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元祖“傷つけないお笑い”R-1王者・佐久間一行が見る今のお笑いトレンド

今はお笑いの潮流が早い 焦らず自分のペースで

──2018年から恒例となっているアート展は、佐久間さんのほっこり笑えるネタの世界を「見て・触れて・楽しむ」がコンセプト。今年は持ちネタの1つである「ご主人のお屋敷」をテーマにした展示がGWに予定されていましたが…。
佐久間はい、残念ながらこの状況で延期となってしまいました。いつ開催できるかは未定ですが、展示物はほぼ完成しているので、時期を見計らって開催したいと思います。

──毎回即完売の単独ライブ【※】も、今はなかなかできないですよね。
佐久間これほど長い間、劇場に出ないのは本当に久しぶりですね。ただ、この状況になってみんな自分のやってきたことの原点に帰ってるような気がするんですよ。舞台とかテレビとかには出れなくても、お笑いの人だったらネタを、音楽の人だったら歌を配信で届けるとか。ブレないことの大切さを、改めて感じているタイミングなのかなと思うんですよね。
──佐久間さんもデビューから一貫して「傷つけない笑い」をやってきて、やっと時代が自分に追いついた、と思うことは?
佐久間いや、それはないですね(笑)。もちろん、ぺこぱは面白いと思います。でも嫉妬とかそういう感情も特にないです。今はたまたまそういう空気が来てるだけで、時代が変われば、また違うスタイルの笑いが流行ると思うんです。今って時代のスピードがめちゃくちゃ早いじゃないですか。お笑いでも一昔前は1、2個の持ちネタでずっと引っ張れたのに、今の若い芸人の中には毎日のように新ネタをインスタライブとか動画にアップしている子とかもいて。

──佐久間さんもYouTubeでは新しい動画を週1ペースでアップしてますよね。
佐久間はい。でも本来は劇場が主体なので、動画はそれくらいのペースが自分にはちょうどいいのかなと。たしかに一時期は、もっとペースアップしたほうがいいのかなと思ったりしたこともあったんですよ。でも、「待てよ、これずっと続けてたら、息切れしてしまうんじゃないか?」って考えて。
──時代の変化の速さに息切れや疲れを感じている人は、芸人に限らずいると思います。
佐久間たぶんそうですよね。でも自分のテンポでいいと思うんですよ。「これをやらない自分は古いのかな」とか焦らないで。自分も新しいシステムを覚える努力はしますけど、合わないと思ったら、「まあ、いいんじゃないかな」って思うようにしてます。

──異端児だった時代を経てR-1を制し今に至るまで、お笑い界のトレンドは変われどブレずに「傷つけない笑い」を貫いてきた佐久間さんにそう言われると、とても癒やされます。
佐久間結局は自分がやりたいことを変わらずやっているだけなので。ただ、誰かを傷つけないように気をつけることは大事だけど、自分が傷つくのはそんなに悪くないと思うんです。僕も子どもの頃に「あ……」と思ったからこそ、この世界に入ったわけですし。また、こうすると人は傷つくんだという経験をもっとしないと、無自覚に人を傷つけてしまうことってあると思うんですね。だから傷つくこと自体は恐れなくてもいいと思っています。

【※】5月31日(日)大阪・なんばグランド花月で開催予定だった『佐久間一行なんばグランド花月単独公演「グランドコントセレクション」』は延期(詳細は要問い合わせ)

文/児玉澄子

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