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ガンプラ│トップモデラーインタビュー(ガンダムプラモデル)

「プラモ狂四郎」の愛機・パーフェクトガンダム、旧キットにリベンジする理由とは?【連載19回】

 来年40周年を迎える「ガンプラ」は、1980年7月の発売以降、累計4億5千万個以上を出荷した国民的人気コンテンツ。今なお進化を続ける一方で、古き良き80年代のボックスアートや旧キットに強いこだわりを見せるモデラーも多い。そこで、旧キット愛好家のトップモデラー・ケイン氏に、ガンプラ脳を変革した『プラモ狂四郎』の影響力や、狂四郎の愛機パーフェクトガンダムへの想いを聞いた。
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「プラモ狂四郎」世代に刻まれたボックスアートの記憶

――ガンプラの傑作漫画『プラモ狂四郎』が模型人生のバイブルとのことですが、狂四郎との出会いを教えてください。

ケイン小学生の頃、友達の家で見た『コミックボンボン』で初めて狂四朗に出会いました。テンポの良いストーリーと、ガンプラの裏技的なアイデアが出てくるのですぐに夢中になりました。

――当時、『プラモ狂四郎』はモデラーにとってどんな存在でしたか?

ケイン今の時代と違って、ガンプラの情報は雑誌や模型店でしか手に入れられませんでした。だから『プラモ狂四郎』はモデラーにとって必須バイブル。プラモデルごっこ遊びの究極というか、まさに理想の漫画でした。

――『プラモ狂四郎』の好きなエピソードを教えてください。

ケインパーフェクトガンダムを狂四郎がフラフラになりながら必死に改造して、サッキー竹田と戦うエピソードですね。

――パーフェクトガンダム登場のインパクトは絶大でした。当時のキットについて感想は?

ケインコミックスにはフルスクラッチの「パーフェクトガンダム製作法」が載っていたのですが、流用パーツすら集められず、ハードルが高すぎて諦めました(笑)。だから、後でキット化された時は本当に嬉しかったですね。

――当時の『プラモ狂四郎』は、小学生読者に向けてフルスクラッチを提案したりと、ずいぶんと無茶をしていた印象があります(笑)。旧キットで再現したパーフェクトガンダムについてですが、こだわった部分は?

ケイン今風なアレンジをせず、当時のオリジナルのデザインとキットの形状を生かす工作を行いました。パーフェクトガンダムは漫画のプラモデルがオリジナルですが、イラストレーターの石橋謙一氏の描く素晴らしいボックスアートのイメージも鮮烈に心に刻まれています。臨場感あふれるMSVとしての存在感にもこだわりました。

――ケインさんは旧キットへのこだわりが強いとのことですが、その理由は何でしょうか。

ケインパーツ単位のラインの美しさ、そしてキットが醸す温かさです。部品が少ないのも僕には丁度良いですし(笑)、あとは小学生の頃上手く作れなかった悔しさへのリベンジです。

狂四郎を叱咤するストリーム・ベースの言葉に当時のモデラーは励まされた

――パーフェクトガンダムは、当時のガンプラファンにとってどんな存在でしたか?

ケインやはり憧れでしたね。狂四郎と共に戦い、工夫し、苦難を乗り越えてきた愛機の様な存在だと思います。

――先ほどMSVの話が出てきましたが、ケインさんがMSVから受けた影響を教えてください。

ケインガンダム本編では描かれなかったストーリーを自分で色々と空想したり、作って楽しむ事を教わりました。特に説明書の解説が大好きで、機体ごとの開発史や運用、部隊やエースパイロットのエピソードなど、どんどん空想が広がっていく素材に溢れていました。そこがたまらなく好きです。

――MSVを数多く製作されています。その魅力は何でしょうか。

ケインその全てです(笑)。どれか一つと聞かれたら一番はボックスアートかな。MSの視線やふるまい、背景から読み取れるストーリーが大好きです。

――MSVといえば、ストリーム・ベースの存在も外せません。

ケインMSVはアニメの設定だけにとらわれない、自由な発想を取り入れた楽しみ方が魅力でした。また、MSVにおいて中心的な役割を担っていたストリーム・ベースは、モデラーにとってまさに雲の上の存在。作中では狂四郎を叱咤激励する師匠的な役割を担っていましたが、その言葉は読者たちに対しても向けられていて、ストリーム・ベースの言葉に刺激を受けたモデラーは多いと思います。

――最後に、ケインさんにとってガンプラとは?

ケイン自分の空想や妄想を立体にして遊べる、かけがえのない存在です。

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(C)創通・サンライズ

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