り土)の立ち上がり角度が少し急だったり、色彩も全体的に明るめ/彩度高めに振ったりしています。あくまでもリアルの追及がベースにはありますが、その上に創作や味付けとして自由に自分の嗜好を盛り込んでいます。

幼い頃の記憶をもとに故郷の在りし日の姿を再現

――そんなB作さんの作品のなかでも『国鉄B讃線』は、一昔前、田舎でよく見かけた車両の躍動感がすごいです。
B作この作品は全体的にデフォルメ感を強めに作りました。『まんが日本昔ばなし』や絵本に出てきそうな、ほっこりした雰囲気を狙いました。色づかいも、緑や茶色だけのさびれた田舎にならないよう、田んぼの稲は明るめの黄緑にしたり、桜を作って植えたり、郵便ポストや公衆電話、コカ・コーラ看板などの鮮やかなアイテムを差し色として意識的に使ったりしました。『Bトレ』も含め、全体のバランス感にこだわりました。

――どんな物語を想像しながら制作されたんですか?
B作『国鉄B讃線』は、四国のどこかにあるという想定の「伊中村」の日常の情景を作りました。山あり川あり田畑あり。駅前にはバス停や商店があります。かつては踏切で交わる小さな古道しかありませんでした。古道沿いには旅人を見守る祠もあります。最近、踏切の隣に立体交差で車道が引かれ、村にも近代化の波が…などと妄想しながら作りました。地形や構造物のつながりに整合性を持たせ、同時にストーリー性も見出すことにより、制作が何倍も楽しくなりました。

――本作を含め、発表された作品の情景は、日本の原風景ともいえる田舎の美しさが印象的です。特定の場所をモチーフにされているのですか?
B作私が住む、四国によくありそうな風景を作りました。情景の個々の部分については特定の地点をイメージして作ったものもあります。例えば川は高知県の四万十川、岩山は愛媛の夫婦岩、棚田の雰囲気は愛媛南部などです。トンネルやアンダーパス、駅や踏切なども四国内にモチーフとしている場所があります。
 子どもの頃、近所を走る国鉄予讃線の汽車を見るのが大好きでした。昭和50年代です。四国ですから背景は自然ばかりです(笑)。トンネルや鉄橋で山河を貫く線路、そこをディーゼルエンジンの轟音とともに駆け抜ける列車の姿にしびれ、鉄道ジオラマを作るならそういった風景しか考えられませんでした。

――故郷に誇りを持ち、幼いころに受けた衝動を忘れずにいられるからこそ、こうした美しい情景を生み出せるのだと思います。最後になりますが、B作さんにとって「ジオラマ」とは?
B作子どもの頃に一度計画倒れしたジオラマ作りでしたが、一生のうちに一度はちゃんと作っておかないと後悔すると思いました。そのため、作りたい要素をできるだけ詰め込み、全身全霊で作ったのが、『国鉄B讃線』です。一生一度のつもりでしたが、ツイッターのおかげで多くの皆さまとのつながりもでき、その後調子に乗って今年だけで2作目・3作目も作ってしまいました(笑)。
 私にとってジオラマとは、昭和の懐かしい思い出を再現できる舞台装置です。そしてジオラマ制作は、今後もずっと続けていけそうな私のライフワークです。

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