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エクセルで描いた3D「カービィ」が話題、きっかけは“パソコン使えない上司”への救いの手
【動画】「センスある!」「私の知ってるエクセルじゃない(笑)」話題のエクセル・アートの制作の様子
#カービィの画力
? 3D Excel Art (@mkpntmkpj) October 16, 2021
画力ないからExcelでカービィ作った pic.twitter.com/tFFBFZQQkW
ただの“丸”がみるみる「カービィ」に… 計算だけじゃない、柔軟な使い方が大学でも大ウケ
――「開始3秒で、自分の知るエクセルからかけ離れた使い方に」など制作の様子にも注目が集まっています。どのような機能を使って制作されているのでしょうか?
制作者主に「3D書式」や「3D回転」という機能を使い、図形を傾かせて膨らませたり、色を部分的に透過させたりして作っています。簡単なものは15分程度、複雑なものは2、3日かかります。いろんなパーツの作り方を覚えていくので、以前よりもクオリティが高いものを作れるようになっていると思います。
――制作動画には、Twitterで14.8万いいねの注目が集まっています。なかには大学の先生からもコメントを寄せられていましたね。
制作者とある大学の先生から「授業で紹介したい」とお声がけいただいた時は、正直驚きました。男子生徒に大ウケだったとのことで、すごく印象に残っています。エクセルのイラスト機能の素晴らしさを伝えたい思いがあったので、「エクセルの見方が変わった」という声も嬉しかったです。
上司に頼られたことがきっかけに “パソコン使えない上司”は、「若者からのアプローチが大切」
制作者職場で上司が資料作成中、Power Pointのイラスト制作に頭を抱えていたので、「エクセルの罫線でサイズ調整して、3D機能を使えば上手くできるのでは…?」と思い、人生で初めてイラスト制作を試みました。それが思いのほか好評で、他の上司からもイラストを依頼されるように。作っているうちに楽しくなり、家でも作るようになりました。
――上司へのサポートがきっかけだったんですね。職場でのパソコン業務というと、パソコンが不得手な上司からの相談頻度が度を過ぎたり…といった悩みが折々で話題になります。特にリモートワークから出社に切り替わった人のなかには「やっぱり出社するとパソコン相談員になりがち」など改めて実感する人もいるようです。3D Excel Artさんの場合、いかがでしょうか?
制作者率直な感想としては、デジタル化に伴って慣れないソフトを使うことになり、部下に頼らざるを得ない状況に置かれるのは、息苦しいことだと思います。若者世代は小学生からオフィス系ソフトに触れているため、無意識に「エクセルを使えて当然」という常識ができてしまっているのではないかと思います。
――特にデジタル・ネイティブ世代にとっては、想像しづらいかもしれませんね。
制作者僕自身、「マニュアルを作る」「紙に説明文を書いてお渡しする」といった方法でスキル習得のお力添えをしており、「デジタル面においては若者世代が力添えをする時代」という認識でいます。エクセルを勉強する気がないというより、「詳しい若者が身近にいるから、まずは聞いてみよう」といった方もいらっしゃると思います。「頼ってくださっている」とポジティブに捉え、どうすれば円滑に業務を進められるか、若者世代からアプローチする形の対策を練っていくことが大切だと思っています。
奥深いエクセル・アートの魅力 「ものの見方を考える機会に」
制作者エクセルは「仕事用ソフト」というイメージでしたが、今では趣味で使う「3Dイラスト制作ソフト」になっており、ものの見方を考えさせられる良い機会になりました。会社では、「イラストといえば自分」という噂が広まり、3Dイラストで作った大きな建造物や設備が、重要資料に採用されるなどの評価もされています。
――エクセル・アートならではの魅力を教えてください。
制作者学校や職場などほとんどのパソコンにエクセルが入っているので、どこでも3Dイラストを制作・編集でき、手軽に共有できるところが魅力だと思います。カラーリングも豊富で、ガラスや金属、木材なども作れるので、奥が深いです。
――今後、制作してみたい作品や活動がありましたらぜひ教えてください。
制作者文化遺産や地球のような大規模なものや、誰かのお役に立てるような3Dイラスト制作にも積極的に挑戦してみたいです。今後も、SNSを通して未知のエクセルを発信していきます。世界に向けて、エクセルのイラスト機能の素晴らしさを伝えていきたいです。