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街中での爆弾処理…平和慣れした現代日本にジオラマで問う「明日にでも戦争が“日常”になりうる」

精巧さを追求することで改めて「現実」を知る

――代表作「daisy chain」は、防護服に身を包んだ兵士が1人で爆弾を操作(?)している様子が印象的です。この作品はどのようにイメージしたのですか?
shiroイラクを舞台にしたアメリカ爆弾処理班を描いた戦争映画「ハート・ロッカー」をモチーフにしてます。映画を観た時に、いつか爆弾処理を題材にしたジオラマを作りたいと思いました。映画でも表現されてますが、これだけの量の爆弾に防爆スーツは役に立ちません。孤独で極限の緊張状態での解体作業を表現できないかと思いました。映画のシーンをそのまま再現したのではなく、自分なりにアレンジしてます。

――爆弾の処理が、民間の一般的な家が並ぶ中で行われていることが衝撃です。
shiro人々の生活の場に仕掛けられた爆弾をしかけるというテロリスト、武装グループの非情さや冷酷さを表現しました。情景に人の生活を感じられる事がポイントになりますので、そこにはこだわりました。屋上の洗濯物、干されたラグ、露天商、捨てられたゴミ、張り紙。中央にベビーカーを置いたのは、この家には子供がいるということを暗示させてます。
――本作のなかで、苦労して表現したところはどこですか?
shiro苦労したのは、沢山のゴミの製作ですね。映画や中東の画像を見ると路面には沢山のゴミが捨てられているので、そこは町の空気感の演出として必要と考え再現しました。ゴミの制作は苦労しましたが楽しくもありました。

――本作を含め、「戦争」を題材にした作品を制作されていらっしゃいますが、作品にどのようなメッセージを込めていらっしゃいますか?
shiro映像や書籍で見る戦争という極限状態の中で生まれるドラマ性に、強い印象を受けてきました。死を直接表現することはしてませんが、それを匂わせる表現は必ず盛り込んできました。兵器や兵士のカッコよさは多くの人を魅了しています。でもそこには必ず、「戦争」という死と隣り合わせのものがある。そのことを、作品を通じて感じてもらえたらと思っています。
 実際、この作品を作る資料として、ネット上で画像検索を行いましたが、凄惨な人の姿や破壊された街の状況を多く見ることになりました。ニュースで空爆の映像を見ると、その爆発の下でどれだけ多くの人がその犠牲になったのかと思うと、胸が痛みます。過去からも繰り返され今も世界のどこかで行われている戦争。そこでの凄惨な状況を世界が知ることで、平和的な解決に向かってくれればと思います。

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