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自作自演も?「猫にエサをあげてみた」動画に批判、動物虐待を“通報”しても救えない葛藤

  • 薬品をかけられるという虐待に遭ったボロボロの猫(写真:ねこけんブログより)

    薬品をかけられるという虐待に遭ったボロボロの猫(写真:ねこけんブログより)

 9月20日〜26日は「動物愛護週間」。だんだんと動物愛護の意識が高まり、保護猫・保護犬を迎える人も多い日本だが、まだまだ動物虐待のニュースを目にする機会も多い。最近では、YouTubeの動画でも虐待を疑われるケースが相次いでいるという。その実態や背景について、NPO法人『ねこけん』代表理事・溝上奈緒子氏に聞いた。

真偽つかみにくい虐待動画、調査依頼をするには莫大な費用

 先日、沖縄在住と見られるYouTuber2名による猫の動画に批判が殺到した。その動画は猫の所有者が撮ったもので、一時的に猫を別の男性に預けていたようだという。動画で、ゴミの中から引きずり出された猫は、毛が剥がれ、血を流している。あまりの痛々しさに、それを見た多くの視聴者が警察に通報したそうだ。

 このような、動画にまつわる動物虐待はあとを絶たず、『ねこけん』にも「このYouTubeチャンネルで、猫を虐待しているのではないか?」という通報が数多く寄せられているという。

 「よく、“痩せた猫にエサをあげてみた”というような動画が配信されています。でも、毎日のようにガリガリの子猫に会うことは難しいはずですし、その猫ちゃんがすでに人慣れしている様子なのはおかしい。どう見ても、YouTuber自身が猫をガリガリのやせ細った状態にしてから、外に連れ出してエサをあげているように見えるのです。あくまで推測ですが、このような自作自演であれば、明らかに虐待といえる行為です」

 もちろん、すべてが自作自演とは限らず、本当に猫を救ったケースもあるだろう。だが、問題のある動画が近年増えていることは事実。とはいえ、こうした虐待をするYouTuberを特定することは、想像以上に難しいという。

 「YouTuberの所在地を調べるためには、弁護士に依頼する必要があります。弁護士を雇い、相談料、情報開示、成功報酬を合わせると、かかる費用はどんなに安く見積もっても60万円以上。しかも1件調べても、いたちごっこになってしまう可能性が高く、かつ虐待かどうか真偽もつかみにくい。私たちもなかなか前に進めないというのが現状です。本当は、そのような虐待の可能性のある動画はYouTube側に判断していただき、動画を上げさせないようにして欲しい。ただ先ほども言ったように虐待かどうか真偽を判断がしにくく、とても難しい問題なんです」
(※YouTubeは今年、「暴力的で生々しいコンテンツに関するポリシー」に、「準備された危ない状況にわざと動物を置いて救助するコンテンツ」を追加。これを許可せず、ポリシー違反であることを明記している)

ネット情報、コロナ禍…、危険にさらされる猫たち

  • 家庭でモラハラ、DVに遭った猫(写真:ねこけんブログより)

    家庭でモラハラ、DVに遭った猫(写真:ねこけんブログより)

 また、動画に限らず、ネット時代ならではの虐待問題も発生している。巨大掲示板『5ちゃんねる』(旧2ちゃんねる)では、ある液体をエサに混ぜて飲ませる猫の駆除法が考案され、この恐ろしい“レシピ”がネットで広く出回ってしまった。

 「それを食べた猫ちゃんは腎不全を起こし、すぐに死んでしまいます。作り方がネットで拡散されてしまったため、相当数の猫が死んだと思われます」

 一方、ここまで悪質ではなくとも、コロナ禍ならではの新たな虐待問題も顕在化している。

 「外出自粛やテレワークでストレスが溜まり、動物の虐待へと繋がるケースが増えているんです。在宅勤務となった旦那さんがイライラして猫に当たり、猫を心配した奥さんから相談されることが多くて…。その場合、必ずといっていいほど奥さん自身もDV被害を受けていますが、みなさん『自分は大丈夫だけど、猫ちゃんだけは助けてあげたい』とおっしゃいますね。そういう事情で飼い猫を引き取るケースが、最近は結構あります」

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