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元AKB48で実業家の内田眞由美、アイドルの“第二の人生”「チヤホヤされるのは一瞬。早いうちに“次の一手”を」
20歳で開店資金5000万円を借金、コロナ禍で飲食業が大変な今だからこそ諦めない
内田眞由美 中学生でAKB48に加入して7年半。『じゃんけん選抜』で優勝してセンターを務めさせていただいたこともありましたが、アイドルとしては結果を残せたほうではありませんでした。だから卒業後も女優やタレントは難しいだろうなと。じゃあ「次に何をやるか?」と考えたときに、両親が焼肉店を経営していたこともあって、真っ先に浮かんだのが「自分のお店を切り盛りする」ということだったんです。
──20歳で開店資金5000万円を借金、かなりの覚悟ですよね。
内田眞由美 見積書に見たことのない数字が並んでいたけれど、「大丈夫、やっていける!」っと思いサインしました。完全に若気の至りでしたね(笑)。経営のことが多少なりともわかっている今だったら、とてもじゃないけれど怖くて無理です。そう考えるとあの年齢で決断できたのはよかったなと思っています。
──芸能事務所などに所属し、平行して他事業を展開する人が多いなか、なぜ事業に専念しようと思ったのでしょうか?
内田眞由美 現役時代にお店を開業して、自分が作ったもので、お客さんが喜んでくれる姿を目の当たりにしてすごく嬉しかったんですね。ステージでキラキラした姿を見せるより、だんだん経営の方が楽しくなっていって。裏方にまわりたいと思うようになりました。
──それから7年半、コロナ禍の現在はオープン以来の苦境なのでは?
内田眞由美 飲食業界はどこもそうですね。行政からの休業要請の協力金で助かっている部分はありますが、家賃とスタッフの給料と仕入金でギリギリです。『焼肉IWA』での私の収入はほとんどないので、新規事業も始めました。それでもやっぱり飲食業は私の一番の夢でした。これまで何度もお店をやめたいと考えたことがありましたが、今はここで諦めたらダメだと思っています。こんな状況だからこそ応援してくれる方がたくさんいて、意地でもお店を諦めません。
人を惹きつける要素を十分に持っているからこそ、次の一手は早いうちに考えた方がいい
内田眞由美 きっかけはオープン当時にAKB48を卒業した野中美郷ちゃんにお手伝いをお願いしたことでした。そこから口コミで「バイトしたい」と集まってくれるようになったんです。さすがにぱるる(島崎遥香)ほどの知名度だとちょっとした騒動になってしまって…3日しか働いてもらえなかったんですが、「一度はバイトをしてみたかったのでうれしかった」と言っていました。
──若くしてデビューしたアイドルのなかには、一般の社会経験がない方も多いと思います。内田さんのもとで「社会経験を積みたい」という方もいるのでしょうか?
内田眞由美 アイドル卒業後の進路はさまざまで、なかにはなるべく顔出しのない職場、それこそ工場などで働く人もいます。ただやっぱり卒業した途端にファンとの交流がなくなり、寂しくなるという人が多いですね。その点、『焼肉IWA』はおかげさまでAKB48ファンのお客さんも多いので、元アイドルが社会に出る一歩として慣れ親しんだファンがいた方が安心して働けると思ったのと、お客さんも楽しめるのではと感じました。
──アイドルシーンの成熟とともに“元アイドル”も量産されてきました。卒業時には、どんな不安があるのでしょうか?
内田眞由美 現役の「卒業のタイミングがわからない」と相談されることはけっこうありますね。やはり“アイドル”という存在が好きな方というのはいて、グループ在籍中は舞台などに来てくれたファンも、アイドルを卒業した途端に離れてしまうんです。女優やタレントになった先輩の苦労を見ているためか、アイドルを卒業すること自体に不安を覚える人は多いですね。
──とは言え、いつかは卒業することになります。内田さんはどのようにアドバイスしていますか?
内田眞由美 アイドルになれただけで、人を惹きつける要素は十分に持っている。しかも大勢の女の子たちのなかで評価競争にさらされてきたので、メンタルも鍛えられたはず。だけどアイドルとして可愛いだけでチヤホヤされるのは、人生のほんの一瞬。芸能でもそれ以外の道でも、次の一手は少しでも早いうちに考えて行動しておいたほうがいいよ、という話をしています。