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うさぎが観光客に翻弄されている? 野生で500羽以上生息する「うさぎの島」に写真家が警鐘
自然の中で生きるうさぎに魅せられ20年 大久野島の環境に疑問「私たちに何か出来ないか」
もともと2人とも動物が好きで、うさぎさんも好きだったのですが、2000年に一緒に大久野島へ行ったことがきっかけで、魅力にとりつかれました。
――どれくらいの頻度でうさぎ達を撮影されているのでしょうか。
以前(2009年まで)は、広島の三原市に住んでいましたので毎週のように通っていることもありました。熊本に引っ越してからは、月に4〜6日間ほど滞在して大久野島のうさぎさんたちを撮影し、うさぎさんの変化なども観察するようにしています。各地のおうちで暮らすうさぎさんたちは、コロナ禍前までは、夏以外の時期は毎月「撮影会」を各地で開催し撮影しておりました。
――かなりの頻度だと思いますが、これまでで何枚くらい撮影されたのでしょうか。
あまりに多すぎて正確には数えられていませんが、数十万枚は撮影しております。
うさぎさんたちがどんな時にどんな行動をするかということを観察し、撮影したいと思う場面を思い描くことだと思います。そうすることで、うさぎさんが「次に何をするか」を先読みすることが出来るんです。先読みをして、撮りたい写真に近づけていけたら楽しく撮影出来ると思います。そして、何より大切なのは「うさぎさんを愛すること」ですね。
――20 年以上愛してやまないうさぎの魅力とは何でしょうか。
うさぎさんの魅力は何といっても「可愛いこと」だと思います。ですが、私たちが20年以上大久野島のうさぎさんたちを撮影し続けることになった理由は「自然の中で生き生きと過ごしている姿」に心を奪われたからです。大久野島のうさぎさんたちは、生きるだけで危険を伴い、過酷な環境で過ごすことも多々あります。どんな状況になろうとも、うさぎさんたちは文句を言う訳でも、恨む訳でもなく、逞しく精一杯生き生きと暮らしています。それが何よりも魅力的に感じています。私たちがSNSで発信をはじめたきっかけも、そんな健気な大久野島のうさぎさんが置かれている立場に疑問を持ち、おこがましくも「私たちに何か出来ないか」と思ったからです。