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柏木由紀「センター諦めません」 変化するファンへの“神対応”ならぬ“友対応”の真意
卒業を考えたことは一度もない「一生アイドルでいたい」30歳を前に強まる思い
柏木他人が書いたとは思えないほど今の自分の気持ちが嘘偽りなく描かれていて、素直にすべてを出し切ることができました。歌詞の制作にあたって渡辺さんからものすごい長文のアンケートがあったんですが、私も負けずに長文でお返しする中で、『これまでとこれからの自分』を改めて見つめる機会にもなりましたね。プロデュースは渡辺さんでしたが、すべてがWACK色なわけではなくAKB48の良さも残りつつ、新しいものが生まれたなと思います。秋元さんと渡辺さんと食事にも行って色々お話したのですが、生きた心地しなかったですね(笑)。
──「変わらない わたしの夢・未来 まだ途中なんです」と歌っていますが、柏木さんが追い続けている夢とはどんなものですか?
柏木小さい頃にアイドルに元気をもらって、今度は自分が元気を与える側になりたいという夢を抱いてAKB48に加入したのが15年前のことですけど、あの頃から私は何も変わっていなくて。やっぱりステージで歌って踊ることが私には1番の幸せなんです。いろんなお仕事をする中でも、芯の部分では一生アイドルにこだわり続けていたい。30歳を前にした今は、改めてその思いが強くなってます。
──AKB48で数多くの卒業に立ち会ってきましたが、ご自身の卒業を考えたことはありますか?
柏木それが正直なところ、一度もないんです。私の中で1番心に残ってるのが、前田敦子さんの卒業(2012年)なんですね。東京ドームにいたすべてのメンバー、すべてのファンの寂しさと未来を応援する気持ちに包まれて去っていく後ろ姿を見ながら、『いつか自分が卒業するときには、こんなふうに送り出してもらえるんだろうか』と思ったことを今でも覚えていて。そう考えると、まだまだだなと思うんですよね。
柏木そういう意味では年代の近いさっしー(指原莉乃)の卒業(2019年)は、いよいよ自分がしっかりしなくちゃと思ったタイミングでしたね。それまでさっしーが率先して後輩を指導してくれていたので、私はずっとその後ろに隠れていたんですけど。
──メンバーの顔ぶれも大きく変わりつつあるAKB48の現在をどう見ていますか?
柏木グループの雰囲気はすごくいいんですよ。ただ、なんとかもう一度"国民"のみなさまにお届けしたいんですよね。みんな本当に真面目で一生懸命で、見ていただけたら好きになってもらえる自信はあるんですけど、AKB48という名前が浸透している分、なかなかみなさん腰を上げて『見てみよう』という気持ちになっていただけないのかな? とか……。そんなもどかしさはあります。
──YouTubeで後輩を紹介する企画もありあましたが、その取り組みも、やはり最年長メンバーとしての責任感からなのでしょうか?
柏木私も先輩たちのおかげでここまで来られたので、そういう良き伝統は残していきたいんです。何より私はAKB48が好きなので、自分にとって誇りの持てるグループであってほしいんです。だから広報活動をするのは後輩のため、グループのためでもあるけど、突き詰めれば自分のためでもあるんですよね。