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(更新: ORICON NEWS

昭和の産物「腕時計用カレンダー」がいまだ人気? ネットを駆使し“完売商品”を継続

 腕時計に装着して曜日などを確認できる『腕時計バンド用カレンダー』。その昔、お父さんもしはおじいちゃんがつけていたのを覚えている人もいるだろう。今や高齢者もスマートフォンを使いこなす時代、腕時計カレンダーなんて昭和の時代の遺物…。かと思いきや、現在でも根強いファンがおり、通販サイトで購入者が殺到するほどの人気だという。SNSでも「懐かしいカレンダー見つけた」「亡き父がよく使ってました。こういうの、残ってほしいです」と話題になっている。これを製造、販売しているのは、企業の販促品やトロフィーづくりなどを手掛ける「株式会社 大成(よろず屋タイセイ本舗)」。同社の取締役・根本孝宏さんに、商品に寄せる思いを聞いた。

よろず屋タイセイ本舗で販売中の『ウォッチバンドカレンダー』(2021年度版)

よろず屋タイセイ本舗で販売中の『ウォッチバンドカレンダー』(2021年度版)

誕生は1970年代か? 主に販促物として使われていた腕時計カレンダー

 よろず屋タイセイ本舗にて販売中の『ウォッチバンドカレンダー』は、その両端を折り曲げて腕時計のバンドに装着するアルミ製のカレンダー。根本さんによると「昔は多様な形がありましたが、現在は1種類の形のみ販売しています」とのこと。現在、個人向け用はネットのみで販売されていて、2021年版は12カ月分で税込550円となっている。

――御社でウォッチバンドカレンダーを製造し始めたのはいつ頃ですか?

【根本さん】弊社が製作し始めた時期は、当時を知る者がいないためハッキリとは分かりませんが、大成が創業した昭和63年当時から製作はしていました。先代社長は、弊社を創業する前からこの商品の製作には携わっていたので、1970年代の頃から作り続けていたみたいです。

――現在は通販などで購入ができますが、発売当初はどのように販売されてましたか? SNSでは「生保セールスのオバちゃんが配っていた」という声も見かけましたが…。

【根本さん】基本的にこの時計用カレンダーは、個人への販売はなく、企業間取引の販促品としてのみ製作されていました。保険会社や銀行、メーカーの営業の方や商店などが、いろいろな場所で販売促進のために配っていたと思います。昔のサラリーマンは、当たり前のように使用していたので、簡単に手に入ったのだと思います。

一時は生産停止になるも、ある問い合わせをきっかけに復活

――生産停止になった時期もあったそうですが、その理由は?

【根本さん】弊社で生産停止になっていたのは、単純に「企業からの受注がなくなったから」で、各企業が他の販促品に切り替えていったからです。その理由としては、それぞれの企業様で違うと思いますが、販促品として喜ばれないと判断されたのだと予想します。

――時代の流れとともに…というかんじですね。

【根本さん】皆さんの周りで腕時計を付けている人は何人いますか。その方たちは日付を確認するのに何を使っていますか。その辺を考えると、この商品の衰退理由はあると思います。

――その後、生産、販売を再開した経緯を教えてください。

【根本さん】8年ほど前に完全に企業からの受注がなくなり「これでこの商品も終了だな」と思ったのですが、その頃に一般の方から電話があり「時計用のカレンダーを1つ売ってほしい」と言われました。弊社は企業間取引のみでしたし、その年のカレンダーも作ってなかったので、今は作ってないことを伝えました。すると、そこから毎日のように電話で1日2〜5件くらい同じような質問がいろんな方からくるようになりました。

――一般の方からの問い合わせがきっかけだったんですね。

【根本さん】「何でだろう?」と調べてみると、ネットの質問サイトで時計カレンダーについての質問の答えとして弊社の名前が載っていたんです。「そんなにみんな欲しいのか〜」と感心しました。それから少し経って、弊社でネット販売業を企画したのですが、売る商品がなく悩んでいた時に、「時計用カレンダー」のことを思い出しました。小売りのノウハウが弊社にはなかったので、ネットを使えばほしいと言っていた一般の方にも小売りできるかも…と考えて始めました。

――購入されているのはどんな方ですか?

【根本さん】年代は20〜70代と幅広いですが、やはり多いのは50代以上のお客様ですね。毎年の常連様も多くいらっしゃいます。ご自分で使用されるお客様がほとんどですが、用途は不明ながら複数ご購入くださる方もいらっしゃいます。

――購入者の方からは、どのような感想がありましたか?

【根本さん】「なかなか見つからなくて、探していました」「昔使っていて、懐かしかったです」「使ってみたら、とても便利でした」などのご意見をいただいています。
  • 『ウォッチバンドカレンダー』のつけかた1

    『ウォッチバンドカレンダー』のつけかた1

  • 『ウォッチバンドカレンダー』のつけかた2

    『ウォッチバンドカレンダー』のつけかた2

小売りを始めて、喜んでくださる人がいることを知れて良かった

新元号「令和」になったことを記念してつくられた限定版(現在は販売していない)

新元号「令和」になったことを記念してつくられた限定版(現在は販売していない)

――カレンダーなので、年号が年の途中で変わったり、祭日にも変更が生じたりと、製造過程で様々な経験をされたと推測されます。これまで作り続けてきて、大変だったこと、苦労していることは?

【根本さん】弊社は創業当時から卓上カレンダーの製作も続けているので、いろいろと慣れてはいるんですが…。ここ最近の五輪関連での国民の休日などの変更は、決定時期が対応できない期間だったりするので悩みました。年号が「令和」になった時は、令和元年記念として「令和」表記の「令和元年5月〜令和2年4月」までの特別限定バージョンの「ウォッチバンドカレンダー」を作りました。通常は「西暦表記」なので特別限定版です。(※現在「令和」表記の商品は製作なし)

――商品の製作にあたって、こだわっている部分はありますか。

【根本さん】特にありません(笑)。ですが、国内生産の「MADE IN JAPAN」で続けていることですかね。

――作り続けてきてよかったと思うことがあれば教えてください。

【根本さん】なくなりかけていた商品ですが、小売りを始めたことで、使って喜んでくださる人がいることを知れたことですね。企業間取引では、クライアントのその先の声までは分からなかったので、お声を聞くことができて良かったです。

――最後に『ウォッチバンドカレンダー』ファンへメッセージをお願いします。

【根本さん】多くのリピーター様や弊社の販売サイトで初めて商品を知ってお買い上げいただいたお客様など、多くの方々に支えられて続けることができました。本当にありがとうございます!
INFORMATION
『2022年版黒色ウォッチバンドカレンダー』は「よろず屋タイセイ本舗」にて販売中(7月中旬販売終了)⇒こちら(外部サイト)
なお、楽天市場のよろず屋タイセイ本舗」の販売サイトは2021年7月26日をもって閉店

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