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泡盛の飲み方
その反面、名前は知っているが飲んだことがない、飲んでみたいけれど飲み方がわからないという人も多いかもしれない。地域の風土と文化に根ざした酒、泡盛とはどんな酒なのか、どんな飲み方で楽しむのがおすすめなのかを詳しく紹介したい。
【contents】
・泡盛とは?
・泡盛の飲み方の種類
┗水割り
┗ロック
┗炭酸割り
┗ドリンク割り・カクテル
┗お湯割り
┗パーシャルショット
┗ストレート
・泡盛を飲むための酒器
・泡盛ならではの飲み方
・まとめ
・泡盛とは?
・泡盛の飲み方の種類
┗水割り
┗ロック
┗炭酸割り
┗ドリンク割り・カクテル
┗お湯割り
┗パーシャルショット
┗ストレート
・泡盛を飲むための酒器
・泡盛ならではの飲み方
・まとめ
泡盛とは?
昔は本州ではほとんど手に入らず、飲めるところも沖縄料理店くらいだったが、最近では、数種類の泡盛を取りそろえている酒販店もある。
「泡盛はアルコール度数が高くて飲みにくそう」「焼酎よりクセがありそう」と思っている方や、鮮やかな色づかいで南国の雰囲気あふれるラベルをみて、「飲んでみたいけど、飲み方がわからない・・・」とためらっている方のために、まずは泡盛の特徴を簡単に紹介したい。
泡盛のことを知れば、もっと飲みたくなるはずだ。
泡盛は沖縄特産の伝統的な蒸留酒
中国から琉球王国に伝わった酒造りの製法が風土に磨かれて琉球泡盛となって花開いたのだ。現在沖縄には琉球泡盛の蔵元が50軒ほど存在。琉球泡盛は、特定の地域で生産され地域の特性や伝統が反映された品に与えられるGI認定(地理的表示保護制度)を受けている。
泡盛の原料と造り方
これに対して、琉球泡盛は、伝統的に原料にタイ米、黒麹菌でつくった米麹を使用して「全麹仕込み」という方法で仕込み、多くが常圧蒸留されることから、一般的な焼酎とは一線を画す蒸留酒といえるだろう。
泡盛の「古酒(クース)」とは?
泡盛は個性がはっきりした蒸留酒で熟成に向く酒だが、中でも古酒として熟成させる泡盛はろ過を少なめに仕上げることが多いという。古酒と呼ぶためには最低でも3年以上の熟成が必要で、年月とともに円熟味が増していく。そのため、古酒は熟成期間を明記して販売されているものが多い。
古酒の魅力は、なんといっても香り高く豊かな味わいとまろやかな飲み心地。熟成が進むにつれて琥珀色に近くなる色合いも美しい。
沖縄では祝いごとなど特別な時に飲むという古酒だけに、熟成年数に伴い、かなり高価なものもある。しかし、沖縄の宝ともいえる味わいをぜひ体験してみて欲しい。
泡盛の飲み方の種類
そのため、比較的度数の低いものをストレートで、水割りで好みの度数にして食中酒に、アルコール度数が高いものは凍らせて食後酒にというように、タイプに合わせて飲み方を選ぶとそれぞれの個性をより豊かに楽しむことができる。
ただし、同じ銘柄でも異なる飲み方をすることで味わいががらりと変わることもあるので、いろいろな泡盛をいろいろな飲み方で試して自分好みの泡盛の飲み方をみつけて欲しい。
水割り
焼酎をあらかじめ好みの濃さに水で割って飲む「前割り」を知っているだろうか。テキーラも同様に、あらかじめ水で割っておくことで、よりまろやかな味わいになる。一般的な飲み方からは外れるが、アルコールの刺激が苦手な方向きの飲み方だ。
前割りしたものを温めた「熱燗」は、寒い時期にぴったりだ。特に、熟成されたテキーラは、熱燗にすることで香りが立ち、より一層美味しくなる。
泡盛の水割り 基本の作り方とポイント
1)グラスはあらかじめ冷やしておく。
2)泡盛をグラスに注いだ上から冷水を注いで軽く混ぜる。比率は好みで。
・氷は溶けにくいロックアイスがおすすめ。
・泡盛を冷蔵庫で冷やしておいてもよい。
●通が好む常温バージョン
泡盛と水、どちらも常温を使う。泡盛濃いめの比率がおすすめ。
●おすすめの比率:
アルコール度数30度の泡盛なら水7:泡盛3、25度なら水6:泡盛4の比率で割ると、できた水割りはアルコール度数12〜15度程度となり、飲み飽きしないおいしさが楽しめる。
●割り水の種類:
濃い水割りには軟水、薄い水割りには硬水がよいともいわれているが好みで選べばOK。
水割りにおすすめの泡盛は?
