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コロナ禍における唯一の光明は「家族の時間が増えたこと」 食がもたらす“団らん”の意義

  • 調査では「食事時間を含め家族の時間が長くなった」と家族団らんの時間を楽しむ人も

    調査では「食事時間を含め家族の時間が長くなった」と家族団らんの時間を楽しむ人も

 世界中に暗い影を落とした新型コロナウイルス。感染者の拡大にともなう外出自粛要請によって、外食産業は壊滅的打撃を受けている。「美味しいものを食べる」という食への欲求は本来、人間が根源的に持つものだが、それが感染防止を最優先する今、十分に満たされない現状がある。しかし、そんなコロナ禍で、唯一の光明とも言えるのが“家族の団らん”が増加したことだろう。先ごろパルシステムが発表した「コロナ禍で変化する食卓の変化」アンケート調査によると、パパ・ママの5人に1人が「夕食時に家族の揃う人数が増えたと実感している」と回答している。そこで、コロナの影響が食卓にもたらした変化について、広報担当の植田真仁氏に話を聞いた。

コミュニケーションが増加し「家庭内の家事分業がボーダーレス化している」

 「コロナ禍で変化する食卓の変化」アンケート調査によると、「コロナ禍の前と比較して、家族との夕食の際、食卓にそろう人数に変化はありましたか?」という質問に対して、約2割が「食卓に揃う家族の人数が増えた」と回答。また、曜日ごとの傾向においても、平日全ての曜日で家族揃って夕食を食べている人が増えていることがわかった。

 さらに、「外出自粛をするなかでよかったできごと」としては、以下のようなコメントが上がっている。
「食事時間を含め家族の時間が長くなった。食事の準備の時間、夫に子供の相手をしてもらえる為、効率的に支度が出来る様になった」(40代女性/神奈川県)
「男ですが、料理が得意なので、たまに料理は作ってたけど、リモートになって家にいる時間が増えたので、平日でも料理ができるようになった。(40代男性/東京都)」
「通勤通学時間がなくなったお陰で、夜ご飯の時間が早まり夜ゆったり過ごせるようになった(50代女性/千葉県)」
「小5の息子が炒飯やオムライスなど簡単な昼ごはんくらいは作れるようになった(40代女性/愛知県)」

 こうした調査結果について、植田氏は「家事の分業がボーダレス化しているのでは」と実感を語る。

「夕食に揃う家族の人数が増えたと実感している方が2割もいらっしゃるのは、すごいことですよね。これまでは、お母さんが食事の支度をして、お父さんはお風呂に入れる…など、家事がなんとなく家庭内で分業化されているイメージだったんです。実際にきっちり役割分担されているご家庭も多いかと思いますが、コロナ禍によってそれぞれが家にいる時間が増えたことで、その役割がボーダレス化しているのかなと感じました。役割をきっちり決めるというよりは、みんなが少しずつ分担し合うような流れに変わってきた印象がありました」

食材の宅配サービスの売上は40%増加、料理の時短が叶う商品が好調に推移

コロナ禍のタイミングでよく売れたという『直火炒めチャーハン(産直米)』(画像:パルシステム)

コロナ禍のタイミングでよく売れたという冷凍食品『直火炒めチャーハン(産直米)』(画像:パルシステム)

 一方、同調査では家族で一緒に食卓を囲めるようになったという声があがる反面、「ご飯を作らなければならない“負担”が増えた」「献立に困った」という声もある。そうした状況を受けてのことか、コロナ禍の前と比較して、家族の食事の準備時間の変化について、「デリバリーやテイクアウトを取り入れた」という人は、全体の22・0%にのぼった。外食がしづらい現状で、自炊の負担が増加するなか、スーパーの総菜や通販での食材調達に助けられた側面も少なからずあったのではないだろうか。実際、パルシステムも緊急事態宣言後の売上高が一時40%増加したという。

 植田氏は注文傾向について、次のように説明する。
「安倍元総理が学校に休校要請をして約10%、小池都知事の『ロックダウン』発言時にも約10%、緊急事態宣言でさらに約10%と売上高が伸びていきました。1回目の緊急事態宣言時には、瞬間風速的に前年比140%まで伸びています。とはいえ、もともと当グループの食材配送システムの場合、生協組合員として加入しないと、商品の購入・宅配が利用できないというハードルがあります。そのため、コロナによって突然、爆発的に加入数が増えたわけではなく、もともと安定的に推移していた組合員数の中で、それぞれのご家庭の購入数が増えたということです。特に購入が多かったのは、お米、冷凍食品、スパゲッティなどの商品ですね。これらは前代未聞の売上として、急増する配達に苦慮するほどでした」

