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(更新: ORICON NEWS

ジントニックの作り方とアレンジテクニック【プロが教えるお酒】

「ジントニック」は、誰もが知っているおなじみのカクテルである。

「バーテンダーの名刺代わり」とされ、一杯味わえば、そのバーテンダーの腕前がわかるといわれるほど、シンプルな材料ながら実は奥深いカクテルなのだ。

今回は、ジンの基礎知識から初心者でもできるジントニックの基本的な作り方、アレンジ方法までを詳しく解説する。
深い知識を身に付ければ、「ジントニック通」として自信を持って語ることができるだろう。

ジントニックってどんなカクテル?

ジントニックは、世界4大スピリッツの一つであるドライジンにライムを加え、トニックウォーターで割ったロングカクテルである。では、「ジン」とはどのようなお酒なのか? その歴史的背景や変遷、豊富なバリエーションについて解説する。これらの基礎知識を身につけることで、ジンの特徴や種類を理解しやすくなり、自分好みのジンを見つける手助けとなるだろう。

ジンとは?

ジンをわかりやすく説明すると、「ジュニパーベリー(ネズの実)というヒノキ科の針葉樹の実で香りづけをした蒸溜酒(スピリッツ)」だ。ジン特有の香りを生み出しているのがこのジュニパーベリーである。さらにさまざまなボタニカル(植物の種子やハーブ、果皮など)を用いて香り付けをすることで、ブランドごとの個性を生み出している。

ベースとなるお酒には、農作物由来のアルコールを使用することが前提だ。小麦やとうもろこし、お米などを原料としたグレーンスピリッツが多い。その他にも、果物やじゃがいもなども原料に使用される。
さまざまな原料をベーススピリッツに使用でき、比較的制限の少ないスピリッツである。こうした背景も相まって、バリエーション豊かなジンが製造されている。

ジンはもともと薬だった

ジンの起源は、16世紀のオランダにさかのぼる。ジンの前身にあたる「ジュネバ」は、オランダの薬剤師がジュニパーベリーを用いて薬用としてつくったのが始まりだ。ジュニパーベリーは、古くから薬効があると信じられ、消化促進や感染症の治療に使われていた。
その後ジュネバはイギリスに伝わり「ジン」として広まる。特にロンドンで多くの人々に飲まれるようになり、現在に至るまで世界中で愛されるスピリッツとして定着している。

クラフトジンブームの到来

2000年代初頭にはクラフトジンブームが到来し、現在でも世界中で注目されている。クラフトジンに明確な定義はないが、作り手により、原料・製法・産地などに強いこだわりをもってつくられるジンのことである。
クラフトジンは地域の特産品や独自のボタニカルを使用することで、唯一無二の味わいを提供している。フルーティなものからカレーのようにスパイシーなものまで、個性的な風味や製法にこだわったクラフトジンが注目を集めるようになった。

おいしいジントニックの作り方とコツをプロが解説

ジンの基礎知識と歴史を理解したところでさっそく作り方を解説しよう。シンプルなカクテルなので、ポイントをしっかりと押さえれば美味しくつくることが可能だ。まずは必要な材料と道具、基本の作り方について見ていこう。

基本のジントニックづくりの材料と道具

【材料】
・ドライジン・・・30ミリリットル
・ライム・・・1/8個
・トニックウォーター・・・60ミリリットル
・ソーダ・・・30ミリリットル
・氷・・・コンビニなどで買える大きめのものが好ましい
【道具】
グラス・・・縦長のタンブラーを使用することが多い。
アイストング・・・氷をグラスに入れるために使う。グラスに隙間なく氷を入れることがおいしくつくるポイントなので、長めで氷をつかみやすいものがよい。
ジガーカップ・・・お酒の分量を測るための道具。なければ軽量スプーンなどで代用可。
バースプーン・・・材料を混ぜたり、ライムなどを潰すのに使う道具。なければマドラーなどで代用可。

