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(更新: ORICON NEWS

「選手の“ジャンプ”を想定し、実験済みだった」話題の段ボールベッド、メーカーが明かす開発の裏側

老舗ひしめく寝具業界で売り場確保の苦労も…アスリートに目を向けブランド確立「海外遠征で床に寝ていた選手も」

 エアウィーヴと五輪の関わりは2008年北京大会に約70名の水泳・陸上選手がマットレスを現地に持参したことに始まり、その後の大会でも継続して選手たちに製品を供給している。

 2007年に事業を開始したエアウィーヴは老舗ひしめく寝具メーカーの中では新興であり、販売開始当時は量販店や家具店で売り場を確保できないなどの苦労もあったという。現在のように広くその品質が知られるようになった背景には、アスリートたちの絶大な支持があった。

 「テニスの錦織圭選手は遠征のたびに弊社のマットレスを持参してくださっていますが、それまでは遠征先によってマットレスの硬さが違うことに悩まされていたそうです。ときには床で寝ることもあったとか。アスリートは体が資本ですから、一般の方以上に生活の中で生じるご自身の体調の変化に敏感なんですね。そこでまずはアスリートのみなさんに評価していただける製品を開発しよう。そうすれば広く一般の方々にも機能性の高さを知っていただけるのではないか、という発想が開発当初からありました」(安藤氏)

 安藤氏によると「睡眠障害」ではない「普通の健康な人の睡眠の質」の研究は生活条件を揃えるなどが難しいこともあり、ほとんどされてこなかったという。同社では、健康な人の睡眠の質を研究するため、マリア・シャラポワや宮里美香、ポーラ・クリーマーなど、数多くのトップアスリートを輩出するアメリカのスポーツ養成学校「IMGアカデミー」にて、「睡眠研究」の分野において世界初の科学的検証を行っている。研究の結果、低反発やスプリングマットレスで眠ったときと比べ、「高反発マットレス(エアウィーヴ)」で眠った後の方が運動パフォーマンスの向上が見られた。この結果は有名科学誌ネイチャーを発刊するネイチャー・リサーチ社の「Scientific Reports」に掲載され、科学的評価を得ている。

 快眠は誰もが共感できるテーマであり、東京五輪期間中のアスリートたちの発信によってエアウィーヴの評価もますます上がった。加えてコロナ禍で、おうち時間をより快適に過ごしたいとの需要からも製造工場はフル回転しているそうだ。

(取材・文/児玉澄子)

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