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ロバート秋山、トリオ解散は考えたことない「僕がぶっ飛んだことやれるのはあの2人がいるから」

 お笑いトリオ・ロバートの秋山竜次が様々なクリエイターに扮する『クリエイターズ・ファイルGOLD』が、Netflixにて6月3日より全世界独占配信される。オリジナルと変わらず全話台本なし、秋山のアドリブだらけの展開に、永野芽郁や横浜流星、オダギリジョーら豪華ゲストがどんな返しを見せるのかも注目だ。1998年のトリオ結成以来、常に抜きんでた才能を見せ、唯一無二のキャラクターや新たなエンターテインメントを生み出し続けてきた彼に、本シリーズやお笑いへのこだわり、更にロバートへの思いなどを聞いた。

クリエイターズ・ファイルとロバートのコント作りの根本的な違い

――新作『クリエイターズ・ファイル GOLD』はNetflixにて全世界独占配信されるということですが、どんなところにこだわって制作されましたか?

秋山竜次 昔からの『クリエイターズ・ファイル』のファンも沢山いるので、その皆さんを裏切らないような“根本的なお笑いの部分をあまり変えないこと”を徹底して作りました。例えば、今回豪華なゲストの方々に出演して頂いてますが、ただただ“こんな凄い人を呼びました!”という見せ方は嫌だったので、ゲストの方もちゃんと面白くなるように、というのは考えましたね。

――ロバートでのコントとはまた違った感覚なのでしょうか?

秋山竜次 ロバートでコントをやる時は、髭を描いたりしてちょっと面白い容姿を意識したり、衣装やカツラも面白く見えるアイテムを選んで着用しますが、『クリエイターズ・ファイル』に関しては、“おふざけ”したい気持ちをグッと堪えて、あくまでもリアル重視でやるようにしているんです。ただ、結果的に面白い扮装になっちゃうんですけど(笑)。最初から笑わそうとしてやるのではなく、“こういう人いそうすぎて面白い”みたいな狙いを持って作っているので、誰かが勘違いしてマジな取材だと思ってくれたらめちゃくちゃ嬉しいし、実際に何回かそういうことはありましたね。
――それこそ初めてこのシリーズを観る外国の方は勘違いしそうですね。

秋山竜次 外国の方は基本的に秋山竜次を知らないでしょうから、普通にドキュメンタリーだと思って観る可能性はありますよね。きっと“こいつはヤバい奴なんじゃないか”って思われますよね(笑)。

――これまで70人以上のクリエイターを演じられていますが、新たな職業やキャラクターはどのように生み出しているのでしょうか?

秋山竜次 例えば、カリスマ・ウェディング・プランナーの揚江美子だったら、“ソバージュがかった髪型でインカムをつけて斜めからの写真を撮りたい”という気持ちだけで作りましたし、小野幸次郎だったら“インディアン・ジュエリー・デザイナーってどんな職業だろう?”と想像を膨らませて作っていきました。あとは絶対になれないものから作るパターンもあります。“透明すぎて目視できない17歳の清純派女優”って普通に考えたら無理じゃないですか。だけど強引にやっちゃえと(笑)。そんな風に突然の思いつきや、溜め込んだアイデアの中から選んだり、色々ですね。

「オダギリさん、よくOKしてくれたなって(笑)」エキストラのアドリブ対応力にも驚き

――今回の撮影で印象に残ったことがあれば教えて頂けますか?

秋山竜次 今回“伝説のホテルマン「折尾豊」”という新キャラをやったのですが、撮影当日の朝に初めてスーツとカツラを身につけて、撮影しながらキャラを作っていったんです。豪華なホテルだけどいつもと変わらないテンションと、台本なしの状態で撮り始めて、突然僕が走り出したりするからカメラマンさんはめちゃくちゃ大変ですよね。「絶対何かやるから押さえてください」としか伝えてないので(笑)。でも、台本がないからこそリアルな画になるし、結果的に面白いものになると思うんです。だって本当の密着番組って、“次はこう動きますよ”なんて言わないじゃないですか。そういうことですよね。

――台本がないというのはゲストの方も戸惑われたのでは?

秋山竜次 第7話で、亡くなった童謡詩人「石丸ツワノ」の展示会アンバサダーをオダギリジョーさんが務めるという話をやったのですが、これは本当に凄かったです。台詞も決まってないですし、ツワノの詩もあそこで初めてオダギリさんは見ているのですが、いつも通りのテンションで真面目にやってくださって。事務所の方は一体どんな説明をしてオダギリさんにOK頂いたんだろうと不思議でしたね(笑)。第7話が一番ぶっとんでると思います。
――俳優さんはアドリブ芝居で上手く対応できても、エキストラさんに関してはさすがに演技指導が必要ですよね?

