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“タブー”へ切り込んだ『3年A組』、番組Pが語る「“時代錯誤”を主流に変えた熱量」

窮屈な現状を変えるため、『3年A組』を番組制作の“フラッグシップ”にしたい

――「学園モノ」を作るうえで、意識したことはありますか?

福井雄太武藤さんと話をしていて、「見た後に何かとんでもないモノを見てしまった」という感覚になるドラマを作ろうという目標を掲げました。それで、僕が勝手に思っていたことは、すべての“タブー”をやろうということ。「学園モノのドラマは当たらない」と言われているなかで、今までやれていなかったことをやる。「1話完結が主流で視聴率も取れる」。じゃ、連続モノでいこう。そして、「原作モノがあたる」と言われている中でオリジナルをやろう、などなど。

――“やってはいけない”と言われていることを全部かき集めて、本当にやりたいと思ったことをやったわけですね。

福井雄太そうですね。だから、それでダメなら仕方ないと、僕の中で「大きな覚悟」を持っていました。おこがましいことですが、作っている人間として“どんどん窮屈”になっていく現状がすごく嫌だった。モノ作りをしている人たちはみんな、自分たちが面白いと思っているモノを持っています。でも、いろいろな事に合わせないといけない事情も勿論ある。そんな中で“タブー”にあえて切り込んだこの作品が、TV番組を作る人たちにとっての『フラッグシップ』になれたら、何かを変えられる気がしたんですよね。

――実際、反響はどうでしたか?

福井雄太さまざまな反響があったなかで特に若い人からの反応が大きくて、それは本当に嬉しかったですね。テレビドラマは若い人たちが見ても面白いんだ、「まだまだ捨てたもんじゃない」というのを少しは伝えられたんじゃないかと思っています。

――本作がこれほどヒットした要因とはなんだと思いますか?

福井雄太あえて変な言い方をしますが、良い意味で「時代錯誤」なんだと思います。この時代になんだか見たことがないもの、会ったことのない人の姿が詰め込まれている。そして、その時代錯誤の一番の要因は「熱量」です。

――終始一貫、菅田さんの演技からは“熱”が感じられました。

福井雄太菅田くんの全身全霊の熱量と3年A組のチームとしての熱量。それをテレビの前で見ている人は画面から感じてくれたんだと思います。

――おっしゃる通り、毎回の放送ごとにSNSで『3年A組』が話題になっていました。

福井雄太今まで見た事がない“いびつなもの”を見た感覚が視聴者の中で「あれ見た?」という話題にもなってくださったんだと思います。もう一つは、菅田くん演じる柊一颯(※本ドラマの主人公)の人間臭さ。不器用に愚直に生きる、自由に生きるのが難しい今の世の中で自身の最期の命を燃やしながら、人間らしく生きることが多くの人の心を揺さぶったんだと思います。

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