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東日本大震災で経験した“遺影制作”の漫画に反響 震災10年の節目にSNS投稿した理由とは?【#あれから私は】

  • 画像提供:あいしまさん

    画像提供:あいしまさん

 東日本大震災から、今年で10年。そんな中、ずっと自分の中にしまっていた震災の経験を漫画にした投稿がTwitter上で話題になっている。作者は当時、被災地の写真スタジオで働いていたあいしまさん(@setup_setup)。たくさんの方々の遺影を制作した体験を漫画で描いた。この投稿には、「震災にしろコロナにしろ、犠牲者何名って数字で書かれるけど、その数字の先には一人一人の人生があって家族がいて関係者もいる」「思い出すとつらいけど、忘れずに亡くなった方々の分まで生き抜こうと思う」「この方は意図せずとも、とても大切でかけがえのない仕事をなさった」などと多くのコメントが寄せられた。なぜこの漫画を描こうと思ったのか、作者に話を聞いた。

「パソコンの画面越しのひとりひとりに手をあわせていた」

画像提供:あいしまさん

画像提供:あいしまさん

 東日本大震災が起こった際、あいしまさんは被災地に住んでおり、地元の写真スタジオで撮影アシスタント兼デザイナーとして働いていた。家や職場は幸い津波の被害を免れたため、震災後もそれまで通りに仕事を行っていた。ところが、しばらくして状況は一変。震災によって亡くなった方々の遺影写真の依頼がたくさん来ることになる。そして、さまざまな人たちの遺影写真を作っていく中で、あいしまさんはこの震災がもたらした悲しみを目の当たりにした。亡くなった方々にあるそれぞれの背景や遺族のつらさを知る度に、何とも言えない気持ちになった。だからこそ、せめて3月11日だけは1分でもいいので、大切な人と防災について話してほしいという願いを漫画に込めた。
  • 画像提供:あいしまさん

    画像提供:あいしまさん

――「#東日本大震災から10年」というタグとともに自身の体験を漫画にした投稿に、多くの方々が震災に対する思いを引用リツイートしていましたが、このような反響についてはどう感じましたか?

【あいしま】全てに目を通しているわけではありませんが、私が描いたもので皆様がさまざまなことを思い考えているのを目にして驚きました。伝えたかったこと以上の反響があり、読んでくださった皆様には感謝しかありません。

――今回の投稿に至る背景と投稿に込めた思いを教えてください。

【あいしま】震災から10年という区切りの年でもありましたし、何より私の子どもが漫画に描いた当時の子どもたちと同じくらいの年齢になりました。それもあり、日頃の防災意識にもっと目を向けてもらいたく描いた次第です。

――自身も被災しながらも写真スタジオで遺影制作に取り組まれたとのことですが、当時はどのくらいの発注があったのでしょうか?

【あいしま】これは申し訳ありませんが、本当に覚えていません。上司が作った遺影写真を私が額に入れたり、私が作ったりはしましたが、はっきりとはもう思い出せません。でも、数にできるくらいの量ではなかったと思います。

――遺影制作をするにあたって、何か心がけていたことはありますか?

【あいしま】できるだけご遺族のご希望に沿って作っていました。また、作るにあたって、パソコンの画面越しのひとりひとりに手をあわせていたのを覚えています。

――遺影制作を通じて、自身の中で変化した思いや考えなどがあれば教えてください。

【あいしま】できるだけ人には優しくいようと思うようになりました。いつ何時に、その人との別れが訪れるかはわからないので…。

自分の命を救う術として「大切な人と防災について話してほしい」

画像提供:あいしまさん

画像提供:あいしまさん

 あいしまさんは、当時仕事をするなかで、様々な人と出会ったという。父親の遺影を抱えて入学撮影をする親子、母親と子ども2人の写真を1つの遺影写真として「写真では一緒にしてあげたくてね…」とリクエストする人、証明写真を引き伸ばして遺影を作り「嫌がられても、もっと写真を撮るべきだったなぁ…」と後悔する人――。「10年経った今でも このことを忘れる事ができずにいて 思い出すたびに涙が溢れてしまうんです」とあいしまさんは漫画のなかで振り返っている。
  • 画像提供:あいしまさん

    画像提供:あいしまさん

――漫画にされているエピソードは、どれも心に刺さるものばかりです。遺影制作するにあたって、もっとも苦労したことは何でしょうか?

【あいしま】この作業が大変だったとかはないのですが、やはりあまり明るい仕事ではないので、気持ちが沈みきらないようにするのが大変でした。

――震災から10年が経ちますが、自身の中で震災に対する考え方に変化はありましたか?

【あいしま】自分自身が母親になったこともあり、家族や子どもと防災を考えるようになりました。

――最近も大きな地震があり、またいつ何が起きてもおかしくない状況です。東日本大震災の被災者の立場として、読者に心に留めてほしいことはありますか?

【あいしま】誰しも大切に思う人がいると思います。その人と少しでも防災について話して頂きたいです。きっと自分の命を救う術になると思います。
あいしまさん
Twitter:@setup_setup

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