プロが教える基本のジントニックの作り方

【下準備】
・氷が溶けて薄まるのを防ぐために、トニックウォーターとソーダ、グラスは冷蔵庫で冷やしておく。
・ライムは皮のキメが細かく、艶とハリのあるものを選ぶ。ゴツゴツとした見た目のものは果汁分が少ないため避ける。
・ライムはカットする前によく洗い、水気を拭き取る。まな板などの上で、手の平で上から軽く押さえつけながら数回前後に転がす。カットする前にライムの中で果汁が絞られたような状態にできる。
・ライムは縦に1/8にカットする。両端の突起や内側の白いワタは切り落とし、見た目を整え、果汁を絞りやすくする。

まな板などの上で、手の平で上から軽く押さえつけながら数回前後に転がす。カットする前にライムの中で果汁が絞られたような状態にできる。

まな板などの上で、手の平で上から軽く押さえつけながら数回前後に転がす。カットする前にライムの中で果汁が絞られたような状態にできる。

【作り方】
1.冷やしたグラスに氷を入れる。この際、できるだけ隙間ができないように入れる。氷のサイズを選びながらパズルのように氷を組み上げる。

2.氷を入れたグラスにジン30ミリリットルをメジャーカップで計り、注ぎ入れる。

3.ライム果汁を絞り入れる。このとき絞ったライムの果肉と皮はグラスの中に入れず、とっておく。

4.バースプーンまたはマドラーでステアし(かき混ぜ)て、液体の温度をトニックの温度と同じくらいまで下げる。

5.トニックウォーターをできるだけ氷に当たらないように静かに注ぐ。

6.バースプーンをグラスの底まで入れ、氷を下から上に持ち上げて混ぜる。

7.最後にソーダを注ぎ入れ、とっておいたライムを添えて完成。(甘さ控えめのトニックの場合はソーダを入れなくてもよい。暑い時期はソーダを加えるとさっぱりとした味わいになりおすすめだ。)

8.ライムの香りをより楽しみたい場合は、ピールをそぎ落としたもので最後に香り付けしてもよい。



初心者向けのおすすめジン4選

ジントニックの材料を揃えるとき、どのジンを選べばよいかわからない人も多いだろう。ドライジンには4大ブランドといわれる代表的なジンが4つある。ここではジントニックにおすすめの4大ブランドのドライジンを味わい別に紹介する。

ゴードン

ゴードンは4大ブランドの中でも最も古い歴史を持っているブランドだ。高品質なジュニパーベリーの中から上位5%のみを使用した、風味豊かな辛口のジンである。ジンらしいジュニパーベリー感を楽しみたい方におすすめしたい。アルコール度数はほかのブランドよりやや低めで、お酒があまり強くないという人にも向いている。
【公式サイト】Gordon’s London Dry Gin(外部サイト)

ビーフィーター

ビーフィーターは、厳選されたボタニカルをじっくりと約24時間浸す「スティーピング(浸漬)」と呼ばれる工程を採用している。9種類のボタニカルを使用し、ジュニパーベリーのほかに柑橘の風味を楽しめる、ドライジンの中でも華やかな印象のジンだ。
【公式サイト】スーパープレミアムロンドンドライジン ビーフィーター -BEEFEATER- サントリー(外部サイト)

タンカレー

ロンドンドライジンならではの辛口のジンを求めるならタンカレーがおすすめだ。最大の特徴は、高品質なボタニカルを使用し、4回にわたる蒸留を経てつくられた雑味のないクリアな味わいだ。ジュニパーベリー、アンジェリカルート、コリアンダー、リコリスという4つのボタニカルのみを使用し、スッキリ上品な味わいと滑らかな口当たりが洗練された印象を与える。
【公式サイト】ディアジオ ジャパン | Diageo(外部サイト)

ボンベイ・サファイア

ボンベイ・サファイアは、華やかな香りと味わいが特徴のジンである。4大ブランドの中で最も多い10種類のボタニカルを使用している。複雑で深みのある味わいながら、クリアで滑らかな舌触りが特徴だ。複雑さや華やかさを求める方におすすめしたい。
【公式サイト】ボンベイ・サファイア|公式サイト|ブルーが美しいプレミアムジン(外部サイト)

