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野田クリスタル“バイトしたくない精神”が飛躍に アングラ芸の評価には「“地下臭”すごいだけで昔からメジャー志向」

この日は曇りだった 撮影:田中達晃(パッシュ)

この日は曇りだった 撮影:田中達晃(パッシュ)

 マヂカルラブリー・野田クリスタルの作ったゲーム『スーパー野田ゲーPARTY』が4月29日発売後、わずか2日で「Nintendo Switch 2021年4月の月間ダウンロードランキング」5位にランクイン、1週間で5万ダウンロードを突破した。SNSでは「野田ゲー、ユーザーと作り上げている感があっていい」「“おたけさいこっちょーゲーム”、この理不尽こそが野田ゲーの真髄」など話題に。本懐である芸人としてもピンで『R−1ぐらんぷり2020』で優勝、コンビで『M−1グランプリ』優勝。だが彼の成功、豊富なバイタリティの裏には思いもよらぬ強い信念が隠されていた。

お笑いとゲームの共通点「お笑いの企画を考えることはゲームにもつながる」

――『スーパー野田ゲーPARTY』のヒット、おめでとうございます。この反響についてどう感じてらっしゃいますか?

野田クリスタルありがとうございます。こんな体験は初めてです。マヂカルラブリーを、野田クリスタルをよく知らない人が、僕が作ったっていうのとは関係なく遊んでくれてると言うのは。先輩のお子さんがやっているという話もめっちゃ聞くんですよ。千鳥のノブさんとかフットボールアワーの後藤さんとか「うちの子がハマってる」って。先輩も一緒にプレイしているらしく「子どもがめちゃめちゃ笑ってやっている」とおっしゃっていただきうれしく思います。

――You Tubeでもプレイ動画が多数上がってますね。

野田クリスタルゲーム実況者さんにフリーで配信していいですよ、ってしてるんです。これは勝手にやってもらえれば勝手に広まるってシステム。そもそも『野田ゲー』はネタバレがあっても別に構わない。逆に言うとマヂカルラブリー知らないから自分は楽しめないんじゃないかとか、内容を知らない故に敬遠されることが多いと思うので、ゲーム実況してもらうことによって、ちゃんと遊べるゲームなんだってわかってもらえた感じがしますね。
――格闘ゲームの背景の応援している人を操作する『〜GALS FIGHTER〜 応援』など、その発想には驚くばかりです。

野田クリスタル元々ゲームはずっとやってきて、特に『リネージュ』というゲームは廃人レベルまでやっていたんですけど、格闘ゲームもいろいろやってきました。で、格ゲーをやっていると背景が気になってきたりするんです。「この応援してる人、誰だろう」「こいつらにもきっと何かストーリーがあるんだろうな」って。

――そういったゲームの案はいつ思いつくんですか? 

野田クリスタル練るんですよね、結局。芸人でもネタを考える時は「降ってこない」っていうのが鉄則。何もしないで浮かんでくるわけがない。練って練って練りまくる、考えまくる、探しまくってようやくネタが浮かぶんです。

――なるほど。以前のインタビューで「お笑いの起承転結とゲームは一緒」とおっしゃっていましたが、これはどういうことでしょう。

野田クリスタル“お笑い”というより“企画”かな。例えば『ガキの使いやあらへんで』(日本テレビ系)もそう。楽屋で流行ってるゲームを紹介したりもするじゃないですか。芸人が企画としてゲームを考えるというのはよくあるパターンじゃないかな。企画を考えることがゲームにつながっていることは多い気がします。

実はメジャーでありたい 『M-1』には自身の笑いを持ち込まず“競技”として参加

――野田さんってどこかアングラなイメージがありました。ですがここ昨今は賞レースで優勝し、ゲームもヒットし、メジャーに。ご自身のアングラ的尖った感性が、メジャーになることで丸くさせられてしまう危惧はありますか?

野田クリスタルないですね。尖っていることはあまり大切にしてないんです。僕の場合、単に田舎者が東京に来たという感じで。都会人ぶりたい、でも根っこが田舎者なので田舎者の部分が出ちゃう、そういう感じで、僕自身はメジャーでありたいって姿勢なんですよ。

――メジャーでありたかったんですか!

野田クリスタルそうです。だから単にアングラな感じが出ちゃうだけなんです。「地下臭がすごい」ってよく言われます。まあ地下時代はもう「ウケないネタのほうがいい」っていう謎の理論があったんですけど。

――え? でもウケないと仕事も来ないですよね。

野田クリスタルだから僕も『M-1』なんかではすべらないようにやろうとするんですよ。“競技”として。そうしないと広まらないし。自主ライブでも(僕らが過ごした埼玉県)大宮の舞台でもお笑いできるところはいろいろあるので、そういった場所で好きな笑いを消化していった感じです。

――メジャーでありたいということと「ウケないほうがいい」は矛盾していますが、そのあたりの葛藤は?

野田クリスタルでも売れれば売れるほど仕事が増えるわけで、その分、経験則としての力はつくと思うんです。月に2回ではお笑い力も鈍っていく。だから地下時代から、上に上がった方が好きなことをやれるんだろうなと思ってましたね。お金ないと何もできないですから。バイトも嫌いだったんで。
――地下時代、バイトしなかったんですか?

野田クリスタルしてましたけど、本当はしたくなかったですね。

――それは何かこだわりが?

野田クリスタルこだわりとかじゃなく、単にバイトが嫌いだったんです。

――「俺はお笑いだけでやっていくぞ」ってわけじゃなく?

野田クリスタルお笑い関係なくバイトが嫌い。死んでもしたくないですね。

――そこまで…?

野田クリスタルバイトが嫌いだからです!

――(笑)。バイトが嫌いでそれをきっかけにメジャーを目指すという芸人さんは初めてです。じゃあもしかしたら野田さんの成功の秘密はバイトが嫌いだったからという…。

野田クリスタル嫌いすぎたからかもしれない。あと僕も相方の村上もどこか卑屈。スポットライトを浴び慣れてないというか。2人ともクラスの中心人物的な人のことを教室の隅っこでこっそり茶々入れているみたいなタイプなので。だから優勝したときもこっ恥ずかしさがあったんです。そういった隅っこ精神やバイト嫌いが背景にあるかも。「隅っこ・バイト」です。

――「隅っこ・バイト」(笑)。

野田クリスタルただ小学校の卒業文集にはスポットライト浴びる職業につきたいって書いてあるんですよ。こうも変わるのかって思いました。

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