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モスコミュールの作り方とアレンジテクニック

モスコミュールは、シンプルな材料でつくられながらも、「爽やかなのにスパイシー!」な味わいがクセになるカクテルだ。
1940年代にアメリカで誕生し、その後さまざまな戦略や旅路を経て、現在では世界中で愛される定番カクテルとしてその地位を築きあげている。
この記事では、モスコミュールの歴史や文化的背景、さらに家庭で楽しむためのアレンジレシピや料理とのペアリングまで、詳しく紹介していこう。

モスコミュールとは?

味わいは、ジンジャービールのスパイシーな刺激とライムジュースの酸味、ウォッカのクリーンな味わいの絶妙な調和が特徴である。
特に、冷たさを保つために銅製のマグカップで提供されることが多く、これがモスコミュールの魅力をさらに高めている。
度数は、ベースに使うウォッカによるが、大体のウォッカが40%前後なので、カクテルにすると約8〜12%となる。(もちろん、お好みに合わせてウォッカの量を調整し、強くしたり弱くしたりも可能)

カクテル言葉

モスコミュールのカクテル言葉は「仲直り」である。
材料であるジンジャービールのスパイシーな刺激、ライムの酸味、ウォッカの爽やかさが、それぞれが異なった強い個性を持ちながらも一つに調和していることが「仲直り」を象徴している。
そんなカクテル言葉を持つ「モスコミュール」は友人や家族と一緒に楽しむのにぴったりだ。
友人とケンカしてしまい、なかなか仲直りするキッカケが見つからない時は、バーへ誘ってモスコミュールを2つオーダーしてみてはいかがだろうか?

モスコミュールの歴史と誕生秘話

1940年代の誕生

モスコミュール誕生の背景には、商業的な目的があった。
1940年代のアメリカでは、ウォッカはまだあまり知られておらず、ジンジャービールの売れ行きも低迷していた。
そこで、スミノフ社の営業マンであるジョン・G・マーティンは、ジンジャービールを扱っていたバー「Cock 'n' Bull」のオーナー、ジャック・モーガンと協力し、新規カクテルの開発に乗り出したのが始まりである。
このカクテルが速攻で人気を博した。その理由はやはり、ウォッカのクリアな味わいとジンジャービールのスパイシーさ、ライムジュースの酸味の絶妙なマリアージュによる奇跡的なバランスと称される味わいにある。
また、冷たい銅製のマグカップで提供される独自スタイルが、暑い夏にぴったりだったことも成功の要因の一つだ。

名前の由来

「モスコミュール」。語呂はいいけれど聞き慣れない、変わったこの名前の意味は、「モスクワのロバ」である。
「モスコ(モスクワ)」はウォッカの発祥地を示し、「ミュール(ロバ)」は、ロバの後ろ足で蹴り上げる強さが後から効いてくるモスクワのお酒を表現したものとされている。

銅製のマグカップを使うワケ

モスコミュールといえば、銅製マグカップである「カッパーマグ」で提供されるスタイルがクラシックとされている。
その理由は、銅の熱伝導性が高く、カクテルを冷たいまま長時間保つことができるからだ。
特に氷をたっぷり使ったカクテルでは、この効果がかなり大きく、夏場に最適である。
(ミントを使った爽やかカクテルの定番であるモヒートにも用いられる。)

また、銅のマグは見た目もスタイリッシュで、モスコミュールの魅力を一層引き立ててくれる。
そして、モスコミュールが銅製のマグカップで提供されるようになったのには、上記の実用的な理由だけでなく商業的な背景も存在する。

当時、「Cock 'n' Bull」のオーナー、ジャック・モーガンのガールフレンドが銅製品を製造しており、このマグカップを使ってモスコミュールを提供することで、一緒に銅製品を宣伝できたというワケだ。銅製マグカップの冷却効果がカクテルの評判をさらに高め、このスタイルが定着したという逸話もある。

モスコミュールの広がり

前述した通り、モスコミュールは、誕生してからすぐにアメリカ全土で人気を博したが、その後の広まりにはハリウッドが大きく影響している。

ハリウッドとモスコミュール

ハリウッドのパーティー文化が盛んだった1950年代、モスコミュールはその中心的な存在として親しまれていた。
その中でも特筆すべきは、伝説的なハリウッドスターであり、アカデミー賞俳優のブロデリック・クロフォードだろう。

