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浪費家で借金まみれの父、お金に無知な母…“お金に追われていた”息子が父の日広告を経て変化した両親への想い

画像提供:足澤憲さん

画像提供:足澤憲さん

 「父の日にあわせて手紙を故郷の駅に出したけど、お父さん読んでくれるかな?」という一文とともにTwitterに投稿された写真が話題に。投稿者は足澤憲さん(@tarusawa_ken(外部サイト))で、『AIクレジット』というお得な決済をナビするアプリの開発者。アプリ広告の一環として、亡き父への手紙を地元の駅に出したことが大きな反響を呼んだ。かなりの浪費家で借金を抱え、足澤さんの奨学金まで使い込んでしまったという父親に対しての想いを切々と綴った手紙には、「嫉妬するくらい惹きつけるコピー」「人生どん底まで落ちた人間は超進化を遂げて這い上がってくるんやな」などと多くのコメントが寄せられた。広告の経緯や父との関係性、親を反面教師にして培ったお金の価値観について話を聞いた。

生前、父に自己破産を提案するも「内緒で保証人を家族の名前にして借金していた」

 今回、話題となった広告「お父さん、オレの奨学金を使い込んでくれてありがとう。」は、給食費を滞納、奨学金まで使い込んできた父への想いが赤裸々に綴られ、その衝撃的な内容と斬新な広告手法にさまざまなメディアから注目された。足澤さんは、クレジットカードの還元率を利用しながら奨学金を返済。その経験から、還元率をひとめで分かるスマホアプリを開発するまでに。今の姿があるのは「父のおかげ」と語り、「天国で飲もうな。そのときの支払いは、このアプリを使って決めさせてくれよ。」で締めくくられた言葉には、「こんな切実な背景があるサービスというだけで使いたい」「最後の4行で泣いた」とさまざまな声が寄せられた。
――父の日にあわせて出した広告の投稿に多くの反響が寄せられていましたが、そのことについてはどう感じていますか?

足澤憲衝撃的なコピーだったと思うのですが、割とポジティブな反応が多くてうれしかったですし、反響の大きさにびっくりもしています。コピーしかり、内容が実話だったとか、広告を出したのが地元だったとか、色々なことが組み合わさって相乗効果を生んだのかなって感じますね。

――故郷に広告を出したことで、地元の友人などから何か反応はありましたか?

足澤憲同級生、先輩、後輩、友だちと、色んな方から連絡があったのですが、基本的には「感動したよ」って皆さん言ってくれました。「自分も何かを立ち上げたい」って言っていた友だちも何人かいましたね。

――足澤さんとお父さんは、どのような関係性だったのでしょうか?

足澤憲正直あまり良くなかったと思います。生前ほとんど話したこともなくて…。うちは農業をしていたんですが、父は真面目に仕事をしないでサボってばかりで、「今日もお父さん、仕事していないね」って悪口を言いながら、私と母親が農作業をする日々でした。

――広告には書けなかった、お父さんとの印象的なエピソードはありますか?

足澤憲父が亡くなる1年くらい前に、「自己破産をしたら?」って提案したんです。父もさすがに観念をして手続きを進めていったら、借金の金額がトータルで1500万円くらいに…。結局、自己破産の処理があと少しで完了するというときに、父が亡くなったので、我々は相続放棄をしました。これで借金がなくて済むと思っていたら、父が内緒で保証人を家族の名前にして借りていたものがあって、結果的に借金が残っていたということはありましたね。

――お父さんが何にお金を使っていたのかは、よくわからないまま?

足澤憲基本的には農業の機械を買おうとしていたみたいですけど、普通は収支のバランスを考えて買うものなのに、父はそういった計算が全くできなくて、「足澤さん、新しい機械がありますよ」と言われると、見栄を張ってすぐに買っちゃうんです。1台200〜300万円する機械をバンバン買って、雑に使っていたから修理にもよく出していましたしね。

――お金の使い方が下手だったんですね…。

足澤憲もともとは裕福で、足澤という地域の中では資産をたくさん持っていた家だったんですけど、父が一代でそれを全て食い潰して借金にしたので、ある意味すごいですね。個人で1000万円以上の借金ってどうやったらできるんだろうって思ってしまいますが、借りる能力だけはあったんでしょうね…。

「ちゃんと父のことが許せた」広告を機に父への想いに変化

お母さんとお父さんに肩車されている幼少期の足澤さん(画像提供:本人)

お母さんとお父さんに肩車されている幼少期の足澤さん(画像提供:本人)

――お父さんに対する複雑な思いなどは、どのようにして昇華していたのですか?

足澤憲小学校や中学校くらいのときは、父のことが嫌いでしたね。でも父が取った変な行動を見ては「またこんなもの買ってきたよ」とか「お父さんヤバいね」って母親と兄弟でネタにして笑いにかえて昇華していた部分はありました。母がすごくポジティブな人なので、その影響は大きかったです。高校生くらいからはもう父に対する憎しみみたいはほぼなくなっていました。

――今回の広告でお父さんへの思いを言語化することで、足澤さんの中で何か変化はありましたか?

足澤憲これまで父に対して「ありがとう」と言ったことがなかったんです。皮肉みたいに取られるところもありますけど、コピーの中で「ありがとう」と言えましたし、お酒も一回しか飲んだことがなかったですが、「一緒にお酒を飲みましょう」という締めの一文も書けたので、あれを公開したことで自分の中で気持ちの整理が一旦できました。ちゃんと父のことを許せたかなって。

――広告には書けなかった足澤さんの貧乏エピソードはありますか?

足澤憲家がすごくボロかったんですが、ある日、2階にある自分の部屋でパソコンをしていたらそのまま寝落ちしちゃって。気がついたら部屋の中なのに雨が降っていて、パッと見たら壁がなくなっていたんです。でも、夜だったので誰も起こさずに、1階のこたつで寝ていたら、朝になって母が2階の壁を見て私が逃げ出したと思ったらしく、「憲が逃げたぞー!」って叫んでいたことがありました。

――それって、結局どうなったんですか?

足澤憲修理するお金がなかったので、とりあえず父が木で壁をなんとなく埋めていました。隙間から外が見えていましたけどね…(笑)。

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