秋山竜次 それが、このシリーズは毎回皆さん上手いんですよ。6年間やってきましたけど、毎回“エキストラさんの質が高すぎる!”とビックリします。設定だけ説明したあとは特に指導はしていなくて、“なんでこんなに自然にできるんだ?”と、驚くほど皆さん上手ですね。チーム感がめちゃくちゃすごいです。

――インサート写真は、映画『浅田家!』のモデルとなった浅田政志さんほか、人気写真家の方々が撮影されているんですよね。

秋山竜次 本来こんなふざけた写真撮るような方じゃないですからね(笑)。今回も清純派女優・藤原采ちゃんは浅田さんが撮ってくれたのですが、写真って本当に大事だなと改めて感じました。気を抜くとすぐに42歳のおっさんに見えてしまうので、2分半に1回は浅田さんの撮った写真を挟み込むようにしたんです(笑)。他にも錚々たる写真家さんが参加してくれて、みなさん面白おかしくやってくれるのでありがたいですね。
――6年に渡り動画を配信し続けることに対して、マンネリを感じたりすることはなかったですか?

秋山竜次 月1の配信なので、そんなに背負い込まずに楽しみながらやれています。キャラクターの幅もどんどん広がっていて、世界一クリエイティブな大型犬「ロルフ」をやった時は、“犬いけんだ、俺(笑)”と。6年前だったら「犬ダメっしょ!」って言ってるはずだけど、最近はもう仏像も妖怪もやっちゃってるし、どこがクリエイティブだって話ですよね(笑)。次は「世界一クリエイティブな微生物」っていうのを考えてます。

常に新しい笑い生み出す原動力とは 「“ウケたい”は、学生時代からずっと達成されない」

――『はねトビ』時代から常に新しいキャラクターを生み出し続けてらっしゃいますが、そのモチベーションとなっているものは何ですか?

秋山竜次 とにかく“ウケたい”という気持ちが全てじゃないですかね。それはやっぱり何回やっても達成されないですよね。ある程度、もう充分ってなることあるのかなぁ…。想像できないですけど、そこがなくなったら、こんなことやらなくなるでしょうね。学生時代からずっと、文化祭とか運動会でも、何かやることで“恥ずかしい”を通り越して、“ウケた”っていうのがたまらなかったので。

――年々秋山さんの才能や個人の活動の幅を広げられている印象ですが、1998年の結成以来、トリオとしての活動に対してバランスや方向性に迷ったり、解散を考えたりすることはありましたか?

秋山竜次 解散はないですね。喧嘩をしたことはもちろん何度もありますよ。シンプルに、トリオのうち2人が料理人とボクサーなので。負担が全部僕にかかってくるので、上納金ぐらい入れてくれって(笑)。ロバートをフランチャイズに例えると、山本も馬場も個々でオモシロ発言をしてくれないと困りますし、本部である僕にお金払わないと直営店でロバート名乗らせないぞ、と。でも最近は、そういうのを全部受け入れられるようになりました。
――何がきっかけで受け入れられるようになったのでしょうか?

秋山竜次 あの2人に「お前らもネタ作れよ」とか「もうちょっとお笑いをやれよ」と言ってもしょうがないし、コントで僕がぶっ飛んだことをやれるのは、やっぱりあの2人がいるからだと思うんです。山本は、カタログで“人間”って調べたらあいつの顔が出てきそうなほど標準タイプの人間で、馬場に関しては幼稚園からの幼なじみなので、相方というよりはただの友達ですね。劇場でネタをやっているときに、馬場は僕を見てお客さんと同じように普通に笑ってるんですよ。次の一手考えとけよって思うんですけど、“こいつはもう次元が違うな”と。今ではこの2人と組んでることをラッキーだと思っているんです。3人とも僕みたいなキャラだったら、トリオとして成立しませんからね。

――お2人が一番、秋山さんのお笑いを愛しているんでしょうね。最後に、今後はどのようなコンテンツを発信していきたいですか?

秋山竜次 最近“ちょっと変な短い歌”を作るのがマイブームなので、そういうのをいっぱい作って発信していきたいです。例えば、地元のラーメン屋さんの味っていつのまにか薄くなってたりしません? 絶対に味が濃くなることはないんです。僕、なんでそういうことが起こるのかを追求したんですよ。だから、“もともと濃かったのに薄くなった”っていう歌を作りたいですね。
(取材・文=奥村百恵)

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