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「え、実写じゃないの?」米軍が開発した自走砲最終発展型『M40』が“男の浪漫”すぎる
自信作は、“便器爆弾”を積載している艦上攻撃機「スカイレイダー」
【空探】中1の春に父親と見に行った映画『永遠のゼロ』です。元から特撮メカなどは好きでしたが、『永遠のゼロ』を見た際に、作中に登場する実在の飛行機や軍艦の格好良さに惹かれました。その後、誕生日プレゼントに作中に登場した日本海軍の空母と塗料工具を買ってもらったことがプラモデルに足を踏み入れるキッカケでした。
――初めて制作したキットは?
【空探】本格的に塗装をして、きちんと完成させたキットは先にあげた誕生日プレゼントとしてもらったアオシマ社製 1/700 航空母艦「飛龍」でした。ほぼ独学でも、楽しみながら制作したのが思い出深いキットですね。
――では、スケールモデルの魅力に目覚めたターニングポイントを教えてください。
【空探】スケールモデルにより関心を持つキッカケとなったのは、YouTubeに投稿されていた飛行機や戦車の制作動画でした。当時は兵器の知識も無く、兵器の国籍ジャンル関わらず手当り次第に見ていったのですが、「こんな兵器があるのか」「この塗装カッコイイな」と、どんどんのめり込んでいきました。
――よく制作するジャンルは?
【空探】航空機を作ることが多いのですが、最近ではAFV(装甲戦闘車両)や、それを用いたジオラマを作ることも多くなってきました。両方とも、戦場で使い込まれた風にウェザリングを施すことが非常に楽しく、また考察を反映させやすく、それも楽しく感じるからだと思います。
――これまでの作品で気に入っているものは?
【空探】2018年制作の1/48 A-1H「スカイレイダー」ですね。ベトナム戦争中、改造した「便器爆弾」を積載している機体を再現した作品です。好きな飛行機なので、搭載武装の考察や実物写真を見てウェザリングを施したりと、自分の制作スタイルや作風を確立させた作品だと思います。
「戦史」を学んでいれば構図や設定を考える際に役立つ
【空探】元々は模型誌『アーマーモデリング』のコンテスト企画「AM泥コン」に応募するための作品であり、コンテストの課題であった泥の表現やウェザリングを主眼に置いています。田んぼに陣地展開したM40自走砲と、砲撃準備を行う兵士たちの緊迫感を如何にして表現するかもテーマに設定しました。
――本作で気に入っている点は?
【空探】制作テーマであった泥の表現や、車体塗装で採用したカラーモジュレーション技法が上手くいったのでお気に入りです。改善点としては、他のモデラーの方に指摘された「車両が通ったのに石垣が崩れていない」点などが挙げられます。
――本作の反響はいかがでしたか?
【宝探】前述の「AM泥コン」では優秀賞、2019年11月の東京AFVの会ではジオラマ部門2位を頂きました。
――スケールモデルの制作において、バックボーンとなる歴史は勉強しますか?
【空探】独学ながら、戦史や兵器、当時の文化などを調べながら制作することが多いと思います。その戦争、戦いの背景を知ることでより“説得力”のある作品に仕上げることができると思いますし、兵器について知っていれば、資料写真から得れる情報も増やせると感じます。
――そうした“学び”は模型制作にどのように生きましたか?
【空探】「スカイレイダー」が良い例なのですが、戦争のどの時期にどのような武装を積載したのか、ということを大雑把に把握していたおかげで、積載武装の考察に大いに役立ちました。また、戦史を知っていればジオラマなどの構図や設定を考えることにも役立ちます。やはり、戦史や兵器などについて「ある程度勉強しておいて良かった」と思うことは制作中多々ありました。
――制作で「壁」に当たったことはありますか?
【空探】勿論、あります(笑) 。雑誌の作例を初めとしたベテランの作品は言わずもがな、SNSに投稿されてる同年代の作品が非常に上手くて、「自分はこんな作品で良いのか」「もっと他の人みたく上手く作れないものか」等々、悩んでいた時期もありました。
――その「壁」をどう乗り越えましたか?
【空探】積極的に技術を教わったり、リアルな素材を教えてもらったりノウハウを学んだことだと思います。サークルの方や「師匠」と呼んでいるベトナム戦争モデラーの方等々、様々な方から助言や指摘を頂くことで作品の完成度も徐々に高めることができ、自然と自分の作品に対する「壁」を越えることができたのだと思います。