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おたふく風邪がきっかけでジオラマの世界へ キット不使用手作りで生み出した幻想的な「工場夜景」

「工場夜景」は写実的過ぎず、「違和感を軽く仕込んだ世界」

――制作された作品の中で特に印象的だった「工場夜景」のジオラマは、写実的でとても精巧でありながらどこかファンタジーの要素も感じさせる作品です。この作品はどのようなストーリーをイメージしたのですか?
藤平翔この作品に関して言えば、ストーリーっぽいものはありません。正直あまり覚えていませんが、警備員の仕事をしていた頃に見た、大黒近辺の景色がきっかけだと思います。純粋に「工場夜景萌え」を狙って制作しました。ただ「違和感を軽く仕込んだ世界」にしたかったので、よく見て頂くと色々現実離れした世界になっています。何の工場なのかは私にも分かりません(笑)。
 作品名は『トレイレイアウト 工場ジオラマ』といいます。台座にお盆を使用しているので、このような作品名になってます。トレイレイアウトは他に3作品あります。
――これはどのように制作されたのですが?
藤平翔製作はプラバンで建物を作り、3DCADでプラント部分をデザインし、光造形式3Dプリンターでパーツを作成しています。動力に関しては、トランジスタを使用したパワーパックを自作し組み込んでいます。なのでキットといわれるものは使用していません。
 最初からフルスクラッチだったので、実はキットは買ったことがありません。線路や1/150の人形なんかのパーツを購入して使うことはあり、本作でも、線路、車と人形は市販パーツを加工して使用してます。
――この作品において一番のこだわりは?また、一番苦労したのは?
藤平翔一番のこだわりは照明です。繊細な光を表現するために極小LEDを使用しました。1mm程度のLEDにハンダを行い、それをバランスよく配線するのに苦労しました。これはこの作品だけでなく、ジオラマを制作する際に気を付けていることですが、作品全体の構図や色のバランスに気を付けています。ストラクチャーの配置でも作品の善し悪しが変わると感じているので、そこにも結構時間をかけるようにしています。
――ジオラマを作る際に信念にしていることはどんなことですか?
藤平翔信念というと大袈裟ですが。最近は、共感を得られる作品を作ろうと心掛けています。ジオラマには「作る楽しみ」と、「見る楽しみ」があると思います。「作る楽しみ」は十分味わったので、「見て楽しんでもらえる」ことを意識しています。そもそものきっかけが、「息子が夢中になったものを作ってみよう」だったので、見て前向きな感情になってもらえるような作品作りをしたいと思っています。
 YouTubeでメイキング動画を公開しているのですが、最近その再生回数が伸びて人気の様子です。「見て楽しんでもらう」ことが伝わっているのかなと思います。
――藤平翔さんにとってジオラマとは?
藤平翔「自分の得意が活かせる楽しい分野」です。私の人生は不得手なことの連続で、苦労ばかりでした。ジオラマは作り始めたころから、結構上手に作れたので得意な分野なんだと感じています。何もない中年が、こうして取材のお話しを頂けたのも、ジオラマ制作が得意分野だったからだと考えています。人生の後半戦にはなってしまいましたが、自分の特技と言えるものが一つ出来たのはとても嬉しいことです。
 ジオラマは眺めて楽しむだけでも趣味として成立すると思っています。ジオラマの小さな世界を覗き込んで、妄想を広げて楽しんでもらえればうれしいです。

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