 また、同社の商品で、料理時間の時短を可能とする商品も好調に推移している。特に「3日分の時短ごはんセット」は1日につき約1万2000セット、「わが家の常備菜セット」は約7000セットという注文が入っている状況だ。

「開発者によると、『毎晩の献立を考えるのが、つらくてしょうがない』という声が多いのだそうです。私も妻に『今日何たべたい?』と毎日のように聞かれますが、それほど献立を考えるということは難しいもので、皆さま、毎日冷蔵庫の中身と照らし合わせながらご苦労されているんですよね」(植田氏)

食卓が“人を結びつける場”に、「メリハリをつけて料理を楽しんで」

「3日分の時短ごはんセット」(3人分)の一例。食材と一緒に届くレシピに沿って調理をすることで、20分程度の調理時間で晩ごはんが完成するという(画像提供:パルシステム)

「3日分の時短ごはんセット」(3人分)の一例。食材と一緒に届くレシピに沿って調理をすることで、20分程度の調理時間で晩ごはんが完成するという(画像提供:パルシステム)

 仕事や家事、学業などに追われつつも、人との交流が減り、様々な思いを対面で共有できる場が限られる今。家族全員で食事を共にするという時間は、コロナが与えてくれた唯一のポジティブな要素かもしれない。パルシステムでは、“食の大切さ”について、利用者に常に伝え続けてきたメッセージがあるという。

「それは、『日々、メリハリをもって、手作りを楽しんでみませんか?』ということです。忙しい平日は、便利なセットなどを利用してパパっと作る、で良いと思います。料理は簡単に済ませて“料理以外の時間を楽しむこと”を大事にしてほしいのです。また、休日は、一人であればとことん手のこんだレシピに挑戦してみるのも良いし、家庭でお子さんと一緒に作ってみるのも楽しいでしょう。その日その日の状況に合わせて、メリハリをつけて、普段の料理を楽しんでほしいと思います」(植田氏)

 また、「美味しいものを食べる」ことは、単に料理の味だけではなく、「大切な人と共にする時間」によって補完されることも多い。

「食べることは生命維持には欠かせないものですが、食は『人と人を結び付ける場』として様々な価値や役割を担っており、それを実現するのが“食卓”です。それは2度目の緊急事態宣言により、20時以降の飲食店が閉まっている今、誰もが改めて気づいたことなのではないかと思います。コロナ禍で普通の生活が失われたことにより、そんな『食卓の大切さ』を教えてもらった気がしています」

 とはいえ、料理に関してはどうしても“作る負担が増えた”という課題がある。リモートワークによって偏った食生活になっている問題も、報じられている。そうした料理の負担や、食生活の偏りはどのように改善するべきなのか?

「当会では、コロナ禍の食卓を考えるオンライントークライブを行い、人々の気づきとなるような情報を発信しています。食べることにまつわる社会の現状や、不健康な生活に陥りがちな日常を生き抜くためのスキルやノウハウをお伝えしていきたいという狙いからです。と同時に、食材をつくる生産者の方々にも思いを馳せる機会を提供したいという思いがありました。自分たちが食べるものを自分たちで確保していこうという思いを、もっと強く明確に抱き、それをみんなで共有していきたいと思うのです」

 SNSによって情報の共有はいくらでもできるようになったが、言葉の節々に垣間見える“不安”や“悩み”をテキストからくみ取ることはどうしても限界が生じる。その点、食卓を囲む家族の団らんは、“対面での共有”ができる。食卓が“自分の思いを語る場”となって、それが“温かみ”をもって受け止められ“絆”として深まっていく。これこそ食を囲む意義と言えるし、コロナ禍のなかで改めて我々が気づくことができた光明と言えるのではないか。
(文:田幸和歌子)

農文協・パルシステム共同企画 『かんがえるタネ』 “世界が転換する時代の「台所サバイバル」”

藤原辰史×魚柄仁之助 オンライントークライブ
調査結果からも、コロナ禍において食卓環境に変化がみられました。これまでパルシステムでは、産直を中心に「人と人が直接つながる」活動を展開してきましたが、困難な状況が続くなか、持続可能な社会づくりの実現へ向けた新しいコミュニケーション手法の確立が求められていると認識しています。このたび、パルシステムと農文協による共同企画「かんがえるタネ」シリーズの関連企画として、これまで出版された2作品の作者を招きオンライントークライブを開催します。食文化史と台所、歴史研究と哲学という多角的なアプローチから、「コロナ後の食卓」を考えます。
日時:2021年2月20日(土)14時〜15時30分
質疑応答はライブチャットにてお受付いたします。

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