ロック
それぞれの泡盛の風味をダイレクトに楽しみつつ、氷が溶けるにつれて少しずつ変わっていく味わいを堪能したい。また、最初口に含んだ時は冷たい泡盛が口中で温まって香りと旨味が立ち上がってくるのもロックならでは。
泡盛のロック 基本の作り方とポイント
ゆっくりと味わいが変化していく様子を楽しみたいなら、氷は密度の高いロックアイスを使うのがおすすめ。氷はグラスに入れる前に泡盛か水をくぐらせて表面の霜や凸凹を溶かしてなめらかにしておくと、グラスの中で急速に溶けて水っぽくなるのを防げる。
ロックだとそれぞれの泡盛の個性もよくわかるので、泡盛を飲み比べするのもいい。
炭酸割り
ラードを多用する沖縄の郷土料理との相性もとてもいい。
「泡盛はクセがありそう」と敬遠している方は、まず炭酸割りからスタートしてみて欲しい。泡盛ならではの風味を感じつつ、アルコールの刺激やクセが抑えられるので飲みやすいだろう。
泡盛を炭酸飲料で割る飲み方のポイント
炭酸はそっと加えて、混ぜすぎないこと。柑橘などをトッピングしてより爽やかさを演出するのもおすすめだ。
●おすすめの比率:
水割りと同様にアルコール度数が12〜15度程度となるように割ることが多いが、コーラやジンジャエールで割るときはもちろん、シンプルな炭酸水で割る場合も泡盛の個性を感じたいなら、水割りより心持ち濃くするとよい。
ドリンク割りやカクテル
風味のあるドリンクで割るには一般に連続式蒸留焼酎(甲類)のようなクリアなものが向いていると思われがちだが、実は泡盛独自の風味と引き立て合って特別なおいしさが生まれるものもある。そうした組み合わせを見つければ、泡盛に対する苦手感が払拭され、一気にファンになるかもしれない。
好みにもよるが、ジュースなら柑橘類のほか、トロピカルフルーツを使ったものをぜひ試してみて欲しい。また、少し意外だが、コーヒーとも相性が良いことも覚えておきたい。
注目の飲み方
自宅で泡盛を飲む時にも、簡単なカクテルを作ってみてはいかがだろうか。
泡盛にトロピカルフルーツやそのジュース、南の海を思わせるリキュール・ブルーキュラソーなどを組み合わせると、リゾート気分で楽しめるだろう。
お湯割り
泡盛は南国沖縄の特産品ということで現地ではそれほどポピュラーではない飲み方だが、お湯で割ると香りも味も一気に広がって、寒い時期には身体を芯から温めてくれる。
泡盛をお湯で割る飲み方のポイント
湯温によってはアルコールの匂いが先に立ってしまうので、慣れないうちはやや薄めに作るとよい。
●湯の温度と注ぎ方:
常温の泡盛に焼酎のお湯割りよりもぬるめのお湯をゆっくり注ぐ。アルコール度数の高い泡盛の場合は特に湯温を低めに。
パーシャルショット
アルコール度数25度以下の泡盛の場合、家庭用の冷凍庫または冷凍室では水のように固くは凍らずシャーベット状になることが多い。シャリシャリとした口当たりが楽しく、口の中で溶けて泡盛の風味が広がる。
30度以上など、アルコール度数が高い泡盛の場合は凍結せず、とろりとしたテクスチャーになる。アルコールの匂いを感じず泡盛のうまみが濃厚に感じられるのでおすすめの飲み方だ。
また、琉球泡盛と同じ原料、同じ製法で日本最西端の島・与那国島だけでつくられる蒸留酒「花酒」は、アルコール度数が高く60度に達するものもあり、パーシャルショットで楽しむのに最適といえる。
泡盛を冷凍する飲み方のポイント
●冷凍した泡盛は小さめグラスで楽しむのがおすすめ。
シャーベット状になった泡盛はアルコール分から溶けだすため、大きなグラスだと最後の方は水っぽくなってしまうことや、冷凍することでとろっとなった泡盛の舌触りや喉ごしはショットグラスなどで一気に飲む方がより良く感じられるためだ。
ストレート
特に、年代物の古酒はストレートで味わうのが基本。ほんの少しずつ口に含んで、芳醇な香りと深い旨味を満喫したい。
そして、古酒はもちろん上質の泡盛をストレートで飲むときの楽しみが「残香」。飲んだ後のグラスに残る泡盛の香りもごちそうだ。
泡盛の古酒をストレートで飲む時のポイント
泡盛を飲むための酒器
カラカラ
底が平らで注ぎ口がついている。注ぎ口とは別に泡盛を入れるための口があるもの、猪口とセットになっているもの、絵柄やオブジェをあしらったものなども多く、実用はもちろん工芸品としても価値あり。
ちぶぐゎー
抱瓶(ダチビン)
琉球ガラス
泡盛ならではの飲み方「育てて飲む」
古酒に育てるための基本は、度数が高く、味のしっかりした泡盛を選び、できれば甕に入れて保管すること。
甕の封をしていても時とともに泡盛は少しずつ蒸散するため、減った分の泡盛を足しながら熟成していく。これが「仕次ぎ」だ。
自宅で泡盛を熟成させるなら、甕の中の状態チェックを兼ねて1年間に総量の5〜10%を汲みだして飲み、そこに新しい泡盛を足していくという方法がおすすめ。これなら熟成していく泡盛も飲めて、古酒もつくれる。
まとめ
そして泡盛にはタイプ別におすすめの飲み方があって、飲み方によって驚くほど味のバリエーションが広がるのだ。泡盛とはどのような酒なのかという基本と、それに基づいたおいしい飲み方を知ることで、泡盛好きはもちろん、飲まず嫌いだった人も、泡盛の奥深さに魅入られるだろう。
著者プロフィール
まつもとようこ
「食」を専門とするライター。農・漁業、食品製造の現場、飲食関連の専門家・店舗などの取材記事執筆のほか、料理研究家としての活動も行う。
食品のお取り寄せと直売所めぐり、国内外の蒸留・醸造所訪問は、趣味を通り越してライフワーク。
まつもとようこ
「食」を専門とするライター。農・漁業、食品製造の現場、飲食関連の専門家・店舗などの取材記事執筆のほか、料理研究家としての活動も行う。
食品のお取り寄せと直売所めぐり、国内外の蒸留・醸造所訪問は、趣味を通り越してライフワーク。
飲酒は20歳を過ぎてから。飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児に悪影響を与える恐れがあります。
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