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「文春砲は好きじゃない」、生みの親が明かす『週刊文春』の矜持とベッキー騒動の寝覚めの悪さ

小室哲哉の不倫報道、『イッテQ!』やらせ問題…炎上リスク背負いながらも「断罪しない」

 このように、確固たる信念がある『文春』だが、自身が“炎上”することとも無縁ではない。例えば、小室哲哉の不倫報道。闘病中の妻・KEIKOを献身的に支えてきたイメージのあった小室哲哉のスキャンダルは世に衝撃を与え、事態は彼の引退で急展開した。これに世間は、「『文春』が1人の天才を殺した」と大ブーイング。「つらかったですが、いい機会だと思ってユーザーのコメントを1つ1つ読みました。炎上から目をそらさず、批判の火元を見極めて教訓にしようと考えました」。

 しかし、そんな『文春』に対する炎上も時間が経つと落ち着き、ネットやSNSには冷静なコメントも増えたという。「本当に文春だけが悪いのか」「それを拡散するマスコミの責任は?」。さらに時間が経つと、「文春の記事を面白がっている自分たちにも責任があるのかも知れない」「ベッキー以降、同じことを自分たちは繰り返してきたんじゃないか」などの声も挙がるようになってきた。これを見たとき新谷氏は、「荒れ放題のネット上の言論空間も今後、成熟していくのかもしれないと思った」という。

 書く上で注意していることはほかにもある。『世界の果てまでイッテQ!』の祭り企画のやらせ問題では、完璧にファクトを固めつつ、炎上リスクも意識しながら慎重に進めた。「やらせはけしからん」ではなく、「家族で楽しむ教養番組的な側面もあるんだから、安心して観られるように心がけてもらいたい」という書き方にした。

 「リスクがあるから書かないのではなく、どうすれば書けるのかを考える。人間の営みは面白い。ゴシップを楽しんだり、ウサを晴らすのもひとつの文化。気をつけるべきは、人間への敬意を失わない、偉そうにしない、断罪しようとしないこと」。

 そう語る新谷氏の信条、『週刊文春』(最新号7日発売)や『文藝春秋』(最新号8日発売)の歩みやスタンスは、近著『獲る・守る・稼ぐ 週刊文春「危機突破」リーダー論』(光文社)にも詳しく述べられている。完璧な人間なんてどこにもいない。人は美しい球体ではなく、どこか欠損している。だがその欠けた“いびつ”な部分こそが個性だ。1人1人違うそれぞれの形に当たる“光と陰”を、余裕を持って愛でられる人間でありたい。

(文/衣輪晋一)

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