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【年間オリコンドラマ満足度】川口春奈&目黒蓮『silent』が首位、TOP3をフジ系で独占も…満足度“苦戦”の2022年
恋愛、社会派、謎解き…計5作がTOP10入り 多彩なラインナップで攻めたフジテレビの躍進
さらにトップ10をみても、8位に『PICU 小児集中治療室』(吉沢亮主演/10月期)、9位に『ナンバMG5』(間宮祥太朗主演/4月期)がランクインしており、計5作がトップ10入りという結果に。改めてフジテレビが、ドラマでの存在感を見せつけていた。
フジテレビの勢いが増す一方で、今年はTBSと日本テレビの勢いがやや衰えた印象もあった。
『年間ドラマ満足度ランキング』でトップ10入りした各局の作品数を、昨年と比較すると、TBSは昨年5作だったのが今年は3作。日本テレビは、昨年2作だったのが今年はランク外という結果に。とくに、昨年の首位は日本テレビ系『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(戸田恵梨香、永野芽郁主演/7月期)で、同局の「水10」枠が勢いを増していただけに、今年の失速は残念な結果となった。来年1月期の同枠新ドラマ『リバーサルオーケストラ』は、実力派俳優で知られる門脇麦がゴールデン・プライム帯で初主演を務める作品とのことで、巻き返しに期待したい。
ちなみに昨年、年間トップ10のうち90Pt台を付けたのは上位6作。対して今年は上位3作。さらに昨年、100Pt満点を獲得した作品は2作(『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(日本テレビ系)/『天国と地獄 〜サイコな2人〜』(TBS系))あったのに対し、今年は『silent』1作のみだった。今年のランキングで10月期ドラマが5作もランクインしていることをふまえると、2022年は後半巻き返したものの、満足度という点で苦戦した年だったのかもしれない。
倍速させない仕掛け満載の『silent』、テレビ報道に潜む闇をテレビで流した『エルピス』
なお、フジテレビの作品が満点を獲得したのは、2017年7月期に放送された山下智久主演の『コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜THE THIRD SEASON』(9、10話目で満点)以来、2作目となる。
オリジナル作品となる『silent』は、川口春奈演じる主人公が、かつて本気で愛した元恋人(目黒蓮)と、“音のない世界”で出会い直すというラブストーリーの物語。音が聴こえにくい難聴を患う元恋人の出演シーンについて、最小限のセリフと、“シン”とした中で見せる手話の演技も高評価が寄せられていた。
さらに、じっくり映像を観ていると気づく、様々な仕掛けが施された演出も話題を集めていた。倍速やながら視聴させない工夫も奏功し、『TVer』の見逃し配信の歴代記録を更新。こぼれ話も満載だった公式Twitterアカウントは64万を超えており(27日時点)、放送中は作品にまつわる数々のワードがTwitterにトレンド入りするなど、多方面で賑わいを見せていた。
2位にランクインした長澤まさみ主演『エルピス―希望、あるいは災い―』は、満足度93.6Ptを獲得。冤罪事件の謎を解く社会派のオリジナル脚本で、2話目以降でいきなり90Pt台をキープするなど勢いを見せた作品だ。テレビ報道の闇をえぐる生々しい物語を、地上波放送のドラマで流すというスリリングな企画そのものに、釘付けになる視聴者が続出。「タブーに挑んでいる」という声も多数寄せられていた。
多くの人が、国内外の配信コンテンツを気軽に楽しめるようになり、「ドラマを観る」という時間も限られる中で、地上波ドラマをいかに面白くみせるか、各局が趣向を凝らしている。今回のランキング上位作を見ると、試行錯誤する制作側の想いが改めてうかがえる結果でもあった。
●「ドラマ満足度ランキング」とは
「オリコン ドラマバリュー」をもとに集計。オリコングループの調査システム「オリコン・モニターリサーチ」の登録者から毎週、全国690名の視聴者を対象に、各ドラマの「期待度」「満足度」について、「作品」「主演」「主演以外」「セリフ」「映像」「音楽」「美術」「ストーリー展開」を10点満点で調査。「オリコンドラマバリュー」はその結果を、過去1年間のデータに照らして偏差値化した。「視聴量」「主演」「主演以外」「内容」という4項目に加え、Twitterのツイート量を加えた「話題性」の5項目を各1〜20ポイントとし、計100ポイント満点で集計している。
●集計期間/2022年1月11日〜12月15日(2022年1月4日〜2022年12月12日までに放送された主な作品が対象)
「オリコン ドラマバリュー」をもとに集計。オリコングループの調査システム「オリコン・モニターリサーチ」の登録者から毎週、全国690名の視聴者を対象に、各ドラマの「期待度」「満足度」について、「作品」「主演」「主演以外」「セリフ」「映像」「音楽」「美術」「ストーリー展開」を10点満点で調査。「オリコンドラマバリュー」はその結果を、過去1年間のデータに照らして偏差値化した。「視聴量」「主演」「主演以外」「内容」という4項目に加え、Twitterのツイート量を加えた「話題性」の5項目を各1〜20ポイントとし、計100ポイント満点で集計している。
●集計期間/2022年1月11日〜12月15日(2022年1月4日〜2022年12月12日までに放送された主な作品が対象)