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ジェーン・スー、父との衝突と疎遠を経てたどり着いた“親子の関係性”「どこまで自分に正直に書けるか…」

「私の唯一の責務があるとすれば、それは私を幸せにすることだ」

――毎日新聞の人生相談回答者や、ラジオ『生活は踊る』の名物コーナー『相談は踊る』など、読者の中にはスーさんの著作やラジオに救いを求めている方も多い印象です。今回のドラマでも人生相談のシーンを監修されるそうですが、回答する時に大切にされていることはありますか?

ジェーン・スー相手の方は、見ず知らずの人に相談したいぐらい切羽つまっているんです。周りに相談できる人がいなくて、気持ちの弱っている人が相談の回答を聞いて、もう1回傷ついてしまうことがないような言い方にしようと思っています。回答を変えることはないですけど、言い方はかなり意識をしていますね。相手が基本傷ついている人っていう前提で考えると、強い言葉や正論を投げかけるのはやめたほうがいいかなと。

――スーさん自身は、悩んだ時は誰かに相談しますか?

ジェーン・スーものによりますね。人に話すことで自分が傷ついてしまう内容の場合は、自分で整理します。でも最近は、だいたい自分で整理できるようになってきたと思います。

――悩んだ時に、心の拠り所にしていることはありますか?

ジェーン・スー「私の唯一の責務があるとすれば、それは私を幸せにすることだ」っていうことですかね。もちろん、いきなりそこに着地できない時もあるけれど、自分をずっと不幸せな状態に置いておくことは、自分にとって無責任だと思うんです。

――そのことに気づかれたのは、いつ頃でしょうか?

ジェーン・スー40代に入ってからだと思います。30代は、何が正しいんだろうって正解を探したり、あっちの方がいい人生だったんじゃないかって、色々迷ったり後悔しながらもっとあたふたしていました。

――やはり、正解は探さないほうがいい?

ジェーン・スー親子関係もそうですが、正解を求めるとやっぱり苦しくなるんですよね。だから私は、正解を探さないことを提唱したい。でもそれって、1度探して経験しないとわからないんですよね。みんながこれをやれば幸せになるっていう正解なんて、ないわけだから。

テレビ東京のバナナ社員「ナナナ」とともに 撮影:岡田一也(C)oricon ME inc.

テレビ東京のバナナ社員「ナナナ」とともに 撮影:岡田一也(C)oricon ME inc.

――爆笑問題の太田光さんは、スーさんの文章を「向田邦子さんのエッセイ読んだ以来の(面白さ)」と絶賛されています。平成・令和の向田邦子として言及されることも多いですが、ご自身はどのように感じていらっしゃいますか?

ジェーン・スー向田邦子さんの『父の詫び状』は、今回の『生きるとか死ぬとか父親とか』の連載を始める前に読みました。太田さんをはじめ、そういっていただけることは本当に光栄ですが、足元にも及ばないのに恐縮です。

――太田さんもラジオで、「おそらく小説でもそのうちすごいのを書くんじゃないかな」とおっしゃっていました。

ジェーン・スーいや〜、もう書けない!(笑) でも書きたい思いはありますし、書きたいと思うことはあり続けてほしいなとは思っています。

――最後になりますが、今後お父様とやりたいことがあれば教えてください。

ジェーン・スー現実問題、介護にならないように歩き続けて食べ続けて健康でいてほしいです(笑)。1日も長く元気でいてもらうことが、一番の願いです。

(取材・文/辻内史佳)

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