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ダウン症の弟、急逝した父、倒れた母に気づかされた“家族”の意味「家族は選べる」

 車椅子利用者の母とダウン症の弟、そして幼いころに急逝した父とのエピソードなどを、投稿サイトnoteに綴っている岸田奈美さん。その愛情あふれるユーモラスな表現が話題を呼び、1年で累計800万PVを達成した。さらに9月には書籍化され、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を出版。ページ番号には、24歳まで字が書けなかった弟の手書き文字を採用していることも話題となり、発売後、即日重版となった。「家族は選べる」という考えを持つ岸田さんに、家族とは何か、家族を選ぶとはどういうことなのか聞いた。

父に最後に掛けた言葉は「死んでしまえ」だった… エッセイは「自分を癒すために書いてる」

 岸田奈美さんの弟は生まれつきダウン症で知的障害があり、父は、奈美さんが中学2年生だったときに、心筋梗塞で急逝した。父との最後の言葉は、些細な喧嘩で発した「死んでしまえ」だったそう。深い後悔と悲しみが癒えない高校1年の時、今度は母が大動脈解離で倒れ、生死をかけた手術の決断を任された。決死の覚悟で行った手術は成功し、なんとか一命を取りとめたが、後遺症により車いすの生活になってしまった。奈美さんはその過去をユーモラスに書いているが、それは自分と家族のためでもあるという。

「最初は、過去の話を面白おかしく書くことに後ろめたさはなかったのですが、多くの人に読んでいただけるにつれて、否定的な反響も来るようになりました。例えば、『岸田さんみたいに障害のある家族を愛することができません。なぜなら、私に酷い暴言を吐いたり暴力を振るったりするからです。家族のせいで私の人生がめちゃくちゃになったのに、岸田さんの幸せそうな家族のエッセイを読むのは辛いです』と。でも、私は母親から『家族だから弟の面倒を見なさい』とか『お姉ちゃんだから我慢しなさい』と、家族を理由に何かを強制されたことが一度もないんですね。それに、弟も母も優しくて明るく、父もユニークで素敵な人なので、3人とも大好きなんです。それがたまたま私の家族だった。エッセイは、読んでくれる人を楽しませたい思いから家族それぞれの愛しい部分を見つけて書いているだけなんです。そしてその過去を自分が思い出してつらくならないようにするため、自分を癒すためでもあって、家族のためでもあるんです」

 そんな奈美さんのエッセイは投稿サイトnoteで話題を呼んだ。そして、今年の3月に約10年務めていた会社を退職し、作家として独立。9月には初の著書『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を出版した。

「会社に在籍していた頃から自分の価値を上げる方法を模索していたんです。どうやったら自分に自信を持つことができるのか、周りから認められるのかを凄く考えて、最終的に辿り着いた答えが“自分の特技や能力を貴重だと思ってもらえるフィールドに行く、もしくはそういう場所を作り出すこと”でした。目的はあくまでも人を楽しませることなので、純粋にそこを突き詰めていったら今のような状況になっていましたね。」

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