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「余命2週間」宣告された腎臓病の猫、「膝の上が大好きだった」あの子の“場所”は今も空いたまま

開発段階の治療薬、猫を腎臓病から救うために必要なこと

  • 穏やかに旅立ったあげお(写真:ねこけんブログより)

    穏やかに旅立ったあげお(写真:ねこけんブログより)

 前述の治療薬開発に大きな支援がなされたことからもわかるとおり、腎臓病は猫の死亡原因でもっとも多い病気である。本来は体から老廃物を排出する腎臓だが、機能が低下すると、尿に排出されるべき毒素が血液中に残ってしまう。とくに猫は、人や犬ではその役割を果たす「AIM」という血液中の遺伝子が機能しておらず、それが腎臓病に繋がっているという。東大チームは、この「AIM」を生かした治療薬を開発している。

 治療薬が開発段階の現状では、猫が腎臓病にかかってしまえば、サプリメントや薬、点滴などの治療を施しても延命できるだけで、最終的に治る見込みはない。では、腎臓病を予防するためにはどうしたらいいのだろうか?

 「やはり、いいフードを食べさせてあげることが一つの予防法です。あとは、少なくとも年に1回は健康診断を受けさせること。腎臓病の進行を遅らせる薬はあるので、少しでも腎臓が悪くなっていたら薬を飲ませます。とにかく、手遅れになる前に早期発見することが非常に重要です」。

 10月8日、余命2週間と言われたあげおは、息を引き取った。宣告を受けてから約3週間、がんばった。我慢強く、おっとりしていて、膝の上に乗ることが大好きだったあげお。一緒に腎不全と闘った『ねこけん』メンバーに見送られ、眠るように虹の橋へと旅立っていったという。

 あげおのために空けていた膝の上は、今も空いたまま。治療薬の早期完成を望むばかりである。

(文:今 泉)

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