• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • ライフ
  • 「丸亀製麺」海外展開から10年 出店延期・ロックダウン乗り越え欧州進出への思い
(更新: ORICON NEWS

「丸亀製麺」海外展開から10年 出店延期・ロックダウン乗り越え欧州進出への思い

 日本では、全国に850店舗をこえる大人気讃岐うどん専門店「丸亀製麺」。親会社のトリドールホールディングスは、海外にも「MARUGAME UDON」を11の国と地域で240店舗を展開している。1店舗目のワイキキ店オープンから10年たった今年7月にイギリス・ロンドンへ欧州初の出店も決定。おなじみのオープンキッチンで、できたて作りたてを提供するこだわりは変わらない。日本が誇る食文化である「うどん」を海外へ発信する工夫や、今後の展望を海外事業本部の菅 聡さんに聞く。

オープン初日から大盛況だった海外1号店「オープンキッチンでできたてを」

  • 2011年のワイキキ店オープン時

    2011年のワイキキ店オープン時

――10年前、2011年にワイキキ店を開くきっかけを教えてください。なぜワイキキだったのでしょうか?

菅 聡さん(以下、菅)トリドールホールディングスの創業者で、代表取締役社長である粟田が、2009年ハワイを訪れた時のことです。趣味のジョギングをしている途中、偶然空き物件と出会ったそうです 。それは日本家屋風のたたずまいに、全面ガラス張りの建物でそれを見た瞬間すぐに丸亀製麺の出店イメージができました。ここで丸亀製麺を作れば、すごく良いお店になると。

――なるほど! 計画的ではなく、偶然の出会いだったのですね。オープン当初の反響はいかがでしたか?

オープン初日からお客様の大・大・大行列だったそうです。

――来店するのは、うどんに馴染みのある日本人が多かったですか?

日本人も多かったですが、海外からの観光客や現地の方も、珍しがってうどんを召し上がっていただいていました。

――3月時点で海外に238店舗展開されていますが、海外出店においてこだわっている部分を教えてください

日本と同様にオープンキッチンスタイルで、手作り、できたてのおいしい食事と臨場感を大切にしています。うどんが美味しいことは大前提ですが、店内の調理シーンをご覧いただけるスタイルで店舗体験そのものをお客様に喜んでいただけることを大事にしています。

――海外のお客様からはどのような声が届いていますか?

「この値段で、このクオリティ。信じられない!」「こんなおいしいうどんを食べたのは初めて」「目の前で作っている工程を見られるのが楽しい」など、各国で好評を得ています。

――リーズナブルな点が日本では人気のひとつですが、海外での価格設定を教えてください。

普段使いのお店として何度でも来てもらえるように、現地にとってリーズナブルな価格帯にすることを意識しています。

コロナ禍で苦境 うどんを新たに楽しんでもらえるように

ロンドン店内観のイメージ

ロンドン店内観のイメージ

  • ロンドン店で提供予定の『チキンカレー丼』

    ロンドン店で提供予定の『チキンカレー丼』

――昨年は大変な一年でしたね。海外の店舗は新型コロナウイルスの影響はいかがでしたか?

多くの国々で影響を受けました。国の方針でレストラン営業停止を含むロックダウンが発動されるところも…。しかし、営業再開に伴い、比較的早い段階で以前の水準まで回復する傾向にあります。

――7月には英・ロンドンへ出店が決定していますね。今春オープン予定から延期になりましたが、苦しい状況でもオープンを決めた理由をお聞かせください。

コロナ禍においても、着々と準備は進めておりました。英国政府からのロードマップに基づき、飲食店営業をはじめとする規制が撤廃される時期を見据えてオープンを決断しました。我慢を強いられてきた現地の方々に、新たに楽しんでいただける存在となれるよう努めます。

――ロンドンでのオープンを機に欧州へも本格的に進出していくそうですね。今後、新規に出店していくエリアはありますか?

丸亀製麺の存在を喜んでいただける国や地域は、まだまだたくさんあると考えています。カナダ、中東、中南米は「丸亀製麺」の展開可能性のある興味深いマーケットです。アジア各地での展開についても、さらなる強化を図っていきます。

丸亀のこだわりを海外でローカライズするには…

  • テキサス1号店の炉端焼き

    テキサス1号店の炉端焼き

――海外出店から10年、一番大変だったのはどんなことでしょうか?

手作り・できたて、目の前調理という「丸亀製麺」の大切なこだわりを維持しながら、現地に受け入れられるような味わいや見せかたをローカライズしていく部分には毎回苦労しています。

――メニューも国によってアレンジして開発されていますね。

日本食に馴染みがない方にも、うどんを楽しんでいただけるように出店地の食文化や嗜好をもとにアレンジしています。例えば、米テキサスであれば『マカロニ&チーズ風うどん』、インドネシアは『鶏白湯うどん』など、主に出汁や塩味の調整などをすることが多いです。

――うどんのお供として「丸亀製麺」の定番メニューでもあり、日本食として人気の『天ぷら』ですが、海外ならではのサイドメニューはありますか?

サイドメニューも取りそろえています。天ぷらやいなり、おにぎりに加えて、現地の嗜好にあわせて、カツサンドや炉端焼き、抹茶アイスなど、日本にはないメニューもございます。

――偶然からスタートした海外展開ですが、出店をして良かったことはどんな点ですか?

テイクアウトやデリバリー、ハラル、ベジタリアン、ヴィーガンなどについては、海外の方が先行して進んでおり、参考とすることもあります。7月に出店するロンドンでは、丸亀製麺では初となるヴィーガンメニューを取り入れています。

――最後に、今後の展望を聞かせてください。

海外マーケットには無限の可能性があります。弊社はグローバルフードカンパニーとして、世界中のお客様に食を通じた感動体験をお届けできるよう、これからも挑戦していきます。

テキサス1号店でのメニューには、てんぷらやカツサンドなどのサイドメニューも

テキサス1号店でのメニューには、てんぷらやカツサンドなどのサイドメニューも

あなたにおすすめの記事

 を検索