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YouTube再生数“7億”超え…KOC優勝から1年、ジャルジャルがパイオニアであり続ける理由

 『キングオブコント2020』(KOC)優勝から1年が過ぎたジャルジャル。毎日ネタを配信し続けるYouTubeチャンネルは登録者120万人をゆうに超えるなど、着実に歩みを進めている。昨年末もYouTube企画で、登録者数100万人を超えるまでの計3時間半、即興コントを生配信するなどコントを主軸に新たな挑戦を繰り広げている。そんな彼らが、“コントシネマ”という新たなジャンルに挑戦。思えば、『M-1グランプリ』では4回ファイナリストとなるも優勝を逃し、『めちゃ2イケてる』では「埋もれた、向いてなかった」(後藤淳平)と苦節の過去を経てきたジャルジャルだが、KOC優勝から1年の今の心境と、新たなコンテンツへと挑み続けるモチベーションについて聞いた。

キングオブコント優勝から1年、芸歴実感も「審査員はなりたくない」

 ジャルジャルについて過去を、松本人志はこう語っている。「我々、プロのお笑いの人でジャルジャルを否定する人いないよね。玄人受けが半端なくて、逆に玄人受けが良すぎて、一般の人から『よく分からない』と言われているところもあるかもしれないよね」(『ワイドナショー』2020年10月)。『キングオブコント(以下/KOC)』優勝を経てのコメントだ。

 KOCに挑み続けて13度目。ようやく優勝を手にした彼らは、その年の11月のインタビューで「チャンピオンの賞味期限が1年」との言葉も残した。その1年後の今、改めて2020チャンピオンとしての実感を聞いてみた。

 「それほど大きな変化は僕らにはなかったと思うんですよ」(後藤)。「僕が言ったその言葉も、1年経ったら味や価値が落ちるといったニュアンスじゃなく、物理的に1年間だけ王者って言われるといったニュアンスで」(福徳秀介)。「ただ“優勝したんだ”っていう心持ちはどこかで支えになっています」(後藤)

 以前は尖っている印象があり、福徳も「昔の写真見たら目つき悪いし、若いから突っ張ってましたね」と自嘲するが、昨今は「別に世間や周りのペースに合わせるんじゃなくて、自分らができる範囲のことを自分らのペースでやっていくという感じになってきている」(後藤)と、落ち着いてきていることを明かす。

 チャンピオンとして観た今年のKOCについても「ほんま一視聴者として楽しみました」(福徳)と笑顔。ただ「審査員が同世代とかになってきてるんで、自分たちもそういう芸歴なんやなっていうのは実感した」(後藤)そうだ。賞レースではお笑いに点数が付けられる。審査員のセンスや好みの問題で得点が変わってしまうことに、「それはどうなの」という声も挙がるが、2人は「むしろ、点数をつけられると頑張れる。センスや好みが皆さんバラバラやからこそ、いい緊張感も生まれる」と肯定的。その一方で、自分たちが審査員になることについては「向いてないので、やりたくないですね(笑)」と消極的だ。

YouTubeに「コントシネマ」…パイオニアとして新ジャンルに挑戦 「周りがジャルジャル使って大喜利」

 そんなジャルジャルの代名詞ともなっているのがYouTube「JARUJARU TOWER」だ。開設は2014年。現在まで続く「○○な奴」シリーズは、2018年から本格的にスタートし、昨年末は、登録者100万人なるまでコントをやり続ける企画や、総再生回数“7億回超え”で話題にも。

 こうした数々の挑戦において「JARUJARU TOWER」は成功を積み重ね、劇場やTVを飛び越えたYouTubeというプラットフォームで、お笑い芸人の中でもパイオニア的存在として君臨している。

 さらに新ジャンルも創生した。「コントシネマ」だ。「コントシネマ」とはコントの笑いが生むエンタメ性と「長編映画」の物語性をかけあわせた新しいジャンル。2人で11役と、ほぼすべての登場人物を後藤と福徳が演じており、それぞれのコントが複雑に絡み合う。即興アドリブを生かすため長回しでコントの緊張感をフィルムに込め、それらが巧みに一つになる展開は新感覚を生む。複数のコントが集約していくドラマ性には驚かされるし、「そのキャラ、ここでつながるの!?」「ここでそのキャラが出てくるの!?」ともちろん笑いも満載だ。