彼は、モスコミュールが誕生した「Cock 'n' Bull」の最初の顧客であり、このカクテルに魅了された一人である。
「銅製のマグカップで提供されるスタイル」が映画のパーティーやセレブの集まりで話題となり、多くの映画スターたちが愛飲を始める。
特に、当時の大スターであるジョン・ウェインやエリザベス・テイラー、ハンフリー・ボガートなどのセレブリティがこのカクテルを楽しむ姿が連日メディアに取り上げられ、モスコミュールは一種のファッション・ステートメントのような存在となる。

マーケティング戦略の成功

モスコミュールが爆発的に広まったもう一つの要因として、巧妙なマーケティング戦略がある。
スミノフ社のジョン・G・マーティンは、ポラロイドカメラを使い、バーテンダーがモスコミュールをつくっている写真を撮り、それをほかのバーに見せることで「競合店でもこのカクテルが出されている」と地道に広めていった。
この写真を使ったマーケティングが、1950年代におけるソーシャルメディアのような役割を果たし、全米にモスコミュールが広まっていったのである

各国のバリエーション

そのシンプルなレシピであるがために、世界中でさまざまなバリエーションが誕生した。

ロンドンミュール(イギリス)

ウォッカの代わりにジンを使用し、スパイシーさにフローラルな風味が加わったバリエーションの一つだ。
イギリスのバーで人気のあるカクテルとして愛されている。

メキシカンミュール(メキシコ)

テキーラを使ったバリエーションで、テキーラのアガベの風味が特徴的である。
メキシコの文化を反映した味わいで、ジンジャービールとライムの組み合わせが見事にマッチしたものだ。

ジャマイカンミュール(ジャマイカ)

ラムをベースにした甘いバリエーションである。
ジンジャービールのスパイシーさとラムの甘さが絶妙なバランスとなっている。

ジャパニーズミュール(日本)

焼酎を使用した日本オリジナルのバリエーションだ。
焼酎の柔らかい風味がジンジャービールの刺激を和らげ、繊細な味わいが楽しめる。

モスコミュールの作り方

モスコミュールはとってもシンプルなレシピだが、そのシンプルさもあって、幅広くさまざまなアレンジが可能である。
ここでは、基本のレシピから、個性的なアレンジレシピまでをご紹介しよう。

基本レシピ

・ウォッカ:45ミリリットル
・ジンジャービール:120ミリリットル
・ライムジュース:10ミリリットル(フレッシュライム推奨)
・氷
・銅製のマグカップ(無ければグラス)
【作り方】
1.銅製のマグカップに氷をたっぷり入れる。
2.ウォッカとライムジュースを注ぎ、軽く混ぜる。
3.ジンジャービールを加えて、炭酸が飛ばさないようにもう1度混ぜたら完成。




アレンジレシピ

フルーティーアレンジ

グレープフルーツやオレンジのスライスを加えることで、ジューシーで爽やかな味わいが楽しめる。夏や海にぴったりのアレンジだ。

スパイシーアレンジ

ジンジャービールの代わりに辛口のジンジャーエールを使用し、さらにショウガスライスを加えることで、ピリッとした刺激を強調したアレンジになる。クセになる味わいだ。

サワーアレンジ

ライムジュースを倍量にすることで酸味を強調し、濃厚な料理や脂っこい料理との相性が抜群な一杯へ仕上がる。

モスコミュールの家庭での楽しみ方

モスコミュールは、家でも簡単に楽しめるカクテルだ。
以下のポイントを押さえると、バーのような本格的な味わいを家庭でも再現できる。
1.高品質なウォッカを選ぶ
ウォッカがカクテルの基盤となるため、普段より少し高級なものを選ぶことで、全体の味わいが深まる。
ジンジャービールで味わいを調整
辛口のジンジャービールを使用するとスパイシーに、甘口のジンジャービールを使えばデザート感覚で楽しめる。自分好みのジンジャービールを見つけるのも楽しみの一つだ。

2.銅製マグを使う
銅製のマグカップは見た目もおしゃれで、飲み物を冷たく保つ効果もあるため、家庭でもリッチな気分を味わえる。特に、夏場のパーティーなどで使うと効果的だ。

3.ライムジュースはフレッシュを使う
フレッシュなライムを使うことで、カクテルに自然な酸味と香りが加わり、風味が一層引き立つ。ライムの皮をカップの縁にこすりつけることで、さらに香りが広がり、飲む瞬間から楽しめる。

