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「世界が尊敬する日本人100」にも選出 ロボットヒーローの“作り手”に憧れ、30年作り続けた紙製ロボットへの情熱

ロボットは“立体の落書き” 他者からの批評や批判への恐れも…「こんな恥ずかしいもの発表できない」

――大人になっても作り続けていた「カミロボ」ですが、世に公開しようとは思っていなかったそうですね。

はい。「カミロボ」は自分のためだけに作る「立体の落書き」のようなものだったので、人に見せるものではないと思っていました。他者からの批評や批判にさらされない自分だけの世界を持つことで、心のバランスを保っていたのだろうな、と思います。ただ、全く人に見せなかったわけでもなく、感覚を理解してくれそうな人には見せる、というスタンスでした。

――そこから世間に発表することになったのはなぜでしょうか。

仕事で出会ったクリエイティブディレクターの青木克憲さんに発表を勧めていただいたのがきっかけになりました。当時はまだまだ多様な価値観を許容されにくい時代だったので「一人遊びを発表する」という事に関しては大きな決心が必要でした。

なので、最初は「こんな恥ずかしいもの発表できない」という気持ちでしたが、徐々に「うすうす感づいてはいたけれどやっぱりそうだったのか…」という諦観のような感情と、「じゃぁ思い切ってそこに飛び込んでみようか!」と思う好奇心が湧き上がってくるような、そんな感じでした。自分が作ったものを“作品”として発表できるならば、本当はもっとスタイリッシュでお洒落な作品が良かったけれど、自分の場合はこの一人遊びの紙のロボットだったんだな…よし、分かった、という感じでした。
――最近は紙だけでなく、SNSで話題になったアヒルの作品など、今までにないような作品を創作されています。

それは新型コロナの影響が大きかったですね。最初に感染が拡大して世の中の空気が重くなった時に、シンプルに「人に楽しんでもらえるものを作りたい」と思うようになり、アヒルの作品が誕生しました。もともと小学生の時から、自分だけのためにカミロボを作る一方で、クラスの友達を主人公にしたギャグマンガを描いてみんなを笑わせるような面もあったので、コロナ禍ではそちら側の自分が自然に発動したような感じでした。

――カミロボなどのロボットだけでなく、プロレスマスクも制作しているそうですが、安居さんの創作物には何か共通点のようなものはあるのでしょうか。

プロレスマスクとカミロボには共通点を感じています。プロレスマスクは袋状に縫い合わせた立体的な顔の上に、平面の「切り絵」状態の革を縫い付ける事で成立しています。
カミロボは円柱や角柱で表現した最低限の立体的要素の表面に「絵」を描く事で成立しています。プロレスマスクとカミロボは、使う素材や作業の工程は違っていても、「平面表現が混在している立体」という意味では同じジャンルの造形物だと思っています。

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