 さらに本作は舞台『JARUJARU TOWER 2021─ジャルってんじゃねえよ─』(2021年春公演)とのクロスメディア企画。コントシネマ『サンチョー』も全国15都市で大ヒット上映中だが、「僕らのアイデアではなく、周りのスタッフさんたちが、こいつらに何をやらせたら面白そうか、ジャルジャルを使って大喜利をしているような状況なんですよ」と笑い、「お笑い(をするの)は僕らにとってのストレス解消なんです」と嬉しそうに語る。

彼らがパイオニアでいられるのは松本人志の言葉を借りれば“お笑いの玄人”に愛され、面白がられているからだ。2人の力だけではない。思えば、天才物理学者アインシュタインも1人ではなかった。講義を頻繁にサボっていた彼にノートを見せ試験に受かるよう務めたのも仲間、特許事務所の就職を支援したのも、相対性理論に必要な数学計算を手助けしたのも仲間。かくしてアインシュタインは新たな道を歩めた。パイオニアでいられるには、理解ある仲間の協力は不可欠なのかもしれない。

夢は「コントシネマ」を新たな映画ジャンルに、井筒監督が激怒した過去も

 ジャルジャル×映画と言えば、井筒和幸監督の『ヒーローショー』(2010年)での主演に始まる。また昨年の、後藤が出演、福徳が初脚本を務めた映画『半径1メートルの君〜上を向いて歩こう〜』などこれまで映画製作にも携わってきた経験を持っている。

 「それらの経験で、映画は撮影や段取りが大変だということが分かっているので免疫がついて『サンチョー』でもストレスなく、すんなり演じられました」と後藤。コントでは客席からの笑いが勢いにつながることも多いが「笑い声だけがモチベーションに繋がるわけではないんで、静かな現場の映画のカメラの前でもやる気満々を保つのは可能」と福徳。「以前、井筒監督の映画の時、記者さんから『コントと映画の違いは何か』と訊かれ、『一緒です。コントやる感覚で演じます』と答えたら、井筒監督にえらく怒られました(笑)。今回は完全にコント気分です」(福徳)と思い出話も語ってくれた。

 ところでタイトル『サンチョー』とはどういう意味なのだろう? 「大元になったのはコロナの時期に(クロスメディアとなる)舞台に来てくれて“ありがとう”のサンキューから」(福徳)、「ほか登山部のキャラが出てきて山頂(サンチョウ)へ行くので、それらも掛けた言葉遊び」(後藤)

 夢はこの「コントシネマ」というジャンルが世界のいろんな言語に翻訳され、新たな映画のフォーマットになることだという。「もしハリウッドでリメイクされるなら…僕の役はジョニー・デップにやってもらいたいですね。すごく面白みを感じる」(福徳)、「じゃあ僕の役はレオナルド・デカプリオ。2大スターで行きましょう!」(後藤)と冗談も交える。彼らが映画界でもパイオニアとなるか。劇場であなたが“審査員”として見極めるのも一興といえそうだ。

(文/衣輪晋一)

『サンチョ―』

<STORY>
高校一年生の安田(福徳)は、ある日登山部の顧問(後藤)に呼び出される。三年の先輩たちが引退し、たった一人の部活動となってしまった登山部を廃部にするため、退部届を出 してくれという相談だった。顧問との山登りが学校生活で唯一の楽しみだった安田は失意 の底に。その様子を、入学してから一人も友達ができずにいた生徒(後藤) が見ていた───。2人で11役を演じるジャルジャルが、新たな映像ジャンル“コントシネマ”に挑む。

ジャルジャルコントシネマ 『サンチョー』 特設サイト(外部サイト)

ジャルジャル 公式 Twitter(外部サイト)

キャスト:後藤淳平(ジャルジャル)、福徳秀介(ジャルジャル)
作:ジャルジャル 後藤淳平 福徳秀介
監督:倉本美津留
構成:藤井直樹 川上潤也 企画構成 本多 アシタ
音楽:窪田渡
ポスター写真:大金康平
プロデューサー:真砂陣
制作協力:株式会社 ニンポップ 株式会社 レゾナージュ
制作・配給:吉本興業
??2021 「THANC YOU ─ JARUJARU TOWER 2021 ─」 吉本興業

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