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ガンプラ│トップモデラーインタビュー(ガンダムプラモデル)
イラストに見えるガンプラ、80年代風アニメ塗り「百式」を実現した“ワカメ影塗装”【連載第22回】
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その人の画力がモロに現れる「イラスト風ガンプラ」の難しさ
今日ガンプラに限らず、模型全般に使えると思い「イラスト風模型」と名付けました。
――イラスト風模型には、どれ位の種類があるのでしょうか。
今日イラストと一口に言っても、写実系や抽象画、デフォルメして簡略化したもの等多岐に渡ります。このイラスト風塗装は絵の技法をそのまま持ってきてるので、絵の塗り方の種類がそのまま挙げられると思います。アニメ塗り、厚塗り、絵画風、ボックスアート風、マンガ風、水彩風、色鉛筆塗り、鉛筆スケッチ・デッサン風、点描画風など…。個人名の画風はいくらでもあるので、挙げればキリがないですね。よくプラモの塗装で使われるウェザリングなんかも汚れやサビ・傷跡等を描き込んだり、パステルでホコリを入れたりしてリアリティを出したりもしますが、あれもイラストを描くのと一緒です。そういった意味では写実系、リアル寄りのイラスト風と言えるかもしれません。
――イラスト風模型に目覚めたきっかけをおしえてください。
今日mixiでハルさんという方の「アニメ風塗装ガンダムトライオン3」に感化され、自分にも出来ないかとハルさんに色々教えてもらいながら作ってみた所、これだ!とツボにハマってしまいました。後に、むむむ式さんという方のアニメ風RX-78ガンダムを見て、こういう技法があるのかと興味を持ち、これはアニメ風に限らず広い目で見ればイラスト全般の技法が使えるのではないかと気付きました。元々僕がプラモに出戻る前に絵を描いていたのもあって、絵を描く感覚で出来るのでうまくマッチしたのだと思います。
――イラスト風模型に挑戦するにあたって、何かを参考にされましたか?
今日常に何かしら資料を用意して作ってますね。アニメーターさんイラストレーターさんの画集、ロボ絵師さんのイラスト、アニメ作画…。この、資料を見ながら作るというのはとても大事で、イラスト風塗装の塗り方がわからなければイラスト畑の方の作品を見て参考にするのが一番の早道だと思います。
――イラスト風模型をやってみて、難しいと感じた点はどこでしょうか。
今日その人の画力がモロに現れる所ですね。先述の絵師さん方の描き方をじっくり観察しながら、その通りに塗るのか、または自分なりのアレンジを加えるのか。やってみたい絵柄の描き方をマネしても、画力が足りず上手くいかない事もあります(苦笑)。
――実際に挑戦を繰り返し、今日さんが得意とするのは何系イラストですか?
今日元々絵を描いていた頃に得意だったのがアニメ塗りだったので、その技術をそのまま模型に活かしています。アニメ塗りだけでも70年代・80年代・90年代・デジタル作画と特徴がそれぞれあって奥が深いですよ。
百式はワカメ影がよく映えるため、アニメ塗りの練習に最適
今日過去に何体も作ってきてるので思い入れは強いです。80年代風アニメ塗り…俗に言うワカメ影が映えるので、ワカメ影塗装の練習にもピッタリでした。
――百式を公開した際、SNSでの評価も高かったとお聞きしました。百式がガンダムファンに愛される理由は何だと思いますか?
今日金色という衝撃的なカラーリングやシャープなデザイン、そしてクワトロ(シャア・アズナブル)が乗った期間が長かったのもあるのではないでしょうか。
――イラスト風模型を完成させた時、カタルシスを感じる部分はどこですか?
今日完成してSNSに投稿して、見てくださった方の反応ですね。「すごい」「絵にしか見えない」といった声が沢山挙げられたりするととても嬉しいです。
――今後、技術面でどんな部分を強化したいですか?
今日このイラスト風模型は絵の技法がそのまま使えるので、様々な技法にチャレンジしてみたいですね。得意とするアニメ塗りも精度を上げたいです。
――それでは、イラスト風模型に挑戦したい人はどうすれば上手になれますか?
【今日】イラストの塗り方は光と影が全てなので、それを意識する事がイラスト風塗装の秘訣だと思います。最近は自分の腕を磨くだけでなく、やってみたいという方の手助けも出来ればなとイラスト風の簡単な作り方を模索しています。YouTubeの僕のチャンネル『今日の模型ちゃんねる』で紹介していきたいと思いますので、やってみたい方はぜひ見て参考にして頂ければ嬉しいです。
――今日さんにとってガンプラとは?
今日立体のプラスチックのキャンバスですね。無限の可能性を秘めていると思います。
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