4.氷はたっぷり入れる
モスコミュールの冷たさが重要なので、氷をたっぷり使うこと。大きめの氷を使用すると、溶けにくく、最後までカクテルを薄めずに楽しむことができる。

モスコミュールと料理とのペアリング

モスコミュールのスパイシーさと酸味は、脂っこい料理や香辛料を使った料理との相性は特に抜群だ。

唐揚げやフライドチキン

モスコミュールのライムの酸味とジンジャービールのピリッとした刺激が、唐揚げやフライドチキンの脂っこさを和らげ、爽やかに最後まで楽しむことができる。辛口のチキンが特にオススメだ。

タコスやナチョス

スパイシーなメキシカン料理とモスコミュールは非常に相性がよい。
料理の濃厚さを引き締め、一口飲むたびに口内をリフレッシュさせてくれる。

シーフード料理

モスコミュールのフルーティーアレンジは、シーフードとの相性もよく、特にエビやホタテのグリル、シーフードサラダなどとの組み合わせが絶品である。BBQやアウトドアにもよい。

モスコミュールにおすすめのウォッカ3選

ウォッカはモスコミュールの基礎となる大切なスピリッツだ。
クリアで癖のないウォッカを選ぶのがポイントである。

スミノフ(Smirnoff)

モスコミュールの発祥に関わるウォッカとして、間違いないチョイスになる。癖がなく、スムーズな口当たりが特徴だ。
→【公式サイト】SMIRNOFF - スミノフ(外部サイト)

グレイグース(Grey Goose)

高品質のフランス産ウォッカ。クリーンで上質な味わいが風味を上品に仕上げてくれる。
→【公式サイト】Premium French Vodka(外部サイト)

ティトーズ ハンドメイド クラフトウォッカ(Tito's Handmade Vodka)

アメリカのクラフトウォッカ。コーンを原料にしているため、少し甘みがあり、柔らかな味わい。
→【公式サイト】Tito's Handmade Vodka(外部サイト)

モスコミュールにおすすめのジンジャービール3選

そして、ジンジャービール選びも重要である。
ジンジャーのスパイシーな風味がウォッカとライムを引き立てる。

フィーバーツリー ジンジャービア(Fever-Tree Ginger Beer)

強いジンジャー風味があり、モスコミュールをピリッとした味の仕上がりにする。
天然素材を使用しているため、品質が高いのもグッドだ。
→【公式サイト】フィーバーツリー(外部サイト)

リードジンジャービール(Reed’s Ginger Beer)

少し甘めで、モスコミュールに程よいスパイス感と自然な甘さを加えてくれる。
→【公式サイト】Drink Reed's - Real Ginger Ale & Real Ginger Beer(外部サイト)

バンダバーグ ジンジャービア(Bundaberg Ginger Beer)

オーストラリアのジンジャービール。クリーミーな泡立ちと甘さが特徴で、柔らかい口当たりのモスコミュールになる。
→【公式サイト】Bundaberg Brewed Drinks(外部サイト)

まとめ

モスコミュールは、シンプルなレシピながら、背後にある奥深い歴史や文化、背景、そしてユニークなエピソードが現在でも世界中で愛されている。
ハリウッドのセレブたちが愛したカクテルとして広まり、銅製のマグカップというスタイリッシュな提供スタイルがビジュアル的なインパクトを与えた。さらに、ジンジャービールの刺激とウォッカのクリーンな味わいのバランスが、多くの人々に受け入れられ続けている理由だ。

モスコミュールは、現在でも多くのバーや家庭で愛されている。基本のレシピからアレンジ方法、料理とのペアリングまで、さまざまな楽しみ方が可能で、自宅でも簡単に本格的な一杯を楽しむことができるのが魅力だ。
モスコミュールの歴史や文化を知ることで、さらに深い味わいを感じながら、このカクテルを楽しんでみてはいかがだろうか。
著者プロフィール

Marr
プロフィール:アメリカンレストラン&バーで修行して15年。好きな酒はハイネケンとアイリッシュウィスキー。得意カクテルはホワイトルシアン。趣味は映画に登場するカクテルを実際に作って飲みながら映画観ること。最近ハマっているのはスパイス収集。休日はベランダで育てたハーブをスピリッツやオイル漬けたりして過ごしてます。
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