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(更新: ORICON NEWS

武井壮、マイナー競技ゆえの“絶望”を胸に…フェンシング協会会長就任の真意を告白

自身もマイナー競技ゆえに絶望を抱え引退、「選手たちの労力が1円にもならない状況を打破するのがメジャーへの一歩」

(c)日本フェンシング協会

(c)日本フェンシング協会

――ご自身も陸上十種競技選手として活躍された経験を持っています。選手視点でのメジャー競技ではないがゆえの困難さはありますか?

武井壮競技って、マイナー、メジャーにかかわらず、必要な技術と能力を高めていくというのはタフさが必要なことですし、一日の何時間もそこに費やしていかなければなりません。その中でマイナーな競技だと、小さい頃から夢中になって打ち込んできた自分の競技は、「頂点をとってもプロ野球選手のような生活が待っているわけではないんだ」といつしか気づかされるんです。だからマイナースポーツの選手のほとんどが、途中で手にした技術や経験を放棄せざるを得ません。業界に費やした労力がリターンされない、労力が社会的知識や経済活動につながっていないところに、足りなさを感じるんです。

――ご自身にもそのような経験が?

武井壮僕自身、陸上十種競技の日本チャンピオンになりましたけど、例え五輪に出たとしても知られない存在であり、野球選手のような豊かな生活に繋がらないんだということに絶望して引退をしました。トップクラスの能力を持つ選手たちの労力が1円にもならない、選手の業績が社会的地位の向上に繋がらないのは悲しい現実です。この状況を打破するには、スポーツが産業として発達していくことが大切であり、そこを打破していくことがマイナーからメジャーへと進化する第一歩だと思うんですよね。

――経済的な基盤をつくることが課題なんですね。

武井壮そうなんです。競技団体が独自の収益を得ていけるようにすることが大切。東京五輪以降は補助金も減少することが考えられますし、スポンサーも、コロナ禍によりこれまで通りとはいかない。その業界にたくさんの人が注目して、足を運ぶんだという状況を作らないとスポンサーのメリットを確保できない。フェンシング、またはフェンシングに準ずるレクリエーションが広告価値を持つ業界にしていく必要があると僕は思っています。でないと、スポーツはただの趣味になってしまい、苦しい時に必要のない存在になってしまう。

――コロナ禍で、スポーツやエンタテインメント全般が経験した課題でもありますね。

武井壮フェンシングに準ずる遊びが確立されてくれば、いろんな発想をもとに楽しみ方も広がっていく。様々な人がフェンシングとの距離を縮めるためのエンタテインメントも作っていきたい。“フェンシングは魅力的なんだ”と訴えることよりも、フェンシングを魅力的にみせるためにはどういう手立てが必要なのかを考える。僕がこれまでの芸能活動でやってきた、マイナーだった自分をメジャー化するエンタテインメントの作り方は、そこに近い作業です。まずはフェンシングをだれもが知るものにする、ここです。

芸能活動で培ったマイナーからメジャーへの経験をフェンシングへ活かす、「本業はタレント」の真意

  • (c)日本フェンシング協会

    (c)日本フェンシング協会

――いよいよ五輪開催です。

武井壮選手たちの人間的な魅力や、フェンシングの素晴らしさを伝えていけたらいいなと思います。例えば、エペ(フェンシング種目の1つ)の見延和靖選手。身長177cmなんですけど、リーチは197cmあるんです。その長いリーチの上で、剣のフレンチグリップ(持ち手)の先端ギリギリのところを握るテクニックを使います。腕が伸びてくるような攻撃で、世界ランキング1位の経歴をもつ選手なんです。そんな選手が日本にもいるということを知ってもらって、その戦い方を楽しんでほしいです。

――選手たちのバックグラウンドを知ると試合の見どころもわかりますね。

武井壮そしてもう一人、エペの佐藤希望選手。五輪3大会連続出場していますが、1大会目に出場したあと出産されて復帰、優勝して二度目の五輪出場権を獲得。二度目の五輪出場のあとにまた出産されて、また全日本で優勝して、復帰して三度目の五輪の出場権を獲得した選手なんです。ママさんでありながら最強のフェンサーでいる、すごい存在なんです。

――フェンシング協会会長としてのご活躍もみなさん期待していると思います。今後の展望について教えてください。

武井壮僕自身の活動は、今までとまったく変わりません。本業はタレントですし、発信するためには武井壮自身がメジャーである必要があると考えています。僕が芸能生活10年間でやってきたことは、僕自身が武井壮をメジャーにすることだったので、その経験を通してフェンシングをメジャー化させていきたい。そして僕が会長であるなんていう話題が些細なこととして忘れられるくらい、選手の活躍に注目してもらって、それを継承していける土台を作っていきたいですね。これからのフェンシングに、ぜひ注目してください。

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