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元祖“傷つけないお笑い”R-1王者・佐久間一行が見る今のお笑いトレンド

後輩芸人の助言で気づき、R-1王者に

──佐久間さんのその感性がどのように育まれたのかが気になるんですが、小さい頃から人の気持ちがわかる子どもだったんですか?
佐久間小さい頃に妹に強く当たって泣かせたことがあったんですね。まあ、子どもにはよくあることだと思うんですけど。そのときにおばあちゃんから「妹はお前より弱いんだから、そんなことするな」ってすごく怒られて。「ああ、そうだよな、自分より弱い立場の気持ちを考えなきゃいけないよな」って思って。その積み重ねなのかなと思うんですけど。

──それでいうと芸人の世界は上下関係が厳しく、それが昨今はパワハラ的だと指摘されることもあります。でも佐久間さんはそういう風潮とも無縁そうですよね。
佐久間キャラにもよると思うんですよ。芸歴24年もやってると後輩もいっぱいいますけど、普段から強く出るタイプではないので、上下関係とかもそんなに。ただ、すごい頑固です。ピン芸人でやっているのも、自分がやりたいことを100%やりかったからですし。ネタも、昔はフリップとか使うのは邪道だと思ってたんです。身1つで笑わせるのがピン芸人の美学だ、じゃないですけど。
──『爆笑オンエアバトル』(NHK総合/1999年〜2010年)では、小道具を使わず、ご自身の言葉と視聴者の想像力に任せるスタイルでオンエアを勝ち取ってました。
佐久間でも自分の中では、けっこう行き詰まりを感じていたというか。そんなときに後輩芸人のLLR伊藤くんが、「佐久間さんは絵もうまいし、歌もイケるんだからネタに盛り込んでもいいんじゃないですか」って言ってくれたんです。それが2011年の『R-1ぐらんぷり』の少し前くらいのことで。

──佐久間さんが優勝して一気に全国区に知られることになった大会ですね。あの大会ではすでにフリップや歌も盛り込んでいました。
佐久間必死にどうにか行き詰まりを抜け出したいって考えてた時期でした。伊藤くんの助言がなかったら、この頑固さがただの独りよがりというか、見ている人には伝わりづらいものだったんだということに気づけなかったと思います。

──絵本や歌、アート展といった活動が広がっていったのも、そういった"頑固さ"から抜け出せたからなんでしょうか?
佐久間そうですね。お笑いだからネタ以外のことはやらない、という思い込みから自分を許せるようになったというか。でも、今でも頑固は頑固なんですけどね。じゃなかったら、24年も芸人をやってないと思います。

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