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“レンチン”カップ麺が日本を席巻? 成熟した国内カップ麺市場に“ニュースタンダード” を提示
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もっちりノグリ 韓国風海鮮味 カップ(ピリ辛)
目次
韓国の“煮込む”文化がカップ麺にも影響、電子レンジ調理で袋麺と同じような仕上がりに
その特徴は、レンジ調理を推奨していること。実は韓国では、お湯を注いだカップ麺を電子レンジで加熱する食べ方が最近増えているという。農心ジャパンのマーケティングチーム三浦善隆さんは言う。
「韓国の全てのメーカーが電子レンジに対応したカップ麺を出しているわけではないのですが、農心では、韓国人のインスタントラーメンに対する需要に応えるべく、現在、カップ麺の新製品の8割は電子レンジ対応にしています」(三浦さん/以下同)
その需要というのが、韓国の食文化の特徴の「煮込む」ことだ。韓国料理ではチゲやクッパ、サムゲタンに代表されるように、スープでじっくり煮込む料理が主流。それゆえ、1人あたりの年間消費量で世界2位に君臨するほど国民食となっているインスタントラーメンも、市場の7割が袋麺で、鍋で煮込んで食べることが当たり前になっている。
熱湯調理とレンジ調理の麺の色の違い
電子レンジ調理の“手間”に対して社内で疑問視の声も…辛さ、味、具材すべてを日本基準に調整
電子レンジの仕方
それでも、日本発売に踏み切った背景には、エンタメ性を楽しむ若年層のアンケート結果があったという。
日本発売においては、グループミーティングや食べ比べ調査などを重ね、日本人の好みに合うよう味を改良。『辛ラーメン』が世界中どこでも韓国と同じ味を味わえるように、100カ国以上で味を共通にしているのに対し、『もっちりノグリ』は、昆布の旨味を効かせたさっぱりとした海鮮スープに、幅広い人が食べやすいピリ辛と、日本限定の味を実現した。「日本人は具材に関心が高い」という調査結果から、たっぷりの昆布とワカメに加え、韓国版よりノグリのキャラクターかまぼこが多めに入っている。
『ノグリ』はうどんのようなもちもちした食感の麺が一番の特徴だが、電子レンジ調理では、マイクロ波によって麺の中に入った水分子が振動し温められることで、もっちりした仕上がりになる。この効果は細麺より太麺のほうが出やすいことが農心の研究所でも証明され、「太麺を特徴とするノグリが最も電子レンジ調理に合うと考えた」という。
「韓国のラーメンに興味はあるけれど、『辛ラーメン』は辛すぎるというお声も耳にしていました。『ノグリ』は海鮮ベースで辛さのレベルが辛ラーメンより低いので、より多くの日本人に楽しんでいただけるのではないかと思っています」
あえてしない“辛さなし”の選択「韓国ならではの楽しみ方を提示できれば」
もっちりノグリ 韓国風海鮮味 カップ(ピリ辛)
「辛くないカップ麺を求めるなら日本の商品を食べればいいじゃないかということになりますからね。日本のメーカー各社は非常に商品開発に力を入れ、毎週のように日本人の好みに合わせた新商品を発売されています。そのような市場になかなか弊社は太刀打ちできませんので、あくまで韓国のラーメンに興味があるという日本の皆さんに美味しく食べていただけるよう、辛さもギリギリのラインで調整しました」
その思いは、電子レンジ調理についても同じ。「電子レンジ調理で、日本のカップ麺市場をひっくり返してやろうというような大それた考えは微塵もありません」と三浦さんは笑いながら話す。
「韓国に興味を持ってくださっている方々をはじめ、日本の皆さんに『韓国ではこういう楽しみ方をしていますよ』とお伝えできればという思いです。今後も商品展開においては「『韓国の人ってこうやってインスタントラーメンを食べているんだ、面白いね』と思ってもらえるような味や設計を考えています」
(取材・文/河上いつ子)