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スカート姿で世の偏見に切り込む、"福祉業界のオシャレ番長"がパリコレ目指す思い
福祉を「3K」から「3I」に変えたい、パリコレへの挑戦もその1つ
2017年には発達障害の子どものための施設を設立。「福祉×オシャレで世の中を変える」という平林さんの人生のテーマの通り、明るく華やかで、施設に通う当事者たちがワクワクするだけでなく、働く人たちも誇りが持てる運営に取り組む。経済産業省が全国の中小企業を対象に"ホワイト企業"の上位500社を認定する、『健康経営優良法人ブライト500』にも選ばれた。
「とかく3K(きつい、汚い、危険)なイメージがある介護・福祉の業界を、3I=『イケてる』『生きがいがある』『いい仕事』に構築し直したいんです。福祉の新たな可能性を若い世代に提示し、未来に継承していくことは福祉業界に携わる僕たち大人の責任。オシャレにはその力があるんです」
『bottom’all』のパリコレへの挑戦もその1つ。「もしも車いすに乗ることが当たり前の世界だったら?」という発想から生み出された斬新なファッションで、車いすモデルたちがランウェイを闊歩するステージを準備している。
グッチがダウン症のモデルを起用したり、トミー・ヒルフィガーが障害者ニーズに対応したコレクションを発表したりと、ファッション界は変わりつつある。歴史あるパリコレだが、これまで車いすモデルがランウェイを歩いたことはないだけに、『bottom’all』が放つインパクトは大きいはずだ。
「世界では、モデルやシンガー、コスプレイヤーなど障害のあるポップスターが続々と活躍しています。もはや障害はタブーでもマイナスでもない、その人だけの武器になり得るんです。障害の有無に限らず、誰しもできること/できないことはあるけれど、すべての人が『できること』を生かせる社会になったら──。未来には『障害』とか『福祉』なんて言葉すらなくなるかもしれないですよね」
(文:児玉澄子)