トニックウォーターのおすすめ3選−初心者向けからプロ仕様を紹介

ベースとなるジンを選んだら、次に気になるのはトニックウォーターの種類だろう。たくさんの種類があり、悩む人も多いのではないか。ここでは手に入れやすいものからプロが愛用するものまで3種類を紹介する。

シュウェップス

今回紹介する3種類の中でも比較的手に入れやすいトニックウォーターだ。元来のトニックウォーターは、キナという木の皮由来の「キニーネ」という苦み成分を配合している。日本で販売されているトニックウォーターの大半はその成分が入っておらず、シュウェップスもキニーネが入っていない。柑橘由来の苦味成分を含有するトニックウォーターで、ほどよい酸味、甘味、バランスのよさと使いやすさから使用しているバーも多い。

フィーバーツリー

「フィーバーツリー」とは、キニーネの原材料であるキナの木を表す愛称だ。原材料にキニーネが使用された本格トニックで、使用しているバーも多い。炭酸のキメが細かく、人工香料、甘味料不使用、甘さ控えめのため、すっきりとした上品な味わいに仕上がる。
→【公式サイト】LINEUP | フィーバーツリー(外部サイト)

フェンティマンス

フェンティマンスもフィーバーツリー同様、キニーネが使用され、トニック本来の苦味を味わえる。ジュニパーベリーとカフィアライムの葉の風味もアクセントに加わり 、ジンの風味をより強調させる。ライムが手元にないときにおすすめのトニックウォーターだ。
→【公式サイト】フェンティマンス日本正規代理店(外部サイト)

初心者でもできるジントニックの簡単アレンジ

クラシックジントニックに飽きたら、アレンジを楽しんでみよう。ジントニックのアレンジアイデアを紹介する。

フルーツやハーブ、クラフトシロップを加えて楽しむ

ジンに使用されているボタニカルをグラスに添えるアレンジは、簡単に美味しくできるのでおすすめだ。見た目が華やかになるだけでなく、ボタニカルの香りを強調できる。ジュニパーベリーやフルーツ、スパイスなど、ベースのジンに含まれるボタニカルを選ぶのが基本だ。
また、自家製のクラフトシロップを少量加えるのもおすすめだ。オレオサッカラムという火を使わないシロップは、柑橘の皮を丸ごと砂糖に一晩漬け込むことで簡単につくることができる。これを加えることでフレッシュな柑橘の香りと苦味を楽しめる。ただし、甘さが増すので、トニックの量を減らしてソーダを多めにするのがおすすめである。

クラフトジンで楽しむ

クラシックジントニックとはまったく違った味わいを楽しみたければ、クラフトジンがおすすめだ。クラフトジンは世界中でさまざまな種類が製造され、フルーツ、スパイス、ハーブ、フローラル、ウッディーなどのフレーバーが存在する。思い入れのある産地や好みのボタニカルで選ぶのもよいだろう。
また、ベースとなるスピリッツの違いにより味わいが大きく変わるため、その違いを楽しんでみるのもよい。
初心者にもおすすめの、趣向の違う3つのクラフトジンを紹介する。

季の美 京都ドライジン

初心者におすすめしたいのは、「季の美 京都ドライジン」だ。ボタニカルには柚子・山椒・赤松・玉露など、和のボタニカルがふんだんに使用されている。一見尖ったように感じられるボタニカルだが、バランスのよい香りと優しい口当たりで、最初の一本におすすめだ。
→【公式サイト】京都で生まれたジン蒸溜所 京都蒸溜所(外部サイト)

