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「まるで米津玄師が歌いそう」クリエイター・いとうせいこうが驚いた中学生の俳句とは?
今年の大賞は「猫」がテーマに
「猫の寝る ヘルスメーター 文化の日」文部科学大臣賞 田中龍太さん(27歳)
「今ここで 蒲公英(たんぽぽ)になれ 種になれ」金子兜太賞 松本大夢さん(15歳)
伊藤園新俳句大賞公式サイト
「まるで米津玄師の歌詞のよう」クリエイター・いとうせいこうが驚いたクオリティ
【いとうせいこう】印象に残ったのは、「駅を出て 街のかけらと なっていく」(高校生の部大賞 西田歩未さん)や「夏の空 許されている 時間かな」(中学生の部優秀賞 柿沼璃子さん)。10代がこれを詠んでいることに驚いています。すごくいい句だし、まるで米津玄師さんのようなポップスターが歌っていそうじゃないですか(笑)。俳句とは、庶民が時代の空気をサッと詠めるもの。音楽でいうところのポップスみたいなものだと思えば、とっつきやすいと思います。サビを詠んでもいいし、平歌(Aメロ、Bメロなど)を詠む渋い人がいてもいい。一生かけて極めることもできるため、本当に面白い文化・趣味だと思います。特に伊藤園の賞は「新」俳句と銘打っているので、季語を含まなくてもいいんです。自然だけでなく、より自由に詠んでいい。選者としても、俳句の可能性を広げるために「俳句らしくない句」を選んでいるところもあります。
いとうさんが紹介した他にも、「十五夜に飛ぶ蝙蝠(こうもり)よ眩しいか」(中学生の部 田村煌さん)、「たんぽぽが おそれ知らずに 旅に出る」(小学生の部 原田悠生さん)など、瑞々しい表現の句が各部門の大賞に選ばれた。
「冬」に詠まれたたんぽぽの句 思いついたのは学校の廊下だった
春の花でもあるたんぽぽの句が冬に浮かぶというのが、柔軟な発想を持つ若者らしく、従来の俳句の型に慣れていた審査員たちには新鮮に映ったのだろう。
来年からは「写真俳句」も開始 新たな伝統が作られていく
また、実行委員会では「俳句ユネスコ無形文化遺産登録協議会」に協力し、俳句の世界遺産(無形文化遺産)化を目指している様子。俳句という日本固有の文化は、これからいかなる変遷を遂げていくのだろうか。
伊藤園新俳句大賞公式サイト
Sponsored by 伊藤園