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芸能生活16年、30歳になった前田敦子 俳優として母として「隠しているものはなにもない」
芸能活動16年で見えた新たな景色、「私が産んで、私が育てていく」覚悟も
前田敦子 今はかなり、仕事に軸が置かれているなと思います。私が子どもに見せてあげられるのは仕事で頑張っている姿だと思うし、仕事の大切さは実感していますね。あと、30代になって「こんなに景色が変わるんだ!」という驚きもありました。役柄もそうですし、16年芸能活動を続けていますが、「この業界、まだまだ見たことのない世界がたくさんあるじゃん!」って(笑)。新たな幅が拡がってく感がすごくあって、ワクワクしています。
――やはり、お子さんができて何か変化が?
前田敦子 もともと、家族のために頑張りたいという感覚はあったんですけど、それをもっと明確に持っていいんだっていう。働いて子どもの環境を良くしてあげたいですし、「私が産んで、私が育てていく」と決めたので、より使命感が強くなりました。
――その30代最初の作品が、痛快ミステリードラマ『死神さん』(Hulu)。冤罪事件の真相を「死神」と疎まれるクセモノ刑事・儀藤堅忍(田中圭)があぶり出していく物語ですが、どんな感想を持たれましたか?
前田敦子 とても面白い原作なんですが、私の役は原作にはいないと聞いて。堤(幸彦)さんが生んでくれた子を演じられるのがすごくうれしかったです。
――堤監督とはこれが4回目のタッグ。なにか、その間の変化について話をすることは?
前田敦子 堤監督とは、20歳のときに「フライングゲット」のMVで初めてご一緒しました。それから10年、4作品を一緒にやらせていただいていますが、変わらずに、(作品と)ぜんぜん関係のない話をしたりできる空気感が好きですね。
「隠しているものはなにもない」、事務所を離れた後の変化
前田敦子 事務所から離れたのが大きいかもしれないですね。フリーになったので、大切なのは自分との向き合い方だけ。本来、私は隠しているものはなにもないんです。無意識に事務所の方に気を遣って、「これ大丈夫ですか?」「あれ大丈夫ですか?」とお伺いを立ててきたので、その分、開放的にはなっているかもしれません。当然、そのぶん責任が生まれるので、それはとても強く意識しています。
――独立に不安はなかったんでしょうか?
前田敦子 当初はありましたが、今は全然ないです。変わらず現場に来られて、こうやってお仕事ができて。そんな今があるからこそ、より仕事に対して気持ちをしっかり持てるようになりました。世の中に当たり前なんてない。今まで通り、そのありがたさもより強く感じられるようになりました。
――なるほど。秋にはフォトエッセイも出版されますし、そういった前田さんの姿が今後も見られそうですね。
前田敦子 先ほどのバラエティの件にしても、自分の中では新しいことを言っているつもりは全然なくて(笑)。私は結構シンプルな人間なので、「エッセイでここまで書いても、別に読みたいと思われないんじゃないですか?」とか思ったりもするんですよ。当たり前のことを書いている気がして。
――そうなんですね。
前田敦子 それに、私の仕事はずっと同じ場所でやることではないので、「私の今はこうです」と書くのがすごく難しいと思っていて。例えば舞台をやっているときと、やっていないときでは全然リズムが違う。当然、生活にも大きな変化が出てきます。そういうところが、面白い仕事でもあると思うんですけどね。
――そんな前田さんが人生でもっとも大切にしていることは?
前田敦子 何をするにせよ、人と人との縁は一番大事だと思います。いい仕事をするにも、人とのつながりをしっかりと作ることが一番早いですし、そこで生まれた信頼関係が、仕事でもプライベートでも生かされていくんだと感じています。