ENGINE

ENGINEはバイクとツーリングを愛する創業者がガソリン缶に発想を得た、極めて斬新なパッケージのイタリアのジンだ。
インパクトあるパッケージとは裏腹に、100%オーガニックジンという見た目と中身のギャップが楽しい。イタリア産のジュニパーべリーやセージ、レモンピールなど、こだわりのボタニカルとフレッシュな香りが特徴のジンである。インテリアにもなるおしゃれなボトルは目でも楽しめて、飲んでもおいしいおすすめの一本だ。
→【公式サイト】エンジン® オーガニックジン(外部サイト)

ジーヴァイン ジン フロレゾン

ジーヴァイン ジン フロレゾンはフルーティーなジンを探している人におすすめしたい一本だ。
フランス・コニャック地方原産の白ブドウ(ユニ・ブラン種)を蒸留したスピリッツに、世界中から厳選し集められた9種のボタニカルとユニ・ブランの花などで香りづけしたグレープジンである。これまでのジンの概念を覆す、フルーティーで飲みやすい一本だ。
→【公式サイト】G’vine Floraison/ジーヴァイン・フロレゾン(外部サイト)

ノンアルコールジントニック

今日は飲めないけどリラックスしたい、そんなときにおすすめなのがノンアルコールのジントニックだ。昨今の健康ブームにより、人気はますます加速している。

ノンアルコールジンは、ジュニパーベリーやスパイス、ハーブなどのボタニカルを蒸留することで香りづけをしたアルコール分0%のハーバルウォーターだ。トニックで割ることでアルコール入りのジントニックのような豊かなフレーバーを楽しめる。

作り方はアルコール入りのものと同様の工程に加え、最後にノンアルコールジンを少量垂らすとより香りが際立つ。お気に入りの一本を見つけて、飲めない日にもぜひ楽しんでみてほしい。
※ノンアルコールジントニックの開封後は、冷蔵保存が必要。

ジントニックにおすすめのグラス

ジントニックは、使用するグラスによって香りや味わいに大きな変化が生まれる。作り方をマスターしたら、グラスにもこだわってみよう。以下にジントニックにおすすめのグラスを3つ紹介する。

うすはりグラス

うすはりグラスはその名の通り、薄づくりのグラスだ。
氷の入った液体を入れると、飲み物をそのまま直接手で持っているかのような感覚を味わえる。バーでもジントニックやウィスキーソーダなどを提供するのに使用されていることが多い。
縁が薄くスーッと口に入ってくるため、爽快感を味わうのに持ってこいだ。まずはうすはりグラスで楽しんでみてはどうだろう。

バルーングラス(コパグラス)

海外でジントニックをオーダーすると高確率で使用されているのが、このバルーングラス(コパグラス)だ。
大ぶりのワイングラスのような形をしたグラスは、ボタニカルの香りを楽しむのに最適だ。見た目にもおしゃれで、ボタニカルやライムをガーニッシュ(飾り)として添えれば、自宅にいながらにして特別感を演出することができるだろう。

銅製マグカップ

暑い夏には銅製のマグカップもおすすめだ。
冷却効果が長く持続するため、最後まで冷たい状態でジントニックを楽しむことができる。ジントニック以外にもモスコミュールやアイスコーヒーなどにも最適なため、一つ持っていると便利だ。

まとめ

一口に「ジン」といっても実にさまざまなバリエーションが存在する。

今回ご紹介したポイントを押さえておくだけでも、「ジントニック通」として自信をもって語れるのではないか。

ドライジンを使って自分だけの究極のクラシックジントニックを楽しむもよし、自分好みのクラフトジンを見つけて楽しむもよし、アレンジして楽しむもよし。

ジントニックの奥深き世界をぜひ味わってみてほしい。
著者プロフィール

中山 理紗
元バーテンダーで、世界的カクテルコンペティション「ディアジオワールドクラス2022」のジャパンファイナル出場経験を持つWebライター。
自身が経営する「Bar and ONIGIRI うつせみ」では、アーユルヴェーダや薬膳の知識を活かし、心と身体にやさしいカクテルと食事を提供している。日々の生活習慣や食事、起業に関する知見をもとに、より良い人生をサポートするウェルネス情報を発信している。
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