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(更新: ORICON NEWS

「太ってたら嫌われるの?」摂食障害を経験したモデルが発信、広告パロディ”みんな尊い”に反響集まる

「生きているだけで、尊い存在なんですよ」カウンセラーの言葉に救われた

――「ありのままの自分がいいんだ」と気づいたのは、どのような経緯だったんですか?

「過食症がひどい時期だったんですが、たまたまアルバイトで色々な人のプロフィール写真を扱う仕事をしていたんです。大量の人物写真を見ているうちに、身体的特徴とか容姿って、本当に一人ひとり違うんだなと思って。テレビのダイエット番組などに出てくるぽっちゃりさんって、ネガティブに生きている印象を持っていたんですが、プロフィール写真の人たちは基本みんな笑顔で。もしかして私は『自分はコンプレックスがあるから暗い人生を歩まなきゃいけない』って自分で決めつけていたんじゃないかと思って。このままだと、おばあちゃんになるまで体型を気にしていることになる。それってすごい損してるなって気づいたんです」

――その気づきがあって、徐々に克服していった?

「その気づきがあってから、私の場合、自分の体や食べることに対する意識を変えて、今の自分に向き合おうと色々工夫をしていくうちに、摂食障害の症状はおさまりました。でも、まだ人間関係で鬱っぽく落ち込む自分に気づいて、カウンセリングに行ってみたんですね。そこで色々と話していくうちに、カウンセラーさんに『あなたは何もしなくても愛されるべき存在なんですよ』って言われたんです。『生きてるだけで、特別なことをしなくても、尊い存在なんですよ』って。それを聞いた時に、摂食障害で悩むことも、人間関係で悩むことも、結局は自分が無理して誰かに合わせよう、愛されなければ、と思い込んでいたことから生まれた苦しみだと気づいたんです。カウンセラーさんからのその言葉で、穴のあいた心に蓋ができた感じです。だから、みんな尊い広告を作ったときも、単に“自分を愛そう”とか“あなたは美しい”じゃなくて、“生きているだけで尊い”という言葉を使いました。そのままでいいんだと」

――ブログでは、「#マイサイズをフレンドリーに」というタグを使って、どうしたら日本のファッションでサイズ展開が広がるのかを問題提起されていましたね。

「Twitterで、日本の店頭のアパレルアイテムのサイズ展開って狭いよね、という話をした時に、アパレルショップの接客で身体的な特徴で傷ついた経験があるという声をいくつもいただいて。店員さんや他のお客さんに「あなたのサイズはここにない」と笑われたり、居心地が悪い経験をしたり、ひどい時は帰らされたり。足のサイズが大きくて靴のサイズを探すのが難しかった女性が、靴屋さんの男性店員に冗談まじりに『足を切るしかないですね』って言われたり。どれも、ありえないエピソードです。冗談でもそんなこと言うべきではないですよね。そう言われたら、もう店頭に買いに行く気になれない。

 もちろん、そんなお店ばかりではないと思います。でも、店頭に買いに行っても自分のサイズを見つけられない人が多いのは事実。こういう問題を話題にすると『レギュラーサイズ以外は店頭で売れないから』とよく言われるんですが、潜在的な需要はあって、アパレルブランドがまだまだ気付いていない『売り方の工夫』がきっとあると思っていて、自分のサイズを見つけられなくて困っているという声を顕在化させることによって、歩み寄ってくれるブランドが増えるかもしれない。買いたい人と、売りたい人の懸け橋になればと、ハッシュタグを作って発信をしました」

――「#マイサイズをフレンドリーに」について、SNSでは様々な立場の方が意見を投稿されていました。

「プラスサイズだけではなく、トールサイズや、ミニマムサイズがほしいとか、結婚指輪で困ったとか、こんな恥ずかしい経験をしたとか、私も知らなかった意見がたくさんありました。逆に『みんな自己中心的じゃない?』とか『もっと自分で工夫したら?』というような意見を話している人もいました。でも、店頭にサイズがないからって排他的な扱いをするのではなくて、もっと優しい世界になってほしいと願って発信をしました。ちなみに、私はプラスサイズ女性向けファッション誌『la farfa』でモデルをしているんですが、数年前から色々なアパレル会社さんが新たにプラスサイズ展開に取り組もうと私たちモデルにヒアリングをしてくれる機会も増えてきています。”当たり前”は時代によって少しずつ変わると思っています。」

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